週末往来! 消えた2つのレストランから

 今週、アトランタにある2つの有名なレストランの閉店が報じられました。1つはRepast もう1つはJoelです。どちらもオープンしたときには、全米規模の雑誌などから「Best New Restaurants」などの賞をもらった店です。そしてどちらも高級店の部類に入ります、一般的には「景気が悪いので潰れた」となりますが、それでは経営努力がなく、他への責任転嫁ではないかと思えます。
 どこも売り上げが落ちています。その中で工夫をして経費を節約し、マーケティングを行い、売り上げや収益を確保しないといけない。有名店という名の下にあぐらをかいてはいけないということです。
 Repastについてはよく知りませんが、Joelはオープン当初から問題のあった店です。まずオーナーが元リッツカールトンのシェフを務めていたことでフランス人でもあり、マネージメントがフランス人だった。これが米人のサーバーとの間に問題を引き起こした。それはチップの問題で、これは訴訟にもなったと思います。
 そして場所もBuckheadとはいえ、I-75の出入り口に近い場所で、少し中心部から離れている。そういうことから経営不振がささやかれ、店の半分を閉めて営業を続けたわけです。開いた当時はDream Kitchenと呼ばれ、その広いキッチンは話題になりました。でも考えてみてください。キッチンにお客さんは座れませんね。ということは無駄なスペースになるわけで、ダイニングルームと同じ家賃を、お金を生まない場所で払っているわけです。そこにはオーナーシェフの見栄、理想があったんじゃないかと思います。損得勘定を抜きにしたもの、これが足を引っ張るわけです。
 そして元リッツの看板を背負い、高級店を目指しましたが、肉の煮物などは確かに人気があったように思いますが、それはアトランタのマーケットにそぐわなかったんじゃないですかね。
 味はそこそこ、そして最低のサービスで店の評判はメディアの評価とは対照に落ちていった。そしてオーナーのJoelは見切りをつけたのかどうか、NYCでも仕事が持ち上がり、店を去った。それでブラッセリーにして再出発をしたものの、オーナーシェフなき店はもうその魅力を失っていた。あとは赤字の垂れ流しで、決断するだけだったんじゃないでしょうか?
 そう考えるとRepastにも同じようなことが言えそうな感じですね。奥さんは日本人なのであまり書くと「失礼な」と言われそうですが、夫もシェフ、奥さんもシェフですね、それでは誰が数字を見るの?という問題です。マネージメントは誰がするの?もちろん、店にマネージャーはいるでしょう。ただ雇われのマネージャーは所詮雇われの域を超えないわけです。シェフもそうで、雇われシェフはどこまで行っても雇われシェフでしかない。そこはパートナーにするとかお金を配分するようにしてモチベーションと高めないと本当のやる気は引き出せません。私はオープン以来、2回ほどこの店に行って、味はそこそこなのに、いつもサービスが悪いように感じていました。夫婦でレストランビジネスをすると大抵は、どちらかがキッチン、どちらかがフロントと分かれますが、2人がキッチンというケースは珍しいですね。
 閉店の真相はウェブで書かれているような「高級店は不景気で通用しなかった」なのか他に理由があるのかは分かりませんが、店が閉まったことは事実で、それは多少なりともいた顧客の行き場を失うわけです。うちの店なんかもそうで、毎週1回必ず来て同じものを食べる習慣性のある顧客が多数います。こういう方々によって店の経営が安定しているわけです。もしも、店がなくなったら行き場を失うわけで、そういうことを考えると簡単には店は閉められないという社会責任があります。
 ランチを今度、8月から開けるのもそうしたお客さんの声に応えるということ、そして考えてみたらBuckheadで美味しい寿司や日本食を提供する店がほとんどなくなってきているということです。それなら社会的な意義がある、大儀名分がありそうで、やるしかないだろうという方向になったわけです。すでに店では告知を済ませていますから、お客さんもジワジワ気づき始めています。そうすればいきなり8月に開けても開店休業のようなことはなく、そこそこ良いスタートが切れるんじゃないかと推測できるわけですね。
 たかが、レストランと思う方もいますがね、性欲と食欲が人間の2大欲で、美味いもん食ってれば人は文句言わないんです。Hしっかりしてれば女房が文句言わないのと同じことですかね。従って美味しいものを食べるということは、実に人間の生活にとって大事なことなんですよ。そのためにも作る側は常に研究を重ね、新しいものに挑戦し、美味しい料理をリーズナブルにまた、コストもしっか計算に入れて提供しないといけないということになります。

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