報道はどうあるべきか?

 CNNの著名アンカー、ルー・ドブスが辞職しました。不法移民に対する攻撃的発言など、遠慮のない物言いで知られ、不偏不党を求めるジョン・クライン社長と対立したようです。

「ドブス氏とは今年初めから、CNNのスタンス全般について話し合った。自分の意見を言うべきでないことを一度は分かってくれた。だが、満足できなかったようだ」とクライン氏は語ったそうです。
 対して、ドブス氏は「会社のスタンスに合わせようとがんばった。だが、私は中立を保つタイプではない。この国のため、視聴者のために言うべきことを言いたい」と語りました。
 ドブス氏は1980年にCNNが開局したときからのスタッフで9・11を契機に、過激になったと言っています。不法移民に対してはとくに厳しくコメントをするようになり、行きすぎた発言もしばしばあり、最近では、オバマ大統領の大統領資格問題(出生地が米国内ではないとする説)をしきりに取り上げていました。
 CNNの創設者、テッド・ターナーは、CNNの使命は信頼できる正確なニュースを過不足なく伝えることであり、スタンスを決めるのは視聴者だとの考えでその精神は、クライン氏に受け継がれているそうです。それでも個性を出していかないと生き残れないのがメディア業界ではとも思いますが。
 クライン氏は名前からしてユダヤ系で、CBSに在籍していましたが、CNNに入りました。住んでいるにはNYCですが、CNN本社のあるアトランタには毎週のように来ています。たまたまCNNのアンカーの友達がいたので彼女がTAKAに連れてきたこととが2回ほどあり少し話をしたことがありますが、低迷していたCNNを立て直すために入ったようなものです。朝のモーニングショーを改革し、夜はアンダーセン・クーパーを抜擢するなど随所では見所があるようになりましたが、それでもFOXとの差はかなりあります。
 中立で起きた事柄をそのまま伝えるのが使命だったCNNに対し、脚色・編集をして伝え受けたFOX。結果的にCNNもその後を追っているようにしか私には見えませんが、少し過激になったドブス氏が去って、個性が埋没するのでは?とも思います。ドブス氏はFOXに移籍するようですが。
 報道をNHKのように中立で伝えるのが良いのか、かつて久米宏がニュースステーションを始めたように色を入れるのが良いのか、そこは私はいつも考えるところです。
 弱者が上に上がっていくには目立つしかない、個性を出すのが一番早いとは思うのですがね。そうしう私も、何回も過激さを指摘され、月刊誌のAXISでは個性を抑えています。このブログはスポンサーもいませんし、何を書こうが日記であってそれがたまたま公開されているだけのものなので、書きたいように書いているんですがね。それでもたまに削除したり、読み直して編集することもあります。
 私が思うに、皆さん対岸の火事は面白いので見ていたいが、自分の家が燃えると面白くない。そういうことではないでしょうかねえ。
 

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