それでも、なお私は疑う!

 なおって、人の名前ではありません、あしからず。英語で言うところのeven it is so,,,.って感じですね。

 金曜日に9500ポイントを回復したNY株式市場です。FRBのバーナキが「世界経済の底入れ、そして回復軌道を確認」したそうです。それに加え7月の住宅販売の数字が良かったことからのUPですけど、それでもなお私は疑うのです。
 それは、GA州の失業率がとうとう10%を超え、10.4%になったことからです。さらには州知事は州内の銀行のCEOを呼び「どうなんだい本当のところは?」と会議を設けたそうです。これは前にも書きましたが、失業率が上がれば、住宅ローン支払いやカードローンの負債が払えない人が増えます。すると差し押さえや破産するしかないのです。当たり前ですよねえ、収入がないのにどうやって払うのですか? ましてや元々貯金のないアメリカ人です。投資に回したお金から払おうにも株式の評価損もあるかもしれない。このところ持ち直した株価ですが、それでも401Kなどの運用実績はピーク時に比べると30%マイナスでしょう。さらにホームエクイティでお金を借りている人は惨めかも知れません。家の価値が下がっていますが、エクイティがゼロまたはマイナスになっている家がすでに多く出ています。 ここ2-3年で家を買った人の場合、頭金10-20%程度であれば、それはすでに吹き飛んでいるはずです。現在の住宅価格はピーク時に比べ20-40%下がっていますからね。それをエクイティがあったときにお金を引き出していれば惨めなものです。 こうして個人破産が増えると、銀行の不良債権も雪だるま式に増えていきます。
 さらには、商業不動産についていえば、これからどんどん膿が出てきます。街中を車で走って分かるでしょう。For Lease, ForSaleの看板の多いこと。それに加え住宅団地を建てたものの買い手がいないから値下げして売っている状況です。ただそれさえも売れていない。すると当然借金してそういうものを建設していますから、払えないと倒産するしかないのです。街の中心部の高層コンドを見ても分かりますよね。10-20%以下しか売れていないんです。それでそうやって投資資金を回収できますか? 待っているのは倒産の2文字しかありません。
 こういう数字を見て、今後それが悪化することを考えると、景気回復の兆しとはいえないでしょう?
そして、今の株価は「かっぱの誘い水」じゃないかなあ、と思うんですよ。
 数字は作られますからね。中国では8月4日に今年の高値をつけた株式市場が2週間で20%も下げています。ここも同じで早々と政府がお金を使い、景気刺激策を行ったわけですが、それが息切れしています。ところが次の景気対策はありません。日本も同じでしょう。待てよ、それはアメリカも同じなんです。 車の買い替え特例も24日で打ち切りです。GMが増産に入ったと思えば、お上は打ち切りを宣言しました。結局、世界経済が落ち込んだときに、財政出動でお札を刷りまくり、ばら撒いたわけです。それが効果があってこの3-4ヶ月は綺麗な薄化粧の数字が出来上がりましたが、薄化粧はすぐに見破られはがれますから、来月あたりから苦しくなるのではないかと思います。それは英国もそう、ドイツもしかり、日本もそう、そしてアメリカも同じことなんです。ひよっとしたら、軟着陸ならぬ、低空飛行でも上昇気流に乗り飛び立つことができるかも知れませんが、こうしてどんどん上がっているときには乱気流がありますから、要注意が必要です。私の予測は今も変わらぬ「2番底」探しの旅はすでに始まったということです。

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