緊急レポート:どうなる黒鮪問題

 昨日のことです。卸業者から急な訪問を受けました。その会社は輸入業者から冷凍の本鮪の大トロを購入していますが、その会社にFDAから連絡があり、在庫の本鮪をすべてホールドするよう通達があったそうです。FDAホールドになると出荷ができません。その在庫は50トンと言われています。これまでグロッサリーでのホールドは珍しいことではありませんでした。例えば中国産のうなぎの検査でホールド、また牛肉エキス混入の疑いでカップ麺などがホールドされていました。鮪に関してのホールドは初めてのことで、どう見てもカタールで行われているワシントン条約締結国会議の投票を見守るのだと思います。

 仮にというか、おそらく大西洋と地中海での捕獲は全面的に禁止になると思います。投票は150カ国が行い、3分の2以上あれば可決されます。ニュースによると禁止に反対の立場をとっているわが日本は30カ国の同意を得たものの、3分の1である50カ国の票集めができていません。そうなると、一般の延縄、1本釣り、蓄養殖のための捕獲も禁止されますから、市場から本鮪が本当に消えることになります。
 さらにはFDAがすでにある在庫までホールドしたということは米国内においては流通できないでしょう。仮に闇で売ると見つかった場合にサンタモニカの鯨肉販売のように訴追され罰金とJail行きになりますから、そんなリスクまで背負って本鮪を出す店はないと思います。

 大西洋と地中海で禁止になっても、大西洋やインド洋などでは捕獲OKですから、当面は問題なしでしょうが、国際的な圧力がかかって、やがてこれらの地域でも捕獲が禁止になる可能性は高いと思います。 そして禁止になっても日本は「留保」の立場を取れば、同じ留保の国々と取引はできます。ただ、批判を浴びるのは間違いなく、寿司屋の前にプラカードを持った人たちが抗議活動をするでしょう。鯨は「調査捕鯨」と称していまだに年間1千頭を捕獲していますからね。これでさえも批判を浴びているわけです。


 日本は景気が悪いため、在庫がだぶついており、1年分は大丈夫ということらしいのですが、いざ「終わり」となると価格は高騰し、さらにはメバチやキハダまでも値段が上がるということになるでしょう。鮪を食べてきた日本人にとっては頭が痛いですね。「ねえ、今年鮪食べた?」なんて会話が出てくるかもしれません。

 この裏に何が潜んでいるのかは不明ですが、普天間基地移転問題に絡み、トヨタ叩き、イルカ漁叩き、鯨肉叩きに次いでの鮪叩きじゃないかという説もあります。これみな米国経済が悪いことが原因で、オバマが忍法煙巻きを使って、国民の目を逸らすために仕組んだものでは?という見方もあります。まあ、これが政治の世界なんですけどね。

Comments

Popular posts from this blog

実録 詐欺物語

ハワイ島は超金持ちのお忍び場所

すでに暇モード 5月26日(金)