ストレステストからやさしい米国経済分析を!

 先日、政府が19の金融機関に対して行ったストレステストが終了、公表されました。事前予測と同一であったことから安心感が広がり、株価は8500まで上昇。「もう危機は去った。年内に上向き基調に向かうんじゃない?」って感じのムードになってきました。
 実際に私も少し冒険する気分になってきて、ハイリスクハイリターンの投資信託を1口買いました。テストが発表されたのが、5月7日でしたが、それから10日以上経過しました。その間に利益確定売りなどもあり、一時8200まで下がった株価ですが、昨日は大幅に上昇し、8500台を回復、今朝も先物ですでに50ポイント以上上昇しています。私の描く、年内9000-9500はかなり間違いのないものになってきたと感じています。
 そうなると「バスに乗り遅れるな」としか言えません。ここで乗らないと儲けを失うということです。ただ、ここでバスに乗れる人は少ないともいえます。現状の失業率は4月で8.9%、5月予想は9%超えが確実でしょう。政府のストレステストの前提条件は09年が8.9%、10年が10.3%ですが、4月ですでにその水準になっています。住宅の差し押さえも依然として高い水準で続いています。こんな状況でいくらバスが来ようとも、切符を買えない人が大多数なのです。結局、買えるのは資産的に余裕のある人だけとなり、彼らは金融株あたりをシコタマ買い込んで待っているんじゃないでしょうか?
 昨日の株価上昇もバフェットがウェルファーゴを買い増しした、モルガンがバンカメを買いに推奨したとか「突撃ラッパ」が吹かれていますからね。「赤信号みんなで渡れば怖くない」ではありませんが、この国の場合、操作をして「赤信号、誰かが触れば青信号」ですから、怖くはないのです。
 
 さて、本題に戻り、ストレステストの分析ですが、私がネットを通して読んだ数人の分析結果を合わせて、それを素人TAKAが私なりに分かりやすく分析をします。
 まず、事前に金融機関から出されたものの、戻されて作り直されたという点です。もちろん、正しい数字を作って政府に出しましたが、当局は「おい、これじゃ、まずいだろうよ。株が下がってもええのかい?後で言い訳はできるからよー、ええ格好した数字持ってこい」と言われたのでしょう。政府もそうするために前提条件すなわちハードルを低く下げたわけですね。そして「想定内」の優等生面した数字が発表された。さらには、マスコミも操作し、「ここだけの話だけどねえ」で漏らした人がいる。これは意図的に漏らし書いてもらうようにした。
 ただ、これは「うそも方便」であり、このうそで米国経済がマジに復活し、株価が上昇、消費が上向き、車が売れ、住宅価格が持ち直していくという大きな歯車が動き出すなら、可愛いうそになるでしょう。今の政権は経済が復興するなら、何でもやりますよ。それが一番、国民の支持を得る方法ですし、支持されとりつければ逆に何でもできますしね。
最近、NYCを訪れた元財務省の幹部がこんなことを言っています。「日本は政策の目的がどんなに正しくとも、政治家への根回しを含めた手続きを誤れば、政策は実現しないが、この国は矛盾する手段であってもがむしゃらに打ち出す。正当性は後から理屈をつければ済む」米人を雇っている人ならわかりますが、彼らの言い訳はすごいでしょう? 家族を病気にし、大渋滞を巻き起こし、自分を悲劇のヒロインにしてしまいますからね。
 オバマが旗振れば、そこへ向かうのがアメリカ。麻生が旗振っても、白けてイチャモンつけるのが日本でしょうかねえ。
 結果的に、この先に落とし穴があることは確かでしょうが、落とし穴も飛び越えればよし、右や左へ避ければよしでしょう?今のアメリカはゴルフみたいなもんで、池にボールが落ちても、「はい1ペナでーす。ここから打ちますね」ではないでしょうか? そこで諦めて「もう、このホールはやめた」ではないのです。とにかくグリーンに乗せるまで、カップに入れるまでは、何回でも打ち直しをしますし、できるのです。怖いですか? それだったらルールブックも書き換えるんじゃないですか? 紳士のスポーツですけどねえ、買い換えて経済持ち直すならお安いもんでしょう? ということで危ない状況下であるが、景気は上向く。ただ、企業業績が上向くのは人切りなどで経費を削減した効果が大きい。その削減された人が前と同じ給与で再就職できる確率は少ない。だからミドル層が崩壊している。お金持ちはますますお金持ちに、ミドルは貧乏に、貧乏はますます貧乏になっていく、世紀末的資本主義ではないでしょうか?

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