物を買いあさる中国人の動向とそれに対処するブランドビジネス

ロイターにこんなニュースがありました。
 
中国の消費者は今や欧米高級ブランド品の最大の買い手。彼らは海外旅行などの際に高級品を買い漁る傾向が強く、ロンドンやニューヨークのブランド店は中国商戦が盛り上がる旧正月に備えて戦略を練っている。
 ベイン・アンド・カンパニーが発表した「中国高級品市場調査」によると、中国本土の消費者による今年の高級品支出のうち、3分の2以上を海外での購入が占め、この割合は前年比で上昇した。
 中国の消費者は通常、海外旅行の機会を待って高級品を購入したり、香港へのショッピングツアーを企画したり、友人や「代行」機関に頼んで海外から高級品を買ってきてもらう。中国の輸入関税は高く、海外で買う方が安いからだ。
 中国は今年、世界の高級品支出の29%を占め、世界最大だった。従って仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、伊グッチを保有するケリング・ホーランド、バーバリー、化粧品大手ロレアル、カルティエを抱えるコンパニー・フィナンシエール・リシュモンといった高級ブランドにとって、中国の消費者は販売の主戦場。
 「店舗は上海や武漢にあるが、レジはロサンゼルスやニューヨーク、ロンドンだ」と欧米ブランドに中国人買い物客向けの戦略を助言するチャイナ・ラグジュアリー・アドバイザーズは言う。
 中国国内では汚職取り締まりなどの影響で高級品支出が減速。今年の高級ブランドの開店数は前年を大幅に下回った。中国国内の高級品市場が今年は2%の拡大にとどまり、前年の7%から鈍化したと推計している。
 来年1月31日に始まる1週間の旧正月などのピークシーズンを控え、ロンドンのボンド・ストリートやニューヨークの五番街といった高級ショッピング街は中国人買い物客を迎える準備に入っている。
 2012年に英国を訪れた中国人観光客は4億88345米万ドルを落とした。英国政府は中国から観光客をさらに呼び込もうと、査証発行条件を緩和した。
 英国企業に中国人買い物客向けの戦略を助言するチャイナ・ビジネス・サービシズは「中国人観光客向けの戦略があれば、ものすごく大きな違いが出てくる。英国での中国人の支出は13年上期に132%も増えた。小売売上高全体はそこまでのペースで伸びていないので、利益に大規模な影響を及ぼすのは明らかだ」と言う。
 五番街では、高級宝飾品ブランドのティファニーが中国語を話すスタッフを雇い、商務省によると、12年に米国を訪れた中国人観光客は約150万人と、05年の5倍に膨らんでいる。
 Macy'sは中国語表記の資料を備えるビジターセンターを開設済み。ティファニーは中国語の婚約指輪アプリを作り、シャネルはオンラインのメークアップ教室を提供、フェンディは中国版ツイッター「微博」を利用し、プラダとクリスチャン・ディオールはオンライン上で中国語の動画を展開している。

 高級ブランド市場はアジア人旅行客の急増を受け、トラベルリテール部門が好調。ブランド各社は空港やクルーズ船内の店舗を増やしており、旅行客の争奪戦が激化している。
 ジェネレーション・リサーチの市場調査によると、機内販売も含めたトラベルリテール事業の収益は、2012年に9.4%増加した。
 同調査では、2020年までにはその規模が約2倍になるとみられている。
シャネルのは、ルイ・ヴィトンに次ぎ業界第2位だが、アジアの4空港とロンドンのヒースロー空港にブティックを構える。来年にはパリのシャルル・ド・ゴール空港とドバイにもオープンする予定。  ヴィトンと同様にこの2年間で売り上げが低迷しているグッチは最近、シャネルと同じ場所にブティックをオープンした。
 免税手続きサービス大手グローバル・ブルーによると、旅行客の消費額は今年1月から世界で12%増加。欧州での中国人旅行客による消費額は20%近く増加した。  約10年前には、中国人旅行客は高級ブランドの顧客としては目立たなかったが、今では世界の高級品消費の29%を中国人旅行客が占めている。  為替変動を受け、高級ブランド各社がユーロ圏や日本などで値上げを実施したものの、中国人の高級品消費の3分2が海外で行われた。
 ハンドバッグの価格は欧州が最安で、香港より9%、中国本土より28%安い。また円安は日本の高級品購入者に好感されている。  中国の旅行客は2012年、国内外で約2600億ドル消費。この額は2030年までに1兆8000億ドルに達するとみられている。
 世界の空港に50店舗のブティックを構えるエルメスは、トラベルリテール部門について、ブランド全体の売り上げの「かなりの」部分を占めていると指摘し、成長市場に対応するための店舗展開を行っていく方針を示した。
 ロレアルはトラベルリテール事業専門の部門を新設。「6番目の大陸」を生み出したと表現された同事業の売り上げは、同社の高級品部門売り上げの15%を占めている。

 香水と化粧品がトラベルリテール市場最大の28%を占め、ワイン・スピリッツが18%、ファッション・アクセサリーが13.5%、時計・宝飾品が12.2%となっている。
 モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、2016年にターゲットを旅行客に特化した店舗を、ベネチアを皮切りにオープンさせる方針だ。  同社のトラベルリテール事業は、免税店チェーンDFSや同社傘下の化粧品セフォラの売り上げを含めると、今年9月30日までの9カ月間で既存店ベースで19%増加した。一方で、LVMHの衣料品や革製品の売り上げは、同期間で4%増にとどまった。

 金持ち中国人が市場を変えていくのです。かつての日本のバブル期を思い出してください、思い出せる世代はですよ。アラモアナショッピングセンターを買い、LAのビルやNYCのビルを買っていった日本企業。それでもたかが1億人の人口でしかありません。13億ですか?14億人ですか、その中の0.5%が富裕層ならすごい数です。彼らが海外でどんどん物を買い、不動産に投資していくのです。日本のバブルの比ではありません。そして彼らは中国を出たがっている、、実際にアメリカに住みたいと思っている。そこが違いです。これを利用して金儲けしない手はないでしょう。

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