エジプト情勢で少し分かったこと

 国際情勢って、なかなか面白いですね。独裁政権が倒れ、新しい民主主義が生まれようとしています。まさらに歴史が変わろうとしているわけですからね。

 まず、エジプトの前のチュニジア、人口わずか1千万人の小国ですが、ここで何があったのかですね。それは、露天で野菜などを売っていた青年が逮捕され、これに抗議して焼身自殺を図ったことから始まったのです。そしてそれがエジプトに連鎖反応のように伝わるのにわずか6週間しかかかっていません。そして今度はヨルダンでも同じような状況になりつつあり、国王が首相を交代させようとしています。

 チュニジアとエジプトでは規模が違いすぎます。エジプトの人口は8400万人で中東で最大、カイロも中東で最大の都市ですからね。また米国にとって、エジプトは重要な国で、年間10億ドルの軍事援助を行ってきました。今回の暴動で150人以上の市民が殺されましたが、ほとんどが米国製の兵器だったようです。そしてエジプト人は、米国に対して82%が不快感を示しています。

 食糧価格で見ていけば、彼らの主食となる小麦がここ最近、高騰しています。そしてそれは輸入に頼っています。チュニジアでは83%、エジプトでも69%を輸入に頼っています。

 また貧困がどれだけかということですが、チュニジアの1人あたりGDPは4160ドルでしかありません。それで失業率が13.2%、これを若年層男子で見ると31%になるのです。エジプトはさらに貧しく、1人あたりGDPは2771ドル、失業率が9.7%、若年層男子では23%になります。

 多くの中東の国に言えることは、1980年以降、人口が増加してきたのですが、それに伴って仕事の口が増えていかなかったことが問題の1つです。人口増に見合った雇用の受け皿が遅れているわけですね。

 米国がエジプトを支援するには、それなりの理由があり、最大の国を抑えることにより、イスラエルとの関係を良くしておくことができます。それはすなわち、中東の平和になるわけですね。

 そして中国が1989年の天安門広場での抗議行動の二の舞を恐れていることも理解できるでしょう。それはどこも同じで、汚職に対する国民の怒り、食糧価格上昇による社会の不安定化、若年層の高失業率、ネットを通して大規模な抗議活動が簡単にできるということ、支配するエリート層と支配される層との格差ですね。

 
 

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