TN州から来られたお客さん

 昨日は、仕込み中にカルティエのタチアナさんから電話があり、日本人のお客さんが行くかも知れないので、正確な住所を教えてくださいということでお知らせしました。店が開いて6時半ごろになると4人の家族連れが現れました。もうすぐ日本に帰国するそうです。
 お任せのお寿司を結構食べていただきましたが、「魚が冷凍でないんですねえ、みんな新鮮です」と言われてしまいました。そのご家族はKnoxvilleから来られたようですが、そこには新鮮な魚が置かれていないようです。「もっと早く知るべきだった」とも話されていましたが。
 寿司ネタに生魚を使うのは、当たり前のことです。知らない人は「アメリカの南部だから仕方ない」と思っていると思いますが、そんなことはありません。毎週2回は、日本の築地から鮮魚が入荷するのです。要するにそれをオーダーするかしないかの差です。当然ながらビジネスが暇になれば、コストを下げるために、生から冷凍に切り替える店が多い。そしてロスを考えると、すでにフィレにされた冷凍物のほうがロスが少ないなど、利点は多いでしょう。 ただ、それはお客さんの立場に立って正しいことなのかどうか。背に腹は変えられない、といえばそれでお終い。あとは店の経営方針の問題です。鯵は先週の台風の影響とこのところの円高で仕入れ価格が上がりました。おそらく他の魚も値段が上がるでしょう。国内調達でもCA州から来る貝割れ大根はかつて99セントでしたが、今は1.29-1.45ドルです。
 日本もアメリカもそうだと思いますが、寿司屋は今後高級店か安い店しか生き残っていけないと思います。中途半端なミドルクラスを狙った寿司屋はなくなることでしょう。まずは、客層が2極分化していること、そして生ものを扱う店は高級路線を走るしかないし、冷凍ものを扱う店は低価格路線で行くしかないからです。
 それにしてもTAKAという店は、アメリカ人には知られているものの、日本人にはまだまだ知られていない。

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