3つの収縮

 2日前に届いた日経ビジネスの最後に、堺屋太一のコメントがありました。「3重収縮からの脱出策」というものです。これは確かに的を得ています。
 1つ目は金融収縮、2つ目は事業収縮、そして3つ目はマインド収縮です。このマインド収縮について、彼はいずれ起こるべき革命だったと書いています。20年以上も前から人類の文明が変わっていた。人々は、物財の豊かさ=人生の幸せ→物財の多さ=煩わしさ、と思い始めているのだそうです。
 同じ号では、携帯電話の中での売れ筋がシンプルな機能で無駄を省いた機種が売れているとも書かれています。 確かに携帯電話は、どこでも通話できる便利さ→メッセージを送れる→写真が撮れる→ネットが見れる→銀行送金ができる→駅の改札が通れる→買い物の支払いができるなど、どんどん進化しています。 便利=良いことなんでしょうが、使えない人はどうするんですか? 取り残しですか?世の中のマジョリティはその取り残しです。40代以上の人の何%が電子メールを使えますか? 携帯電話を不自由なく使えますか? それに反して売り手や作り手は前に進みすぎてしまった。それではソッポを向かれ売れないのは当たり前でしょう?
 そしてこうした技術が進めば進むほど、一番大事な人との対話が忘れられてしまいます。これから高齢化がますます進む中で孤独な人が増えていくと思います。世の中がそういう方向に向かえば、それは人間の住む場所ではなくなっていくのでは?という危惧もあります。そうでなくても、すでに今の若い人の中には人と一緒に遊べない人が増えています。それはコンピューターゲームなどにより、1人でいる時間が多いからです。
 一例ですが、以前に2階の外壁のペンキ塗りをしていて落ちたことがあります。 かかとにひびが入り、しばらくの間松葉杖を使う生活が続きました。その期間はわずかに1ヶ月でしたが、いざ松葉杖を外し、普通に歩こうとすると歩けないのです。笑うかもしれませんが事実です。同じように脚を痛めた人がいて彼女もやはり松葉杖を使っていましたが、歩行のリハビリに行ったそうです。わずか1ヶ月で歩き方を忘れるのです。何年も1人で遊ぶことを覚えてしまうと、人との接し方を忘れてしまうのでは? どう人と付き合って行けば良いのか分からなくなるのでは?
 そして、そこに焦点を当てればビジネスのチャンスは無限にあるのではないでしょうか?

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