週末往来:今後の日本を考える 2

 以前に私はいとも簡単に、「日本は武力行使しないと憲法でうたってあるのだからスイスやオーストリアのように永世中立国になればいい」と書いたのですが、これは簡単ではないことを認識しました。
例えばスイスが有名な永世中立国ですが、これは武力武装により中立を維持しています。スイスの各家庭には自動小銃と銃弾が配布され各自が保管していますし、地区ごとに迫撃砲などが保管されています。また国民皆兵が国是であり徴兵制を採用してます。日本が仮にそういう方向に向えば、日米安保条約を破棄、自前の軍隊を配備しないといけませんし、より多くの国民が兵役に就くことになりますね。そして武装することは韓国や中国に脅威を与えることになるので、できないということです。
 実は武装しないで武力放棄をして永世中立国になった国もあるのです。あのコスタリカがそうです。コスタリカの響きは実に良いのですが、こんな国とは知りませんでした。ただ、実際に日本が武力放棄することは考えられません。
 したがって、アメリカに守ってもらうという今のスタイルをこのまま中途半端に継続せざるを得ないような気がしますね。そしてこれが一番、アメリカにとっても都合が良いことでしょう。米軍の経費を少しでも日本に負担してもらうこと、沖縄というアジアのどこにでも比較的簡単に飛べる距離を利用できるということでしょうか?
 ただ、戦闘機の爆音がやかましい。マリエッタにエアフォースの基地がありますが、ここに降りていく戦闘機はSandy Springsあたりから降下を始めます。これが実にうるさい、そしてWindy Hillあたりになるとかなり低空のためさらにうるさい。こんなのを毎日聴かされると頭がおかしくなるように思いますね。それを訓練で夜間にもやることがありますから沖縄の人の気持ちは良く分かりますし、たまに飛行機が墜落したり、パーツを落としていきますから危険きわまりないわけですね。 米人が何も言わないのは、やはり軍への尊敬の念があるからとしか思えません。話は逸れましたが、日本は永世中立国にはなれないということです。

 いずれにせよ、中途半端な日本なんですよね。例えば日本酒の蔵元はどんどん減っているそうですが、それは需要が落ちているからです。逆に海外では伸びてきています(ただ伸び率は低いのですがね)。日本酒は肌に良い、健康にも良い、そして長い歴史を持つ日本の食文化の1つだと思うのですが、若者の日本酒離れは止めることができません。安易な方向に流れているんでしょう。
 米国の外食産業が日本に進出しマクドナルドなどはもう市民権を得ていますが、本国のお客さんを見ると何か違うんじゃないかと思うのです。マクドナルドなどのファーストフードはジャンクフードで、時間がないときに食べる、お金のない人が食べるものです。それが日本はやはり横文字文化に弱いというか、あれよあれよという間に、日本の若者の食事の中に入り込んでしまったわけですね。こういうものばかりを食べていると噛む力が落ちますね、そうすると脳の働きが悪くなるわけです。そして一時的な満腹感だけが得られ、油分が脳の違う部分を刺激し「美味しい」という錯覚を覚えさせるのです。揚げ物にはそういう性質があります。もちろん、私も鶏の唐揚げなど好きですが、滅多に食べません。
 結果的に、日本は米国の後を追いかけているのです。1億総中流は崩壊し、若干のお金持ちと減り続けるミドル、そして増大するプア層に見事に分離してしまいました。そして任天堂などのコンピューターゲームで仮想の世界に入り込み、さらには同じ芸人(タレントと呼ぶんですよねータレントは才能なんですがねえ)の使いまわしのテレビを見て面白いと思うんですから世紀末としかいえません。
 私がよくローマ帝国の末期に例えて、米国人得に南東部人のことを「チキンウィングと薄いビールを与え、フットボウルを見せれば彼らは幸せである」と皮肉るのですが、いまどきの日本人は「第3のビールにファーストフードを与え、DSとお笑いを見せれば彼らは幸せ」なんでしょう。ちなみにローマの場合は「パンとぶどう酒を与え、円形闘技場でサーカス(野獣と奴隷の死闘)を見せれば市民は幸せである」だったのですがね。

 何が日本をそうさせたのでしょうか? 徳川時代の鎖国ですかねえ。300年間、世界から取り残されたことがまずかったのか? そして明治維新のあと、一気に取り戻そうとして軍国主義に走ったことなのか? その反省から米国の庇護の下、経済優先で金儲けに走り、一時は世界第2位まで輝いた日本が今、衰退の道を歩み始めています。やはり日本列島はガラパゴスなんでしょうか?
 同じようなアジアでも韓国は、植民地という惨めな思いを経験し、軍事政権がありクーデターがあって現在まで来ている。その間には「日本に追いつけ追い越せ」このパワーは凄かったと思います。今、すでに電子の分野では並んだのかも知れません、車も並びかけていますね。
 確か韓国だったと思うのですが、「英語村」ってのがあるそうです。その街では英語しか話してはいけない、そういうのが日本ではできないんですよねえ、「駅前留学」みたいなにわか英語を教えるところは山ほどありましたけどね。中国には「エコ村」みたいなのがある。国が何か国策のようなものを掲げ、将来花開く可能性があるようなものに投資していけばいいと思うんですが、田舎議員が税金でダムや道路を作ることが得意な国ですからね、そういうのは将来花が咲かないです。

 いずれにせよ、日本は今から開国しないといけません。人口が減ってきていますからね、このままでは税金を納める人が減り、使う人ばかりが増えます。したがって外国から労働者を受け入れるしかないのです。それが本当に開国になると思います。

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