簡単ではない駐在生活!でもね、、、。

 日本語学校のあるクラスでは、3人の生徒が近々帰国のため学校を辞めるという。不景気の中での帰国、任期終了による帰国、米国生活に適応できないための帰国、それぞれ理由はあると思う、
 例えば、これまで家族4人で駐在していたものを単身者1人に切り替えると、会社の経費はかなり抑えられ、最近ではこの手の駐在員入れ替えが増えているようだ。
 そして、相変わらず米国生活に適応できないための帰国も定期的に起こっている。「日本よりも生活水準の高い国に住んで何が不満なんだ?」と思われる方もいるだろう。
 実際には会社の命令により、米国に赴任するのだが、大変なのは家族であり、それも奥さんが一番負担が大きいようだ。子供はある程度適応能力がある、英語にしても半年もすれば喋れるようになる。旦那はといえば、会社では英語しか通じないと思えば、喋るしかないのでこれまた喋れるようになる。
 問題なのは奥さん、駐在員の妻なので、金妻よろしく「駐妻」と略称で呼ばれているらしい。まずは、英語の壁が実に大きいと聞く。そして子供が学校に行けば、学校からの通達などに目を通す必要があり、それが分からない。辞書を引き引き、同じ学校に滞在の長い駐妻がいればラッキーな方で、その方に聞くことができる。そうでないと惨めになる。「アメリカに住んでいて英語が上手になるからいいね」と他人は言うだろう。ただ、学校英語しか知らない大半の駐妻にとってはこれが苦痛以外の何物でもないだろう。
 そして理解もできないのに、話しても通じない。日本人の下手な英語は有名で、発音の大きな違いは、the, dunwoody, alpharetta, valleyなどを上げると分かるだろう。そう日本人はTHの発音がダメ、Wの発音もダメ、LとRの発音はそこそこ行けても1つの単語の中にこれが一緒に入っているとダメ、Vもほとんどダメで、そこにBが入るとさらにダメなのである。
 こうして書いている私も在米15年になろうというのに、この上記したものは理解してもらえない場合が多い。こればかりは仕方がない。
 それでも、私のように自分でアメリカに来た人間と、半強制的に連れて来られた人間では、英語の上達度も違ってくる。私は15年の間に、米人の友人で家を訪問するような友人が結構いるわけで、必然的に英語を話す機会もあり、普通の会話であれば問題はない。そしてシャイではなく(それはブログを読むと分かるでしょう)、厚かましい方なので間違った英語でも話すし、どんどん話す対応だが、大半の日本人はシャイで、ましてや外国人に対しては貝のように大人しくなる人が多いだろう。だから、余計に英語が上達しないのである。

 そんなこんなで家の中で奥さんが先にノイローゼ状態になる、そしてそれを会社から帰ってくる旦那にぶつけていくうち、旦那もおかしくなっていき、会社に「駐在ギブアップ」を宣言するのである。
 
 別にこれは日本人だけではなく、逆のケースもある。米人が上海に駐在し、その奥さんがノイローゼになったというケースを知り合いで知っているので、適応するかどうかは、本人の性格だけでは判断できない。
 ただ、日本人は、こういうところで我慢をするから余計におかしくなるケースがあるのだろう。「夫の出世に傷がつく」「会社に迷惑がかかる」「みっともない」などなど、自分のことよりも他人からどう見られるか、会社からどう見られるかを気にするのであろう。まあ、世間体を気にする日本人の特徴とでもいえばそれでお終い。

 これもまた、ゴルフと同じようなもので、壁をぶち破れば楽しくなるのであろう。そしてその前にやめる人が多いのと同じこと。米国生活をエンジョイするには英語をしっかり学ぶというのは必須条件だろう。それでも移民の多い国ゆえ、間違って喋っても相手はわかってくれるし、直してくれる。
 奥さんではなく、旦那が会社でノイローゼになるケースもあると聞いているが、これはかなり少ないようだ。

 そうならないためには何が大事なんだろうか? 人付き合いをきちんとすることじゃないだろうか? まずはご近所、そして会社の米人と交わってみることから始めるのが一番早い。
 実は5月に同い年の米人が引退する。48歳で引退とは実に早いが、それなりの資産を築いたので会社を辞めるとか。その彼Gとは15年来の友人だが、最初はお客さんだった。それがいつの間にか、クリスマスに招待され、こちらもしゃぶしゃぶパーティに呼んだり、こうして人間関係が深くなっていく、彼の両親や兄弟も皆知っているし、このGがアメリカでの最初の米人の友人である。

 米国の悪口を言う私であるが、米人にも言う。ただし、大半の米人は非常にフレンドリーで親切、好意的な人が多い。しっかりクラスのある人であれば、付き合っても面白いと思う。他人を理解するということは面白いことで、ましてや人種が国籍が違うと考え方も違うし、こうした人間探求は飽きない。

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