週末往来:ユニクロ分析
どこもかしこも負け組みになる中、数少ない勝ち組でこれから2020年に売り上げ5兆円を目指すというユニクロ。雑誌などを見ても柳井さん(CEO)のインタビューだらけです。少しまとめてみました。
なぜ売れる?
ーー それは高品質のものが低価格が供給されているからでしょう。これまでPBなどで「安かろう悪かろう」は山ほどありましたが、ここまでの高技術を使い繊維を開発しそれを大量生産し拡販したケースがなかったのではないでしょうか?また多色展開をしていますが、これはかつてベネトンが一世を風靡したやり方と同じです。ただベネトンは「安かろう悪かろう」で上辺だけのファッションでした。ユニクロは継続性です。
ファッションの世代でいえば?
ーー 柳井氏はGAPを第1世代と呼んでいます。これがSPA製造から小売の一環体制による販売手法ですが、GAPは単品勝負だったのです。そしてH&Mなどが第2世代、いわゆるファッションモノによるSPAですね。そして彼自身はユニクロを第3世代と呼んでいます。それは「生活のインフラ」を提供したということです。ヒートテックはマルチプレイヤーです。ターゲットはすべての層、年齢層でいえば子供から老年まで、そして価格帯でいえば低価格ですが、高級価格帯の層でさえ下着なのでこっそり買って着ている。さらには客層の幅が広い、男女を問わない、ファッションで着る人もいれば、冬場の建設現場で防寒で着る人もいる。太平洋のマグロ漁船で操業中に着る人もいるわけです。このようにあらゆるオケージョンで利用できるということですね。
生活のインフラでいえば、柳井氏は業界を批判しています。「ファッション業界は儲かると分かると次々商品を変えていく。毎シーズンの積み重ねがない。そして客層を限定したがる。ユニクロはあらゆる人がカジュアルを着れるようにする」と語っています。
1勝9敗?
ーー 柳井氏の著書のタイトルです。勝ち組と言われてはいるが、その影には大きな失敗があった。例えばフリースが大ヒットしたときは良かった、ところがその後の2年間は低迷期があった。海外出店も同じで、今はロンドン、パリ、NYCに店を設けているが、最初のロンドン進出ではかなり失敗をしている。そこで多くの企業は撤退をするのだが、ユニクロは何百億円の失敗から何かを学んで、それを今回の出店で生かしている。今後100人の社員を海外に派遣し「日本のユニクロ」を展開していくとか。
ヒートテックも今は売れているが、素材段階で何百回もやり直し(失敗)をしてきた結果の今があるという。「成功体験にしても、今の成功が次につながるという可能性は低い、ファッション産業はそれだけ浮き沈みが激しい。若い人で少し商才が長けていると、ちょっとした成功を大きな成功と勘違いしてしまう。本当は本人の努力ではなく偶然なのに、成功を肯定してしまう。成功を元に成功を続けていると”成功の復讐”に出会う。だから売れた原因、本質を良く分析しないといけない」
全社員が経営者?
ーー この産業はローテクであり、経営者が仕事をしているのではない。末端の社員が仕事をしているのです。だから末端の社員が経営者のつもりで仕事をしないと良くならない。お客さんに接しているには経営者ではなく末端の社員で、彼らが「また来店してもらうためには何をすべきなのか」と常に考え行動しないと会社は良くならないということ。
海外戦略について?
ーー 真剣にグローバル化しようと思ったら「ユニクロの強い点」で勝負すること。それは世界中どこに行っても同じユニクロであること。例えばフランスでフランスの小売業と同じやり方をするのであれば、日本から苦労していく必要はない。それを最初のロンドン出店で学んだ。ただ、日本人が一番不得意なグローバル化をしようとしているのだから大変。強い意志を持ってやるしかない。
ユニクロという会社は、私が日本にいたときにはなかったものです。最初は低価格戦略で売り上げを伸ばしているというイメージしかありませんでした。最初にユニクロをもらったのは、昨年の夏、規制した友人がTシャツを買ってきてくれましたが、北斎のデザインなので海外にはちょうど良いやと思いましたね。そしてクリスマスにヒートテックを2-3枚頂き、重宝しています。それで年末から年始にかけメディアへの登場回数が多かった会社の1つでした。海外戦略が今後の成長の鍵です。
ファッション産業ではこんなことをよく言われます。実際にかつて学んでいたファッションシステム研究所という会社の社長に教わったものですが、最初の壁は100億円だそうです。なかなか100億円の壁が越えられない。100億を超えると比較的スムーズに伸びていくがまた300億円ぐらいで壁があり、それを超えるとまた数百億円単位で壁があるんだそうです。現在の売り上げが7000億円です、そして5兆円を目指すといいます。全世界で売らないとその数字は達成できないでしょう、またそれが目標なのではないでしょうか?世界中どこでもユニクロ、南米からアフリカ、欧州から中東、アジアを経て日本発のブランドがどこまで伸びるか注目したいものです。
なぜ注目? 山口県小郡の小さな会社がわずか25年でここまで成長したからですし、この社長のものの見方は少し違う、慢心がない、常に危機を感じているからでしょう。
なぜ売れる?
ーー それは高品質のものが低価格が供給されているからでしょう。これまでPBなどで「安かろう悪かろう」は山ほどありましたが、ここまでの高技術を使い繊維を開発しそれを大量生産し拡販したケースがなかったのではないでしょうか?また多色展開をしていますが、これはかつてベネトンが一世を風靡したやり方と同じです。ただベネトンは「安かろう悪かろう」で上辺だけのファッションでした。ユニクロは継続性です。
ファッションの世代でいえば?
ーー 柳井氏はGAPを第1世代と呼んでいます。これがSPA製造から小売の一環体制による販売手法ですが、GAPは単品勝負だったのです。そしてH&Mなどが第2世代、いわゆるファッションモノによるSPAですね。そして彼自身はユニクロを第3世代と呼んでいます。それは「生活のインフラ」を提供したということです。ヒートテックはマルチプレイヤーです。ターゲットはすべての層、年齢層でいえば子供から老年まで、そして価格帯でいえば低価格ですが、高級価格帯の層でさえ下着なのでこっそり買って着ている。さらには客層の幅が広い、男女を問わない、ファッションで着る人もいれば、冬場の建設現場で防寒で着る人もいる。太平洋のマグロ漁船で操業中に着る人もいるわけです。このようにあらゆるオケージョンで利用できるということですね。
生活のインフラでいえば、柳井氏は業界を批判しています。「ファッション業界は儲かると分かると次々商品を変えていく。毎シーズンの積み重ねがない。そして客層を限定したがる。ユニクロはあらゆる人がカジュアルを着れるようにする」と語っています。
1勝9敗?
ーー 柳井氏の著書のタイトルです。勝ち組と言われてはいるが、その影には大きな失敗があった。例えばフリースが大ヒットしたときは良かった、ところがその後の2年間は低迷期があった。海外出店も同じで、今はロンドン、パリ、NYCに店を設けているが、最初のロンドン進出ではかなり失敗をしている。そこで多くの企業は撤退をするのだが、ユニクロは何百億円の失敗から何かを学んで、それを今回の出店で生かしている。今後100人の社員を海外に派遣し「日本のユニクロ」を展開していくとか。
ヒートテックも今は売れているが、素材段階で何百回もやり直し(失敗)をしてきた結果の今があるという。「成功体験にしても、今の成功が次につながるという可能性は低い、ファッション産業はそれだけ浮き沈みが激しい。若い人で少し商才が長けていると、ちょっとした成功を大きな成功と勘違いしてしまう。本当は本人の努力ではなく偶然なのに、成功を肯定してしまう。成功を元に成功を続けていると”成功の復讐”に出会う。だから売れた原因、本質を良く分析しないといけない」
全社員が経営者?
ーー この産業はローテクであり、経営者が仕事をしているのではない。末端の社員が仕事をしているのです。だから末端の社員が経営者のつもりで仕事をしないと良くならない。お客さんに接しているには経営者ではなく末端の社員で、彼らが「また来店してもらうためには何をすべきなのか」と常に考え行動しないと会社は良くならないということ。
海外戦略について?
ーー 真剣にグローバル化しようと思ったら「ユニクロの強い点」で勝負すること。それは世界中どこに行っても同じユニクロであること。例えばフランスでフランスの小売業と同じやり方をするのであれば、日本から苦労していく必要はない。それを最初のロンドン出店で学んだ。ただ、日本人が一番不得意なグローバル化をしようとしているのだから大変。強い意志を持ってやるしかない。
ユニクロという会社は、私が日本にいたときにはなかったものです。最初は低価格戦略で売り上げを伸ばしているというイメージしかありませんでした。最初にユニクロをもらったのは、昨年の夏、規制した友人がTシャツを買ってきてくれましたが、北斎のデザインなので海外にはちょうど良いやと思いましたね。そしてクリスマスにヒートテックを2-3枚頂き、重宝しています。それで年末から年始にかけメディアへの登場回数が多かった会社の1つでした。海外戦略が今後の成長の鍵です。
ファッション産業ではこんなことをよく言われます。実際にかつて学んでいたファッションシステム研究所という会社の社長に教わったものですが、最初の壁は100億円だそうです。なかなか100億円の壁が越えられない。100億を超えると比較的スムーズに伸びていくがまた300億円ぐらいで壁があり、それを超えるとまた数百億円単位で壁があるんだそうです。現在の売り上げが7000億円です、そして5兆円を目指すといいます。全世界で売らないとその数字は達成できないでしょう、またそれが目標なのではないでしょうか?世界中どこでもユニクロ、南米からアフリカ、欧州から中東、アジアを経て日本発のブランドがどこまで伸びるか注目したいものです。
なぜ注目? 山口県小郡の小さな会社がわずか25年でここまで成長したからですし、この社長のものの見方は少し違う、慢心がない、常に危機を感じているからでしょう。
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