ケスラーはこんなことを言っています!

 AJCのダイニングクリティック、ジョン・ケスラーが日曜版でこんなことを言っています。少し辛口というか変わり者だと私は分析していますが、まあたまに言っていることは当たっています。

シェフの皆さんへ
1、スタッフに任せるのもいいが、料理がきちんと作れないようであれば、やはり現場に張り付いているべきでしょう。シェフはキッチンに立てということです。焼き魚の表面がクリスピーでなかったり、ステーキでさえ、表面に焼き色が付いていないことがある。

2、出来合いをなるべく避ける。お客さんは家庭で作れないものを食べたいからレストランに行くのです。技を見せなさい。

3、健康を考えた料理を! バターやヘビークリームのソースも良いが何か工夫をして、お客さんを健康にすることを考えましょう。

4、ウィットを見せなさい。作る料理にはテーマやストーリーがあります、それを見せなさい。

5、サプライズさせなさい。

6、フュージョンを考えなさい。アトランタはエスニック都市です、例えばベトナム料理や韓国料理のエッセンスを用いるのも1つの手法では?

まあ、こんなことを10項目書いています。彼が言うには、アトランタのスタンダードが落ちている。かつてリッカールトンのダイニングルームがあり、シーガーがあり、ジョエルがあった。そして経済の低下から閉まり、今では平均化したレストランしかないといいます。 アトランタレストランの再生を願っているようにも思いますがね。

ただ、実際の話をすれば、ここはディープサウスですから、保守的であります。以前にI-285 のすぐ外にあるレストランのオーナーから「アンキモが売れないんですよね、やはり田舎?」と聞きました。変わったものにトライはするが、売れないから結果的にやめてしまうわけですね。

私の店なんかは、比較的新しい魚を投入しますが、そこから利益を出すのは大変です。損しているかトントンですね。例えば赤ムツなんて「白身のトロ」と言われ、美味い。でも小さな魚で値段は馬鹿高いわけです。寿司の握りで10オーダー取れないですからね。それで2-3日程度しか販売できませんしね。巻物をどんどん売って利ざやを稼いで、その余裕でそういうものを入れているのが本音ですね。巻物の中には原価率が10%以下のものがありますからね、そこで利益をプールして、握りでトントンにする。そんな作戦です。

NYでマサがお任せで400ドル、ここでもMFがたまに200ドルですか?できますよ、やろうと思えね。赤ムツ入れて、和牛のトロと呼ばれる部位も入れますね、石鯛もやりましょう。こうした高い食材を使えば、1人前200ドル以上のお任せは十分できます。例えば石鯛の握りが2貫で20ドルぐらい請求しますかね。日本人感覚でいえば、そんなのは高くて要らないというでしょうね。

だから、毎週はできない、人を集めて1年に数回程度やればいい。いつもは40-60ドルのお任せに抑えておかないと店が潰れます。食材にこだわって潰れた店を知っていますからね、そういうことは他のお客さんに迷惑がかかるので、できません。

私はファッションと同じで良いと思うんですよ。20%の見せ筋と80%の売れ筋の関係ですね。レストランも、この程度の比率でいけば皆さんを比較的満足させられるんじゃないかと思います。

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