墜ち行く経済大国?

 少し気になるコラムを読みました。世界第2位の経済大国はどこでしょう? それは我が日本なのですが、来年に同じ質問をすると3位の中国が抜き去っているため、日本は約40年間維持してきた2位の座を譲り渡すのです。IMFのデータによると、2008年の名目GDPは米国が14兆2646億ドル、日本が4兆9237億ドル、中国が4兆4016億ドルでした。場合によっては今年の末に入れ替わりがあることも予測されます。
 「なあーんだ、3位になるんだね」と楽観視しているでしょう。ところがその3位の椅子も安泰ではないのです。下からの追い上げがきついですからね。
 インドやブラジルといった他の新興国が猛烈な勢いで追い上げてきています。21世紀の世界経済成長率は年平均4%は堅いと見込まれ、それ以上の成長を続けていかない限り、日本の国際的な地位低下は避けられないのです。
 2008年7月時点のゴールドマン・サックスの予測では、2050年の国別GDPランキングで日本は10位に後退。BRICsだけでなく、ネクストイレブン(N-11)と呼ばれるインドネシアやメキシコ、トルコにも抜かれている可能性があるのです。
 今後の日本の舵取りは実に難しいですね。空港ではすでに韓国や香港、シンガポールなどに規模で負けています。ところが国際空港の数は山ほどある。最近オープンした静岡空港でさえ、国際便が就航するそうです。これも新幹線と同じばら撒き予算のおかげなんでしょうが、誰も利用しない空港を作り、赤字になる。そのツケは国民に回る。小さな空港を10作るお金があれば、東京の空港をドカーンと大きなものにして「アジアで一番」にすべきでしょう。ところがそれはできない。成田でさえ、未だに未解決の土地がある。こんな行政がまかり通る国は他にないでしょう。
 政治に期待はできない、官僚主導の行政にも期待ができない、墜ち行く日本を傍観するのか? やはり経済で伸びてきた国はその技術力で伸びを維持するしかないでしょう。幸いにも日本の技術はすごい。公害の処理施設、ハイブリッドなどの自動車の技術、環境への取り組みなど日本が誇れるものは、そこにしかないのです。そして今後地球の温暖化が加速し、水と食料の問題がさらに重要視されるようになれば、「待ってました!」ばかりに日本の技術で世界に貢献でき、経済的には2位以下になろうとも「日本がないと困るよなあ」ぐらいに世界に一目置かせることもできると思います。

Comments

odisona said…
親の恩恵をたっぷり受け、ハングリー精神が不要になった若者がうろうろしている間は日本の回復は難しいでしょう。。。
官僚主導の行政が平気で行われるのも政治に無関心な国民に責任があると思います。
日本の明るい将来のために、団塊世代のしっかりした世代交代を期待したい今日この頃。

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