週末往来:夜明け前

 ふと思ったことがあります。今のそして将来の日本の憂慮している私ですが、今の日本と江戸時代末期は実は似ているのではないか?

 徳川幕府によって300年間続いた鎖国政策が崩壊、開国を迫られた。中央集権国家による統制を嫌い、地方が言うことを聞かなくなった。そして独自のやり方を始めた。薩長がそうであり、やがてそれが明治維新へとつながっていった。

 今の日本、自民党による戦後50年以上にも及ぶ長期政権が崩壊しようとしている。アメリカの傘の下でぬるま湯に浸かっている日本の進路を民主党は変えるかも知れない。さらには老人口の増加により、今後労働人口が減ることを考えれば、外国から労働者を入れるという選択肢も考えないといけない。これは1つの開国ではないか? 中央集権国家、すなわち霞ヶ関の官庁による統制が実は彼らの利権食いになってしまって腐敗しきっている。公務員削減、天下り禁止なんてとんでもない話、わが身が危険に晒されるそんな改革を誰が好んで推し進めるものか。そして中央にお伺いを立てても前に進まないことを十分知っている自治体の首長は独自の道を進む。ここ最近の宮崎県知事、千葉県知事に元タレントが就いたのは偶然か?中央政府の中に入り、大きな組織の歯車になり埋没するくらいなら、小さな自治体の首長でやれることをやる方が賢いと考えたのではないか? 

 そうして、時代が流れ、変わろうとしているのだが、国民の多くが変わらない。日本の娯楽番組の低俗ぶり、タレントって何? 元俳優、元歌手、元お笑い芸人かい。 同じ人を各局が使いまわしする。まあ彼らを使えば視聴率が稼げるから使う。そして国民をシャブ漬けならぬ、娯楽漬けにして感覚を麻痺させる。これはローマ帝国末期の「国民にはパンとぶどう酒を!」に似ていないだろうか?そしてサーカスを見せて目を逸らせるやり方に似ていないか?

 江戸も末期になると侍の地位が落ちていく。士農工商の一番下にある商人がお金を持ち、強くなる。それは今でも同じことではないか?士は今で言えば官僚かも知れないし、農民は3Kだからやり手がいない。ただ、今後の農業は実に明るい。何せ世界中で食料が不足するのは目に見えている。食べないと人は死ぬのだから、成長産業に指定されるべきであろう。先日のデータで日本の食糧自給率が少し改善され40%を上回ったのはうれしいことで、外国産の作物に頼らず、会社組織にした農業を展開してビジネスに仕立てることができれば、まだまだ数字は上がるはずだ。

 こうして考えると、まさに日本は何百年ぶりに「夜明け前」を迎えたといえないだろうか? 夜明け前だから起きる準備をしないといけない。ところが最近の人は夜型のせいか、夜明け前に寝る人もいる。これでは第2の明治維新はやってこないかも知れない。末期まで進み続けるのか?それとも維新をやり遂げるのか、私のアジア戦略は、日本に帰国して渦を起こすことなのではないだろうかと時々思う。江戸時代にもジョン万次郎や勝海舟をはじめ、外国を視察して近代化を進めた人が数多くいた。今はさらに多くの日本人が海外に出ていって世界標準を身に着けていると思う。そういう人が帰国して日本を世界から遅れないように導いていかないといけないのではないだろうか?
 

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