今後起こりうる食糧とエネルギーの危機を考える

 今日のFinancial Timesにあった記事ですが、単純な話をすれば、現在66億人の地球の人口は2050年、あと40年後に90億人になると推測されています。そうなると食糧生産を70%増やさないといけないということです。バイオなどの技術、またすでに始まっているグリーンハウスでのコンピューター技術を利用したハイテク農業により生産性は上がるものの、一方では砂漠化、洪水などにより、耕地がどんどん失われているのです。そうなると食糧生産が人口増に追いつかなくなり、食糧生産国が輸出を国内需要に転換するなどして非食糧生産国に向う食糧がなくなってしまうということが考えられますね。今はまだオープン市場があってお金さえ出せばなんでも物が買えるシステムですが、それができなくなる可能性があります、そこまで極端なところまで行かなくとも、価格が高騰する恐れもあります。水もそうで、すでに商社などは水源の近くの土地を買うなどして、水源確保を急いでいますし、これがやがてクリアゴールドに変わるのを待っていることでしょう。オイルがかつてブラックゴールドと呼ばれたような無色透明な水に、こうしたあだ名がつくことも考えられます。
 英国では、今年天然ガスの供給不足から大口需要家である工場100箇所のガス供給が一時止まったそうです。欧州全体がガスはロシアからのの供給に依存しているわけで、どこかでパイプが壊れる、テロに遭う、ロシアが供給を止めれば、厳冬の欧州はすべてが麻痺することでしょう。
 そうした中、世界各国は世界の資源を確保しようと躍起になっているわけです。最後の大陸といわれるアフリカに当然、その目が向けられます。たしか、韓国や中国、サウジなどはすでにアフリカの国の土地をリースして、そこで自国に供給する野菜を育てていますし、アフリカの奥地にある天然資源の争奪戦が中国や欧米の間で繰り広がられています。中国の原油需要は過去10年で2倍以上に増えていますし、この国が今後も経済成長を続け、昨年世界1位になった自動車販売が今後も伸び続けるであろうならば、原油はいくらあっても足りないと思います。そうなると想像もつかないことが起こりうるでしょう。すでに国によっては、原油輸出国が輸入国になった例もあります、インドネシアがそうですね。
 そしてこうしたモノを運ぶのは船の役割ですが、危険地区を通過しないといけないのです。現在海賊がよく出没するアデン湾(ソマリア沖でスエズ運河の南)、ホルムズ海峡(イランの領海)、そしてアジアのマラッカ海峡(マレーシアとインドネシアのスマトラ島の間)です。
 もしも、こうした地域で戦争などの緊張感が高まれば原油価格は高騰するでしょうし、その供給自体が危うくなるかもしれません。
 人間はいつも楽観主義が多く、「なんとかなるさ」で科学技術などによって今までの危機を乗り越えてきました。そして過去に予測してきたことの多くが起こっていません。地球温暖化でさえ、厳冬を経験すると「本当に地球は温暖かに向っているのか」と疑いたくなります。
 さらには、たまたま太陽と地球の素晴らしい距離関係により、暑くもない寒くもないという人類にとって生活ができる環境が形成されているわけで、もしも太陽の活動に異変が起きれば、突然寒くなり生物が滅ぶことも考えられますし、逆に猛暑になりこれまた生物が滅ぶことも考えられるのです。そうした外部的要因は可能性が実に低いため、あまり考えれませんが、内部的要因は可能性が高いということです。
 毎日の生活の中で、水道の蛇口をひねると水やお湯が出てくる。ガスの火を点ければ火が点る、ガソリンがなくなったらガソリンスタンドで補給できる。電気のスイッチを入れると電気が点く、すべて当たり前のことなんですが、これが当たり前でなくなる日が近づいているという認識をした方が良いのではないでしょうか?

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