週末往来!

http://www.youtube.com/watch?v=JPJmlKD7kgI
これ、見てください。 先週の日曜日にCNNで放送されたものです。 アンソニー・ボーデンの東京取材です。寿司YASUDAのオーナーも登場しています。

 昨日はランチが絶好調で、ディナーもその予約の入り方から「異常に混む」と分かっていましたが、その通りになりました。いつもの金曜日の3割り増しでした。
 寿司も大変だったが、キッチンはさらに大変で、お客さんにかなりの待ち時間を与えてしまったことで迷惑をかけてしまったと思います。
 特にラーメンをメニューに入れてからが大変で、これをこなすには、私がいちいちキッチンに入って作るしかないだろうと認識しています。
 「じゃ、ラーメン止めれば?」となりますが、トレンドを外すわけにはいかないので、これを継続するしかないのです。
 お客さんは、ラーメンだけを食べません。昨日の最初のお客さんもそうで、いきなり「トンコツラーメン」そしてマグロとトロの握りを食べて帰りました。ラーメンが10ドル、マグロが8.50ドル、トロが16ドル、34.50ドルに飲み物ですから悪くない。
 日本人からすれば、「えー、ラーメンに寿司?」でしょうが、アメリカ人の多様な食べ方を認知すべきでしょう。

 そして「いかに料理を早く出すか」を常に考えないといけない。キッチンシェフに任せていては何も始まらない。何も変わらないので、私がアイデアを出し、1つの料理を出すにも5-10秒早くする方法を見つけ、やらせないといけない。見ていてあまりにも無駄な時間が多いのです。
 アシスタントは、いますが巧く使えていない。「自分でやった方が早い」と思っているんでしょうが、手は2つよりも4つの方が早いのです、当たり前のことですがね。

 昨日のランチは、そのシェフがいなかったので、私がキッチンを仕切りましたが、なんとかこなしました。それはメキシカンのアシスタントを巧く使ったからです。例えばラーメンが入ったら、器にお湯を張らせる。卵とチャーシューを温めさせるなど、彼らにもできる単純作業はあります。それらを自分でやると時間の無駄になります。

 昨日1つ発見したことがあります。うどんやそばを作るとします。沸騰したお湯にうどんは冷凍で1分でOK,そばならお客さんに届く時間も考え通常なら4分の茹で時間ですがそこを3分にしています。あとは作り置きした汁を温めるだけですが、その量をいちいち測っていたのでは面倒なので、適量鍋に入れます。するとたまに多かったり少なかったりします。
 これをメキシカンでもできるようにするにはどうするか? 鍋の内側にラインを引くことです。こうすれば誰が作っても同じ量のお汁になります。これを今日やります。鍋はアルミなので、釘などで簡単にラインが引けます。
 こうした些細な改善は山ほどありますが、気づく人は少ない。私がキッチンにいれば毎日何か気づいて改善することでしょう。そこがサラリーマンとオーナーの違いです。
 他にも、もう1つの改善を行います。やるべきことはありますが、見えていない人が多いのです。

 私は店に早く着くと、どんどん仕事を始めていきます。出勤時間は10時半ですが、買い物の都合などで10時過ぎに着くことがあります。待つことはありません。するべきことは山ほどありますからね。仕込みをどんどん進めていきます。昨日は特にキッチン担当だったので、早めに入りました。準備しておけば巧くいくのです。
 普通の人は、10時半の数分前に入ってきますが、そこがすでにサラリーマン化しています。まあ、サラリーマンですから、「時間通りに来て時間通りに帰る」のが当たり前でしょう。
 でも私は若いときから、そうではありませんでした。デートの途中で店に戻ったこともありました。出張に行った帰りでも他の店長が直帰するところ、私は必ず店に戻り、すべてを確認して最後まで他の従業員と働いて帰ったものです。
 そういうところを見ている人は見ているのです。創業者の社長はしっかり見ていました。だから「特別待遇」してくれました。それは給与面であり、会食に連れて行ってくれたこともありました。それが人間の感情というものです。

 そして私も全く同じことをしている。妹のように可愛がっているスタッフには特別待遇をしています。旅行にいけば必ずお土産を買って来ますし、その姉も良くしてくれるので、誕生日のプレゼントを毎年贈っています。その分、店ではコキ使いますからね。従業員の採用を任せたり、雑用をしてもらったり、それでも何も文句言わずに働いています。最近は、何も言わなくてもやるべきことを把握していて、最高の妹ですよ。

 この前も書いた「正に時間通りに来て時間通りに帰る」アジア人の元フロント、結局クビになり、失業保険を申請、フードスタンプまで申請しています。「景気が悪いから、仕事がない」、この言い訳面白いと思いました。
 人の見方はこうも違うものかと? 景気悪いならどうして私の店や他の店のように「行列ができる店」があるのでしょうか? それは努力をしているからです。
 他人任せにして自分で主導権を握って仕事をしないから、「景気が悪い、政府が悪い」となるのでしょう。

 景気悪くてもお金持ちはいます。そして毎週1回、TAKAで食事をするというお客さんは山ほどいます。それを維持することが大事です。
 昨日、来られた老夫婦、といっても60歳前後かと思いますが、最後に少し話をしました。「SOTOやBluepointeにいたのですね?」と訊かれました。18年前に私がいた店を覚えてくれていました。そして私はメバチの中トロに見えるが脂のないマグロ、冷凍の養殖の大トロを切って、「これを食べて比較してみてください」とレクチャーまでしました。
 これを私は「一本釣り」と呼ぶのです。1人1人のお客さんを捕まえて、釣っていきます。こうしてコミュニケートしたお客さんは必ず戻ってきます。
 

 昨日一番のお客さんはJamesで医者ですが、お任せしか食べません。そして高い酒を飲みます。昨夜はお嬢さんが来ていて3人で341ドル使い、80ドルのチップでした。満足度はチップに現れます。マグロのカマがあったので、それをお任せに入れましたけどね。
 それも自分で持っていって説明しました。マグロのカマを運ぶと回りのお客さんは大抵、「あれ何?」と見ますから、そこポイントです。すべてはパフォーマンスなのです。

 あるお客さんは筋子に満足し、「こんな塩辛くないいくらは食べたことがない、美味い」と言うわけです。また新しいものを発見したのでしょう。こうしてお客さんのレベルを上げていくことは大事かと思います。
 ハワイの魚もそうで、今週は先週に比べて売れ残りが少ないようです。昨夜は1週間前にそれを食べたお客さんが戻ってきて同じように食べていました。
 「淡白で味気がない」という見方もありますが、それは逆にいえば脂がない分、ヘルシーで上質なたんぱく質を補給できる、となります。ハワイの持つ綺麗な海のイメージから安全な魚をPRできてもいます。

 昨夜最後のお客さんは、いつもランチに来る日本のOLでした。金曜日の夜なのに10時まで残業だったみたいです。偉いですね、日本企業で働く駐在員は。まあ、この会社が忙しいのはよく知っています。
 簡単に食事を済ませて、「おい、焼き飯食べるかい?」と彼女たちの好物を知っている私は訊いたのです。「持ち帰りできるなら明日のご飯にするからお願いします」ということで、少し多めに作り、そこで食べる分と翌日のご飯もパックして持たせました。
 こういうのが私の役割ではないかと思うのですがね。私はこの会社の「食堂長」と自分で言っています。毎日の弁当の栄養を考えています。駐在員がバランスの良いものを食べるようにしています。

 何はともあれ、売り上げ作ってなんぼの世界です。クレームあっても売り上げ作らないといけないのです。暇な日もありますからね、来るときに取り込まないといけないのがレストランビジネスです。
 フロントの中国人も本採用が決まり水曜日ー土曜日のシフトになりました。経験があるので任せて安心で、自分で考えて行動しています。こういうのが安心です。

 今夜のビジネスがどう転ぶかは分かりませんが、改善効果が出て良いサービスができれば幸いです。前に進むしかないだろう? その通りです。今からテニスで体鍛えます。


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