週末往来! 

 いやあ、昨夜は久しぶりにビール→赤ワイン→白ワインのチャンポンで泥酔し、やばいと思ったので店で寝て帰りました。そして起きたのが2時過ぎだったと思いますが、それで帰宅途中に「やはりこのままではやばい」と思い、途中のKrogerの駐車場に車を停め、完全に醒ましてから帰ろうと決意し、車の中で仮眠、起きたら5時50分でした。そして安全運転で帰宅して犬を散歩させ寝て9時に起き、公園を散歩しFXチャンネルを見ていたら、エドワード・ノートンが出ていて見入ってしまいました。その映画はAmerican History Xで98年の作品です。

 この映画は白人至上主義の兄(ノートン)が黒人の車泥棒を殺害し刑務所に入りますが、その3年間で変わってしまいます。ところが弟は逆に白人至上主義にのめり込んでいくわけです。弟を救い出した兄は、ナチのポスターなど関連品を一緒に部屋から取り払い、新しい生活を始めますが、とんでもない結末になってしまいます。(この映画は見てください)

 監督がCM監督で映画を撮るのは初めてだったようです。ノートンはスピルバーグ監督のSaving Private Ryanのオファーがあったにもかかわらず、この映画を選び、役作りのために30パウンド体重を増やし筋トレも行ったそうです。映画を見たシュワルツネッガーがノートンに「おい、ステロイド使ったのか」と訊いたぐらいです。シュワルツネッガーは使っていましたからね。

 この映画が描くものは、アメリカが抱えている問題そのものです。それは貧困問題、人種問題などを凝縮しています。我々日本人がこの国を理解することができる映画ではないかと思います。

 アメリカの斜陽から、社会から弾き出された白人のはけ口は「黒人憎し、有色人種憎し」なのでしょう。かつて下層だった黒人が公民権を得て平等になる。それでもなかなか実際には平等になれないため、政府はアファーマティブアクションを通過させ、学校で職場における機会を黒人に与えます。

 アファーマティブアクションが始まったのは1960年代のことですが、かなりメジャーになってきたのは80年代になってからだと思います。こんなデータがあります。アイビーリーグでは、試験の点数に白人をゼロとして黒人は230点、ラテン系185点、アジア系-50点、スポーツ特待生200点が加算されます。従って、テストが同じ点数の白人と黒人がいる場合、黒人が合格し、白人が不合格になるわけです。

 これが行き過ぎであり、また逆差別になるといった反発も当然ながらあり、難しい問題ですが、こうでもしないかぎり、マイノリティがいつまで経っても上がっていけないでしょう。

 白至上主義は、American Beautyという映画の中でも、隣家の父親のディナープレートの裏にハーケンクロイツ(ナチスの紋章)があったことからも「アメリカの現状」を見せていたと思います。ジョージアの北部からテネシーにかけて、こうしたKKKも絡んだような活動がかなり活発に行われているという報道を見たこともあります。

 結果として没落した白人のやり場のない矛先がそうした差別に向うのでしょう。国が広いため画一化された教育制度もなかなか確立できず、世界の縮図のように極貧から超金持ちが共存するのがアメリカでしょう。

 いつから彼らが没落していったのかは不明ですが、元々は東欧などの移民がその国が貧しく、希望を求めて新天地に入ってきたものの、英語もできず学力もないため、工場労働者としてしか働き口がなかったんじゃないかと思います。それでもアメリカが隆盛を誇っていた時代には、一戸建ての家が買えて、車も買え、別荘も買えた時代があったわけです。

 そのアメリカがダメになったのはベトナム戦争からではないですかね。1965年2月に米軍が挑発して起こしたことがきっかけで北爆を開始、1975年4月のサイゴン陥落で終結となっています。米軍だけで5万8千人の死者と2千人の行方不明者を出し、最大事には約60万人が駆り出された他国での戦争でアメリカは疲労困憊していったんじゃないですか、確か1973年にドルと金の交換が禁止になりましたから、このあたりがターニングポイントだったと思います。

 死者が約6万人ですから負傷者は同数かそれ以上でしょう。それが国内に引き揚げ、政府の補償などで生きながらリハビリに励むわけですが、そこに麻薬が入り込みますね。快楽を求めていくわけです。もっとも麻薬はマリワナなどがすでに60年代から、相当入り込んでいたと思います。実際には南西部では自生していますから入手は簡単なわけです。こうして崩れていったのが下層の白人じゃないですかね。
 
 アメリカを象徴する自動車産業もオイルショックの後でもたつく中、上がってきた日本から性能の良い小型車がどんどん上陸して売れて、職場を奪われていった。そのあたりからはもう見えてくると思います、ごく最近のことですからね。

 人は大抵の場合、自分が悪いとは思わないので、他人のせいにする。従って白人は自分の堕落を後から入ってきた黒人やアジア人のせいにするわけです。実に根の深い問題で、今後も解決することはありません。オバマが弱者救済を開始してから、ますます彼らは怠け者になっていくことでしょう。

 まあ、とにかくアメリカの現状を巧く捉えている映画でした。終わり

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