週末往来:その2 地熱発電?

 インドネシアのバリ島では、第4回世界地熱会議が開催されましたが、ユドヨノ インドネシア大統領は、インドネシア内にある火山活動エネルギーを利用した発電を提唱し、世界からの投資・支援を求めました。

 地熱発電? これを少し掘り下げてみましょう。 実はインドネシアは日本同様の火山国で、世界の地熱エネルギーの40%が眠っているという推計があります。普通は、地中深く穴を掘り、そこから出てくる蒸気を使ってタービンを回し発電するのですが、現在の技術では無理です。ところが火山の付近では地下数キロのところにマグマ溜まりがあり、この温度が約1千度ですが、雨水などが浸透していき、蒸気を作るわけです。これをうまくパイプに集積し、タービンまでつないでいくというイメージですね。我々は地表と呼ばる一番上に住んでいるわけですが、地下30-50キロ掘れば温度は1千度になるといわれています。

 日本では、東北、九州など18ヶ所ですでに行われていますが、蒸気でタービンを回すというのは原子力発電も火力発電も全く同じです。ただ、大きく違うのは原子炉に当たる部分を地熱発電では、地球がその役割を果たしているわけで、二酸化炭素の排出量はゼロ、当然ながら核廃棄物も出ないわけです。

 インドネシアについては、伊藤忠と九州電力が1000億円を投資してスマトラ島の北で世界最大の地熱発電所を建設しています。また南スマトラでは400億円の工事見積もりのうち円借款で270億円が使われ、こちらは住商と富士電機が日本の実績を踏まえて受注しましたが、住商の落札は今回が8件目でインドネシアの地熱発電所建設の5割を受注しています。まあ、円借款ですから、当然ながら日本企業に工事などが落札されるはずです。こうしたODA絡みのインフラなどの工事受注は財閥系の企業が政府との深い関係により仕事が回されるという話を聞いたことがあります。
 ちなみに地熱発電を英語でGeothermal powerといいます。

ちょうど、米国政府も沖合いのふうりょk発電をはじめて認可しました。マサチューセッツ沖に建設される予定で、130基を建設、地元民22万人の75%程度を賄う計画ですが、その地元は環境破壊などを理由に反対しています。それじゃ、原子力や石炭・原油に頼る火力発電は、環境破壊にならないのか? すでに欧州では沖合い風力発電の導入は進んでいます。これが成功すると、五大湖など安定して風が吹く場所での設置が加速すると思われます。
 日本も島国で常に風が吹くと思うので、どんどん推進すべきだと思うのですがね。津波警戒とかで砂浜を消し去り防波堤にしたお金があるぐらいですから、今度は沖合い風力発電に生かしてもらいたいものです。そうすればゼネコンにも仕事が回ります。何も意味のないダムや道を作るだけが仕事じゃない、未来を考えて脱石油にどんどん向ってほしいものです。日本はばら撒き的な行政手法が多く、みんなの顔を立てようとしますから、集中投資ができないのでしょうが、今後のことを考え、「2020年までに消費電力の20%は自然を利用した電力で賄う」ような事業を推進してほしいものです。海外でODAでお金を落とすのも結構、ただ国内は仕事がないのですからね、国内で仕事を創造しましょうよ。


 

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