州財政の危機 

 大半の州が新年度が7月から始まり、すなわち6月が旧年度の最終月でしたが、連邦政府と異なり州や市などは赤字になってはいけないという決まりがあります。その中で、ノースダコタとモンタナを除く、48州が財政赤字でした。今後、州政府や市などは、赤字の埋め合わせのため、あらゆる方法を使い税を徴収します。ある州では狩猟のライセンス料を値上げしました。タバコやアルコールは格好のターゲットとなります。大半の州にとって主な財源は3つしかありません。所得税、売り上げ税そして法人税です。このすべてが減収となったので州財政が危機に面しているのは分かるでしょう。
 実は、連邦政府から1350億㌦が各州にばら撒かれましたが、これがなければ倒産寸前の州もあったそうです。ただ、この1350億㌦のうち、870億ドルがメディケア(低所得者向けの医療制度)に使われるのです。あるシンクタンクの試算では今会計年度の50州全体の赤字額は1600億ドルになり、累積赤字は3500億ドルになるといいます。この赤字を埋めるには、これまでの積立金を回す、増税する、支出の削減の3つしかありません。
 支出削減は公共サービスのカットになりますが、職員の削減、レイオフ手前の無給休暇、大学などの補助金のカット、社会福祉の削減になります。
 メディケアなども1つの社会福祉と考えると、不法移民がこれを食い物にしているのは事実です。たとえばヒスパニックがこの国で子供を産みます。その費用が5000ドルかかるとすれば、その全額は払えません。その負担はメディケアに回るのです。メディケアは至って簡単で、所得の証明を出せばできるようです。かつて、メキシコ人の従業員のために、実際よりも低い金額を書いた所得証明を作ったことがあります。これはちょうど自動車を買うときに書く所得証明のようなもので、このときには実際よりも大目の金額を書きます。それであとでローン会社から確認の電話があり、「はいそうです」と答えるだけなのですが、これで通用します。したがって、子供を産んでも費用を払わない人が当然いますし、医者もそれを分かっているから「大丈夫、メディケアがカバーするから」となり、取り損はないことになりますね。本当に低所得者なのかは疑問なのですが、それをチェックする機能がないので、使い放題ということになります。
 それはちょうど、FEMAの予算みたいなものです。災害が起きる、支援物資が必要だ、仮設住宅が必要だ、で予算が使われます。でも実際に被災者がそれを必要かどうかはわからないのです。ただなんとなく要るんじゃない?ぐらいの感覚で「ここぞチャンス、予算を使うしかないな、しめしめ」の世界でしょう。誰から潤うようになっているんでしょう。国もそのあとのチェックができないから、予算が正しく使われたかどうかを検証しない。物事違えど中身は同じ。皆、国の予算の甘い汁を吸いたがっているということです。

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