コナ カンパチ 養殖場見学

 We call our sustainably raised fish Hawaiian Kampachi but it is also know as yellowtail, Kahala or Amber Jack.

コナ空港のすぐ横にあります。KOYO USA(深層海洋水の会社)を通り過ぎ、あわびの養殖場も過ぎ、まっすぐ進むと、もうそこは海のすぐ近くになっています。そこでランスさんに会い、いろいろと話を聞きました。

ランスさんはカナダ人で、養殖のスペシャリストです。というのも日本に10年住んでいるからですね。愛媛県と高知県の県境でハマチの養殖を、大分でも同様に養殖を勉強しています。オーストラリアにも少しいて、そこで奥さんに知り合ったのでしょう。(奥さんはオーストラリア人です)

実は、現在はBlue Ocean Maricultureという名前ですが、2年前は違う会社でした。この会社が経営に行き詰まり、確かカンパチが半年ぐらい入ってこなかった時期があるのを思い出しますね。会社再建のためにランスさんは雇われてハワイに来たということです。

前置きはさておき、カンパチの卵から出荷までの生存率はいくらでしょう? 10-20%だそうです。かなりの数が稚魚になる前の段階で死ぬそうです。
おそらく、ほとんどの養殖魚は同じではないかと思いますし、自然界でもそれは同様だと思います。生存率の低い生物ほど多く卵を産みますからね。
稚魚になってしまえばかなりの確率で成長して出荷までいきますが、最初のタンクで6万匹の稚魚が日本製のえさを食べていました。(金魚用のえさと同じような匂いを感じました)

Blue Ocean's fish Larvae are health and active.タンクでの稚魚段階 30日程度?
 
そして30トンのタンクに移され、ここでは半分の3万匹になります。稚魚の大きさが大体2倍になっていますね。ここまでだいたい40日かかります。

Blue Ocean's nursery is where we prepare the fingerlings for Open Ocean Aquaculture.稚魚を成育させるタンク、30トン
日焼けしないようにカバーしています。

そして選別が行われます。奇形などを一匹ずつ選別し、選りすぐられた魚だけが、沖合いの養殖場に進めるわけですね。この作業を6人がやっていました。

Our Hawaiian Kampachi spend 10-12 months growing in our Open Ocean net pens. 沖合いの養殖場

かなり空港に近い沖合いにネットがあり、そこで15ヶ月かけて成魚にさせるそうです。さて出荷ですが、水曜日と日曜日に行われるそうです。水曜日が1500尾、日曜日が2500尾と言っていましたかね。コナカンパチは頭も内臓も取らずにそのままアイスパックに詰めて出荷します。これで年間売り上げが数ミリオンとか言っていましたかね。

養殖するのはあまり大変ではないようですが、’問題は資金です。投資は大変、15ヶ月はお金が入ってきません。もちろん、軌道に乗れば、随時入ってきますけどね。最初の2年が大変みたいです。
まあ、比較的日本のように台風などの被害なく、温和な気候のコナですから、大きなロスはないようです。

それでも養殖にリスクはつきもので、道を挟んで隣で平目を養殖していた会社は最近、それを中止したようです。前の会社のときには、営業が10人もいてレストランに個別に売っていたそうです。これだけで経費の無駄使いですね。今のBlue Oceanになって営業は1人で、大手の卸3社を主に相手にしているそうです。

出荷はすべてエアカーゴですからその費用が大変なようです。仮に頭と内臓を取れば軽くなり、コストは下がると言っていましたが、そうなると日本から入る生ハマチのように二酸化炭素を入れて真空にしないといけないようですね。その手間を考えたら生の生アイスつめですぐに送るのが簡単だという判断でしょうか。

レストランで買う時点で確か1尾が80ドルぐらいですか、卸が1つ入って運賃などを考えると、ここでの出荷価格は1尾10-20ドルですかね。1尾の魚を15ヶ月育てて2千円ですか。売り上げが$3Mと推測して年間約20万尾の生産、1尾あたり15ドル。あまり儲かるもんでもないと私は思いますけどね。だから前の会社は破綻しかけたんでしょう。規模をさらに大きくしないとダメだとランスさんは言っていました。

現在、地元ハワイと北米、オーストラリア、欧州に出荷していますが、欧州に送るには、特別の許可が必要で、それはハワイにはないので、CAに送ってそこで欧州の仕様にして送っているそうです。ここでコストが高くなっています。
さらには為替の問題もありますね。ここ1年でUSドルが強くなったのでオーストラリアは見合わせているそうです。

迫り来る食糧危機、必ず将来は困る、そして魚の価格は上がっていく。辛抱する時期なんですかねえ。いろいろ、考えさせられる養殖場見学でした。

まあ、いろいろ新しいものを見ることは勉強です。今までにない知識を入れることで少しは衰退していく脳が活性化するのではないかと思っています。
また、全く業種の違うビジネスを見て、自分ならどうするか、自分のビジネスにどう生かすかを考えることもできますかね。


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