当たり前のことをやってもダメ!

 この前読んだコラムによると、日本の大都市のホテルの稼働率が若干上がったらしい。ホテルの採算としては70%以上の稼働率が必要で、その70を上回ったそうだが、その訳は遠出をしなくなった人とかアジアからの観光客によるもので、さらには宿泊料を下げたという理由もある。いわゆるデフレが起きていることになる。
 さらには、地方の旅館はといえば、33%で採算割れも通り過ぎている。すでに多くの旅館は潰れている現状である。 それは何も旅館だけではなく、酒蔵も同じこと。2-3年前まで2000あった酒蔵はいまや1500を切っている。それは日本酒離れ、後継者不足などさまざまな理由がある。 アメリカではいまや日本酒は成長アイテムとなっているものの、まだまだアルコール全体に占める割合としては1%にも満たないので、いくら成長といっても焼け石に水程度でしかない。
 話を旅館に戻してみよう。旅館といえば何? 温泉と季節料理ぐらいしか浮かばないのだが、マグロの刺身が定番になっているところもあるようだ。 山の中の旅館でマグロの刺身? すでにそこで勝負はついている。海のものを山で出すこと自体が間違っているし、当たり前のものを売っていては価格競争になるだけ。その地方でしか獲れないもの、その旅館でしか出せないものを提供すれば、お客さんは集まるし、価格競争にも巻き込まれない。ただ、それができる人は少ない。
 この前、見た「ガイヤの夜明け」では、その旅館の特集だったが、アメリカのモーテルに魅せられハイウェイ沿いに「旅籠屋」という名前のモーテルを展開しているビジネスマンの話があった。
 ただ、モーテルを建てただけではハードを作っただけと同じことでダメ。彼の賢いところはそのモーテルから車で移動して行ける観光スポットを自ら探しその情報を提供していることである。決して有名な観光地でなくとも、見所はあるもので、誰も知らない観光地のようなものもある。それがソフトではないか? 
 
 ビジネスが成功するには必ずハードとソフトが必要。レストランで言えば、店を作り、什器を買い揃えることがハードであれば、従業員を教育し、マーケティングを行うことがソフトだと思う。それはどんな業種にもいえること。 そして、ハードはお金で買えるが、ソフトはお金では買えず自分で探すなり育てていかないといけない。したがって、お金を持ったものが必ずしもビジネスで成功しないという証でもある。だからこそ、下から上がっていけるチャンスもあろうというもの。

 今の日本を見ていると、東京一極集中で、物のすべてが東京を中心に動いている。だからこそ、人は東京に集まるのだろうが、これでは面白くないだろう。それを逆手に取ればビジネスは生まれる。都会の人が飢えているもの、それは自然であり、都会にないもの。仮に週末の2日でもそれで息つく時間が持てれば幸福になる。今はネットの時代であるし、実質都会と田舎には時差がない。そこら辺をうまく活用すれば、コストの安い地方にいて儲かるビジネスもできると思うのだが。
 結果的に、日本が活性化し、新しい時代を築いていくには、東京頼りをやめ、地方が伸びることがKEYではないかと思う。狭い日本というが、地方に行けば土地は安いし、農業をやる土地も山ほどある。それで食料自給率が40%では情けないし、何かボタンの掛け違いがあるとしか思えない。
 と、週末になるとこんなことが頭の中を過るので文章にしてしまうのである。


 

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