父から娘への手紙 13通目 修正しました

 12通目を書いたばかりなのに、もう13通目と思わないでくれ。たまに思い浮かぶことがあるんでね。 今回はゴルフについて書こう。君はまだゴルフをしないがゴルフをすると思って考えてくれればいい。確か実のお父さんはゴルフをすると言っていたはず。

 ゴルフとは、低いスコアを競うスポーツです。すべてをパーで回れば大抵は72です。でもそんなのは素人は無理です。
 ゴルフはミスを誘うスポーツです。パー5を6のボギーで終えるということは、どこかでミスをしているのです。
 素人の方の目標基準は大抵同じで、かなりの素人なら「100を切る」であり、少し上手い人なら「よし、今日は90を切る」となるのが常ではないですか。なかなか「今日は80を切る」という人には会ったことがありません。85ってのはたまにありますよ。私もいつもの目標設定は85ですからね。

 それでもその日の調子によって、それが95になったり、逆にツキがあって80前半のこともあります。まあ、さすがに100を超えるような無様なゴルフは1年に1度程度しかありませんけどね。
 スコアを決めるのは、その日の調子と書きましたが、これには1)自分の今日の調子、2)一緒に回るパートナーの調子、3)その日のコースの条件、4)その日のラウンドの進み具合、など4つによって左右されると思ってください。

 1)以外は自分ではコントロールできません。ということは1)の自分の調子をいかに最大限に上げて行くしかないというのが私の結論です。
 自分の調子を最大限に上げるにはどうするのか? まずはゴルフ場に行く前から始めないといけません。ゴルフのティータイムの2時間前には起きておくこと。朝ごはんをしっかり食べ、軽く散歩ができる余裕も欲しいですね。そしてゴルフ場には最低でも1時間前に着くようにするべきです。

 コースに着いたら練習が始まりますが、クラブはドライバーからパターまで全部で14本あります。その14本すべての調子を確認する、そして調整することが大事なのだと思います。まあ、似通ったクラブの5番アイアンと6番アイアンは1つと考えても支障はないと思いますが。

 そして練習の時間配分をします。アイアンから始めウッドに入り、ドライバーを打って、寄せのアイアン、これが終わるとグリーンに入り、さらに近い寄せを練習します。最後にパターを練習して終わりです。

 ところが、このお決まりのような練習をしない人がたまにいます。先日、同じクラブばかり練習している人がいて「もう、あまり時間があまりないけど、パターとは練習しないのですか?」と訊いたのですが、その人は「アイアンが調子悪いのでもっと打ちます」と返してきました。
 いつも言っても聞かない人なので、「まあ、仕方ない。本人がそう言うのだから」になります。そしてプレイの時間になります。もちろん、私はその人がパターを練習していないことは承知しています。

 いざプレイを始めるとドライバーやウッド、アイアンなどは慣れてきてそこそこ巧くいくものです。そして書いたようにゴルフはミスを誘うスポーツですから、ミスして当たり前なのです。
 それでもあるクラブがダメでも、他のクラブがミスをカバーしてくれる。それもゴルフですね。私はゴルフには大きな要素が4つあって、1)先発のドライバー、2)中継ぎのアイアン、3)抑えのパターだと思います。これにリリーフの寄せが3)と4)の間に入るのが素人ゴルフです。

 何かがダメでも、他がカバーすればスコアはまとまります。それが私の日曜日のゴルフでした。安定しないドライバーとたまに良いアイアンでしたが、グリーンに乗ってからのパットが実に良かった。4つあったパー3は別にピンそばではなかったが、ロングパットが冴えてパーをキープ、実に4つのパー3のうち3つがパー、最後の1つもボギーでした。だから同じ組で回った他の人よりもスコアが良かったのです。もちろん。96はかなり悪いスコアです。それでもパー5で+5があって100を切れたのは、そういう良いところが悪いところをカバーしたからです。

 だから、総合練習が必要だと私は主張するのです。ただ、その人のように悪いところを集中して直そうとしても、その短い練習時間では無理なことが多い。悪いところを直すのであれば時間があるときに、練習場でやればよいのです。
 結果として、悪いところもあまり良くならず、良いところを練習しないから、そこが脚を引っ張る結果になります。そして例えば寄せでミスる。パターで3回も4回も往復することになり、スコアを乱してしまう。その結果、面白くないゴルフになります。

 プレイを終えて、「今日のスコアは100でした」よりも「今日のスコアは95でした」の方が楽しいに決まっています。
 悪いスコアを見て、たぶんその人は「アイアンが当たらなかったから」と言い訳するでしょう。しかし、ゴルフは総合的なプレイであり、アイアンが悪くても他のクラブでカバーができる。すなわち、良いスコアは出せたはずです。ただし、そこまでの考え方に達するには、まだまだの人が多い。

 よく言われることですが、「ドライバーの200ヤードもパターの4フィートも同じ1打」です。結果としてですが、スコアが100切れなかったとして、その日のプレイに3パットや4パットが何回あったでしょう?
 そして大きなヤードを稼ぐ練習よりも、小さなフィートを確実に沈める練習の方が容易いということに気づくべきなのです。それができないのは、どうしてでしょうか?

 それをさらに突き詰めていくと「人生」に当たるのです。人間は皆完璧ではない。長所があり短所があります。短所を直すことは大事です。しかしながら長所をさらによくしてその短所をカバーできれば、90点以上がとれるのではないですかね?
 

 最後にゴルフはマナーやエチケットのスポーツでもあります。まあ、どのスポーツにもマナーがありますが。日曜日にコンペに出てフェアウェイやグリーンを見ると実に汚い。ここでプレイしている人は自分がボールを打ったあと綺麗にしないのだろうか?グリーンも同様に自分のボールマークを直さないのだろうかと思いました。これは、ゴルフ場のエチケットというか常識の範囲です。次にプレイする人への思いやりです。12番で一緒に回った人とグリーンで待ち時間があったので、10個ぐらい直しました。
 ビジネスでゴルフをする人もいます。初対面の人と回ってそうしたことを何もしないようであれば、「何、こいつボールマークも直さないのかよ、常識ないな」と受け取られます。そこで恥をかくのはその人です。ゴルファーとしての素質というレベルではなく、人間としての素質を問われます。私だったら、そんな人間とは取引しないでしょう。また買い手であったなら買わないですね。最低限のマナーがない人にどうしてビジネスができるのですか?できるわけがない、そういう判断基準です。
 それはゴルフ場に優しくするという意味もあります。ゴルフ場を綺麗にすることでゴルフの神様がたまに微笑んでくれます。そしてミスショットをミラクルに変えてくれることがたまにあるのです。
誰が言ったか覚えていませんが、バイオリンの話。4本の弦があります。演奏中に1本切れたらどうしますか? 3本で弾くしかないのです。そこで「あーどうしよう。1本切れてしまった。もうできない」などと焦っても仕方ないのです。残った3本を巧く弾いてこそ名プレイヤーなのでは?
 もっとも、名プレイヤーは事前に弦のチェックを怠りません。練習もしっかり行いますから、演奏中に弦が切れるというハプニングは1万分の1もないと思います。 分かった?   父

Comments

Popular posts from this blog

実録 詐欺物語

ハワイ島は超金持ちのお忍び場所

すでに暇モード 5月26日(金)