父から娘への手紙 10通目

 今回は「時間」について書いてみよう。
 時間というのは、かなりといって良いほど唯一、すべての人間に平等に分け与えられたものです。金持ちも貧乏人も1日24時間しか与えられません。お金を出しても買えない、貯めることもできないものです。そして目に見えないですね。

 うちのある従業員はよく遅刻をします。そして必ず言い訳をしますね。私はこれまで10人以上に話してきたことがあります。
 「こうしよう。誰かが「1時に来たら1億円をあげる」としよう。あなたは何時に来るか? 12時50分には来て待っているだろう。それともギリギリのオンタイム1時に来ますか? 1分でも1秒でも遅れたら1億円はもらえませんよ。だったら、早く来ますよね。仕事も同じなのです。お客さんがお金をくれるというのに、遅れることはないですね」といった感じです。

 それでこれまで、更生して遅刻しなくなった人が8割いますかね。2割はそのままです、自覚がないのでしょう。だから遅刻する、そして言い訳しますよ。「交通渋滞」だとかね。確かに起こり得ることでしょう。でも1億円くれるとなると、いつもより家を早く出ますよね。それができるかできないかなのです。1億円くれるなら早く出るが、そうでないなら出ない。人間、そこで差がつくんだと思いますけどね。

 私は時間とお金は密接に関係があると思っています。時間の使い方が上手い人はお金の遣い方も上手い、そう思いませんか?

 時間を上手く使うにはどうすれば良いか?1つの例があります。これは竹村健一が話していたもので、前にブログに書いたのですがね、もう一度書きましょう。
 朝起きて、コーヒーを飲み、新聞を読み、用足しをするとしましょう。時間が上手く使えない人は、まずトイレに行って用を足し、出てきてから新聞を読んでコーヒーを煎れます。
 時間の使い方の上手い人は、トイレに行く前にコーヒーのスイッチを入れてからトイレに新聞を持って入ります。用足ししながら新聞が読める、そしてトイレから出てきたらコーヒーができているわけですね。私もこれを他の方面で実践しています。

 3つのことをやるのにそれぞれ1時間かかるとします。合計3時間ですが、この3つを並行して行えば、1時間は無理でも、1時間半や2時間で終わることもありますね。時間を効率的に使う方法は山ほどあるはずです。

 こんな例もある。レストランには冷凍物が多い、解凍するのに時間がかかりますね。1日が終わった時点で翌日の仕込みを考えて前日に冷凍庫から冷蔵庫に移しておけば解凍時間は半分以下になりますね。そして解凍に使う水も少なくて済みますから、経費が浮くのです。
 でも、それができない人が多い。大抵、言い訳しますね「時間がない」ということでね。そういう人はいつまで経っても時間がないのです。

 たまに仕事が忙しくてランチが取れない人がいますね。これも私に言わせればおかしいのです。確かに会社では時間がないのは分かりますよ。でも、その日が忙しいと分かっているのであればどうして自宅で準備して出かけて来ないのですかね。例えば自宅で朝少し早く起きておにぎりを作って会社に持参すれば勤務中でも食べる時間は作れるはずです。

 仕事の改善も同じです。長年同じ仕事をしているとマンネリ化してしまい、現状を肯定するのです、仮にそれがベストでなくてもね。
 私がよく言うのは「あのトヨタでさえ、今だに改善がある。私やあなたの職場に改善がないわけない。ただ気づかないだけである」とね。

 実際に私は、よく気づきますよ。「ここがおかしい、どうして今まで気づかなかったんだろう」ということは多々あります。作業を効率よくするということは=時間の節約です。時間の節約になれば、他のことができるのです。

 レストランでは、いかに料理を品質を下げることなく早く出せるか、これは大きな課題だと思います。そのためにどうすれば良いかと日夜考えているのです。時間が節約できれば、利益につながりますからね。時間はお金なのです。


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