酒とシャンパンのティスティング




 実は左のボトル、日本酒です。富山の満寿泉という酒蔵で作られているもので、Henri Giraud Masuizumiと名づけられています。
 この酒、大吟醸をシャンパンの樽に入れて作っています。その樽の提供先がHenri Giraudなのです。樹齢350年のオークから作られた樽だそうで、これもまた頑固さというかこだわりを感じさせます。試飲した感じはまさに「えー白ワインが入っているんじゃないですか」と聞いたほどでした。製造年が2006年ですから、少し寝かせて古酒にするわけですね。それで甘みが出る。ただ日本の普通の古酒のようなしつこさはない。飲みやすいリースリングを連想させます。でも香りは日本酒なのです。
 そして真打登場、日本語ではアンリ・ジロウと呼べば良いでしょう。このシャンパンがまたものすごい迫力を持っています。一口飲んで、「おー、あの子に飲ませないといかん」と電話してしまいました。あの子?フレンチワインに詳しいSに決まってるじゃないですか? こんな飲みやすいシャンパンは初めて!という感じでしたね。
 アンリ・ジロウは「幻のシャンパン」と呼ばれ、その少量生産のため2006年まで一般への販売はされていませんでした。英国やモナコの王室などごく限られた層にしか売られていなかったのです。
 1625年にシャンパーニュのアイ村(AY)で創業、現在の当主で12代目になります。その当主、クロード。ジロウさんにも昨夜はお会いすることができ、片言のフランス語を話そうと思いましたが、出てこなかったですね。アンリ・ジロウはすべて特級畑(Grand Cruですね)のみで栽培されやぶどうを使っています。その中の最高級はFut De Cheneというブランドで年間生産量はわずかに1-2万本のみで、ビンテージの年にしか生産されません、また最低でも7-8年をかけて熟成されますから、収穫してから市場に出るまで10年をかけると言っても過言ではないでしょう。
 今回、試飲したものはHommage Francois Hemartというもので、これは70%がピノノア、30%がシャドネーで作られています。BrutなのにBrutでない、他のシャンパンにある苦味が何もない。普通の美味しい白ワインをスパークリングにしたような味わいは、スターターにもなれるし、中継ぎもOK,そして抑えの切り札にもなることでしょう。その卓越した味わいを同行した日本人が「これは瓶熟成を3年した結果であり、他のシャンペンが12-18ヶ月で終わるとことを時間をかけているからです」と解説してくれました。
 他にも数種類ありますが、すべてを飲まないと気が済まないでしょうね。この写真のシャンパンで市場価格、だいたい1万2千円です。(楽天では1.5Lが19000円でした)私はこれが原価で入るので嬉しい限りですがね。もう大晦日に飲むシャンペンは、これで決まりです。ただ最高級を飲むかどうかはまだ決定しておりません。
 ここまで来ると、ドンペリのエノテークも少し霞がかかってしまいます。普通のドンペリはCM主義の塊で飲めたもんではない。モエなんてゴミですね。やはり手作りの本物志向は、目指すものがある人間にとっては換えがたいものがあります。
 こうした1ボトルのワインへの投資は馬鹿になりませんが、やがて自分が成長するにつれ、大きなな利益を生んで戻ってきます。ただ自分が成長しないと「猫に小判」でしかありません。いずれにせよ、良いものを食するというのは経験です。経験は踏んで踏まれてこそ肥やしになります。

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