今日の出来事から 10月18日(水) 陸王から

Octubre Dieciocho ( Miercoles)
 月曜日にTBSの陸王を見て感じたものがあります。

 中小企業主は大変。売り上げ落ちたらすぐに赤字ですよ。番組では、銀行から融資とか言っていましたが、従業員20人以下の会社には銀行は融資なんぞしません、するわけもない。するとしたら、自宅を担保に入れての融資、これはアメリカでもできる。
 実際に私は、新しい店を開けるときには、家を担保にしてお金を借りています。しかし、これもビジネスではなく個人の借り入れです。それも実に低いのが銀行のやり方で、私は30万ドル近くエクイティがあると思い、20万ドル近くは借りれると思っていましたが、実際にはさらに低い9万4千ドルが限界でした。家の資産価値は50万ドルあり、借金は20万ドルだから30万ドルのエクイティがあると、借りる方は単純に考えますが、貸す方の銀行は石橋を叩いて渡りますよ、だから「これだけかい?」程度のお金しか貸さない、仕方がないので、友人に頼みこんで貸してもらった経緯がありました。
 それだけ銀行というのはケチで、お客さんである借主のことは考えない。確実に貸して確実に回収していく会社です。ましてや新規事業で見込みのないものに貸すわけがない。あの支店長は正しい。銀行は博打をする事業体ではありませんからね。従って私は銀行というのは利用する場所だと考えるようになりました。ここで上手くお金を借りて、それでお金を増やす。儲かっても銀行には戻さない。恩も義理もありませんからね、増やすお金は違うところでやる。それがせめてもの銀行への仕返しであり、復讐?でもあります。

 お金を借りることができれば、まだ幸いでしょう。借りれないとどうなります? 赤字を垂れ流すと、中小企業主は自分のお金を突っ込むんですよ。資産の切り売りが始まる。まずは定期預金があれば解約して赤字の穴埋め。それでもダメなら不動産の売却、そして何かを担保にしてお金を借りる。
 それで持ちこたえて、業績が上がれば良し。さらに赤字が続くと倒産ですよ、すぐに潰れます、単純な話でしょう。
 だからこそ、儲かっているときにも、無駄遣いせずに、せっせとお金を貯めて、投資をして不動産を買うなどして、万が一に備えないといけない。贅沢している暇はないのです。
 まあ、サラリーマンと違うのは、少しばかりの経費が使えることでしょうかね。食事は接待費や会食代で落ちるし、旅行しても上手く出張とかにできるし、会社で自分の私物を買っても税務署が細かく調べない限りは分からないし、せめてこれくらいの贅沢はあっても良いと思いますよ。
 陸王はストーリィ的には、あのシューズがヒットして会社が持ち直す、しかし困難がまたやってくる、それをまた乗り越えて成長していくんだと思います。
 一般の会社はそう簡単にはいかない、だからこそ安定した柱を持つことが大事で、例えばゼネコンなんかが、不動産をたくさん持って、そこで収益を上げているのも、その1つだと最近分かってきました。
 日本のゼネコンは、五輪までは忙しいが、それが終わると仕事が相当減る。元々が利益の極端に低い事業体です、それで景気に左右されるので、毎年確実に業績を安定させ、事業を継続していくには、確実に利益の上がるものを据えるしかありません、それが不動産投資ではないかと思うわけです。不動産なら景気にあまり左右されず、会社に利益を運んでくれる。それゆえの不動産投資ということです。
 100億円の工事を請け負ってもそれが黒字になるかどうかは締めてみないと分からない。工期の遅れ、資材の値上がり、突発的な事故など、様々な要因で儲かるか赤字になるかは分からないようです。
 それは他の産業にも言えることではないですか? 業績予想は必ずしも当たらない。エアコンやっていると、天気予報が気になる。暑くなれば儲かるし、冷夏なら儲からない。半年前に「今年の夏の予報は冷夏」と予測が出ると、生産を抑える。しかし気候が狂い、猛暑になると在庫がないで儲からない。そんなことの繰り返しです。

 それでも大きな企業には歴史もあり、蓄積もあり、信用もあるから、銀行が融資します。東芝なんて、もう半導体しかないのに、それでもそれを救う銀行があります。それは歴史であり蓄積であり信用でしょう、あとは「東芝という名前をつぶしてはいけない」というやはり政府とのパイプ?裏取引みたいなものもあるでしょう。
 中小企業にはそれが一切ないですよ。潰れるときは勝手に潰れてくれ。次はまた出てくる、そんな感じでは?
 足袋は確かに斜陽産業でしょう。昔は着物、今は洋服。私は生まれてこのかた、足袋を一回しか履いたことがありません。地下足袋はありますよ、建設現場でバイトしていましたからね。
 足袋屋が生き残っていくには、何かやらんといかんでしょう。それも分る。しかし、足袋以外にも斜陽産業は日本にたくさんあります。伝統は残しつつも、新しいものを作っていかないと会社は潰れます。それに手を出す勇気のある中小企業主は生き残れるのでしょう。
 レストラン産業も同じ、もう私は20年も料理を作っています。自分でメニューを作り始めて16年です。マンネリも良いところですが、ここで終わってしまい、新しいメニューを作ることをやめてしまうと、飽きられてお客さんは来なくなります。
 食べ歩きをして。ネットで調べて、常に新しい料理がないかどうか探しています。その1つが先週から始めた「マグロの赤ワイン漬け、バルサミコ酢かけ」です。今までこういう発想はなかったのですよ。しかしやってみると美味いじゃないですか。和と洋の融合みたいな感じですけどね。
 店のカーペット替えもそうです。店が開いて2年目にカーペットを張り替える店はまず、ありません。ただ私は汚らしいのは良くないと思うし、それで見栄えが良くなり店が良くなると思うからやるのです。
 これがチェーンで、1つの店の店長の提案だとしたら本部や事業部長は「よしやれ」とは言わないですよ。「おまえアホか、店を開けてまだ1年で、なんで張替えるんじゃ。そんな金はない。まだ使えるんやからな、このドアホ」でお終いですよ。
 しかし、これは私の店ですから、中小企業主はそれができるんですよ。お金は決してあるわけではないが、やらんといかんと決めたらやる! そこに未来があると思うからやるわけです。ある意味、中小企業主は博打屋かもしれませんが、負ける博打ならやりません。まあ、そんなところですかね、次回は10月29日の日曜日が第2話です。

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