ようやく辞めてくれるキッチンのコック

 今夜、キッチンのコック(私は彼をとてもではないけれどシェフと呼ぶことに抵抗を感じる)が辞めたいと言ってきました。それ自体は良いことです、彼ほど役に立たない人間は見たことがない。

 ただ、むかついたのはわずか4日の通知で、来週の月曜日から新しい店に就職が決まっていると告げたことです。「大抵は2週間の通知だけどな」と言えば「人がいないのですぐにでも行かないといけない」と言う。「じゃあ、この店はどうなるんだ」と私は言い返しましよね。「そんなもん、他人んも店が人がいようがいまいが知ったことじゃないぜ」となりますよね。「おまえが、きちんと2週間で辞めないのであれば、金払わんからな」と脅す。

 それで無言のまま出て行きました。こういうことはこの業界にいれば多々あります。だから別に驚きもしません。賞味期限の管理もきちんとできないような男が今度は寿司を作るということを聞いて、「恐ろしいことにならなければいいが」と思ったものです。

 そして不器用極まりない男が、どうなることか。まあ、やめたらそんなことは知ったことじゃない。今夜も仕込みで私に怒鳴られたばかりでした。それは海老のパン粉のつけ方がが万遍ではないので天ぷら粉の白い地肌が見えているわけです。これに関しては最低、5回はやり方を教えていますが、それでもきちんとできない。

 実際には、彼が辞めても寿司を見習っている人間がいて、彼を回すことができるので困ることはない。週末がややしんどいだけで平日は一切困らないわけです。逆に人件費の節約になります。ただ、最近からだがしんどいので、少し頭脳労働に入り、肉体労働を減らそうと思っていた矢先の出来事でした。新しい人間は、素質があるので魚を卸させるし、すべて教えているのです。こういう人間はどんどん教えて使えるようにして3-5年で仕上げて店を持たせてやりたいとも思いますよ。彼にもそう言ってあります。5年いてくれれば、ちょうど40歳になり、私が店を始めたのと同じ年齢になりますからね。

 今回辞める人間は、一度上げた給与を仕事ができないので、再度下げました。「きちんと仕事ができない奴には払わんからな」と伝えてありますけどね。逆に言えば、才能がありきちんと仕事ができる人間には払うし、仕事も教えるわけです。次の才能ある人間が訪ねてくることを待ちましょう。

 実は、今回辞める人間を首にしようと過去4週間で2回もトライしました。1人目はブログにも書きました。4日間のテスト期間を設けてホテル代も払いましたが、基準に達しなかったので採用を見送りました。その2週間後にも、採用候補がやってきたので、こちらも同じように6日間のテスト期間を設けることにしたのです。

 経過は大変、良く4日目に私はOKの返事をしました。ところが5日目になってミスを連発したので’採用を見送ることにしました。そのミスは実に怖いことで、1Lと2Lの計量カップが分からない。醤油ラーメンのオーダーで味噌ラーメンを作った。肉を焼かせたら中がかなり赤かったなどなど、お粗末極まりないものでした。

 不採用にした2人に共通することは年齢が高齢だということです。その2人には正直にそれを言いました、それは差別ではなく、実際にそう思うから伝えたわけですね。高齢になると記憶力が衰えるので、言われたことをすぐに覚えられない。1つテストしたのはあるレシピを口答で伝え、それを2日後に覚えているかどうかですね。それは単純な麺つゆのレシピで2Lの水に2オンスのものが4つあるだけです。私はそういうところで記憶力がどの程度あるかをチェックしていますし、2日後ではなくしばらく後、翌日の場合もあります。とにかくどの程度覚えているかですね。

 そして少し手の混む仕事をやらせ、どの程度手際よくできるかもテストします。そうすると年齢とスピードの関係が分かりますね。手際が良ければ仕事を効率よく順序よくこなせるわけです。それができないようであれば、どんどんオーダーが入ってくる中、こなしていけないからですね。このように様々な判断基準があります、そして判断を下すわけですね。まあ、次を待ちましょう。

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