アメリカ経済の行方

 今週は株価が月曜日に500ポイント近くも上昇しました。前週からの上げも考えると平均で17%上昇したことになります。「そうか、やはりオバマ政権だねえ。不良債権を受ける皿も作ったし、これでアメリカは不景気を脱し、年内の景気回復に向かうんだねえ」と錯覚しそうな勢いですが、そんなに簡単に事は運ぶでしょうか?
シティは1-2月は黒字だったようですが、第一四半期で見ると赤字のようです。不良債権は増加中だと考えてよいでしょう。例えば「00ドルの不良債権があります」が12月だとすれば、それから数ヵ月後にはその00ドルがさらに増えているのです。それは企業の倒産であり、個人の失業による自動車ローンの滞納、クレジットカードの未払いなど、次から次へと増えていくからです。
実際に、失業率は月毎に上がっていっています。 GA州が一騎に9%台に入ったのは少し驚きでしたが、多くの州でその予備軍も含めるとすでに10%を超えているのです。こうした個人レベルで悪化している数字を見て、「どこが景気回復の兆しなの?さらに悪くなっているだけじゃない?」と思うのは当然のことです。
そして政府のマスターベーションのやりすぎはやがてドルを暴落させることでしょう。マスターベーション? 自分のところで発行した債券を自分のところで発行した通貨で購入するということです。お札さえ刷ればいくらでも買うことができます。すでにアメリカの国債を一番買っていた中国が警戒し始めています。中国は米ドルの暴落を見越して、新しい基軸通貨を作る方向に向かっています。結局のところ、この国の国債を買ってくれる国が減ってきているため、現金欲しさにFRBが買わないといけないのです。 そしてドルの流通量が増えると暴落します。「じゃあ、止めたら?」と思うでしょう。財政赤字の米国政府は国債を連発してお金を作らないと運営ができない状態にあるのえす。
ただ、財政赤字を誘発した根源(ガンですが)をなくせば正しい方向に向かうのです。それは軍事費です。 莫大な軍事費を抑えて、それを経済復興にまわすことができれば、あめりかは経済的には再生できると思います。ただ、それはこの軍事国家にとってはできないことです。 仮に軍事費を削るとしましょう。 F22戦闘機をキャンセルしましょう。となるとマリエッタにあるロッキードの工場でレイオフ、2000人に影響が出ます。全米各地に軍需工場があり、そこで働く人の数も多いのです、それに釣られて政治家が群がり、軍事族議員が圧力をかけますから、なかなかこうした軍縮はできない。やはり、この国にとって手っ取り早いのは戦争を継続することしかないようです。中東をかく乱するとか、やり方はいろいろあります。日本もかつて「朝鮮特需」で復興した節がありますから、戦争による盛り上がりの凄さは分かると思います。それしかないですね。
少し上がった株価を見て、ある人は「よーし景気回復だ。出てくる数字も良くなってきている」と思い、ある人は「よしよし、ここで売り逃げするのが得策だな」と株式市場から逃げ、金などの確実な投資に向かわせるでしょう。人の判断それぞれですが、私は、どちらに転んでも良いようにしておくことだと思います。
今朝のAPのニュースの中に、ペンシルベニアで自動車販売店を営んでいた初老の兄弟のうち、兄が車に放火し、自分もそこで死亡(死因は心臓発作)、弟はその1ヵ月後失踪しやはり死亡したという悲しいニュースがありました。楽観主義アメリカ人の成れの果て? 最後は自分で自分の命を絶つケースが多いように思います。 少し引いて考え、最悪の事態を想定し常に蓄えを維持するということができない民族、国民性の表れでしょう。前にも書きましたが、彼らは狩猟民族ですから、その日暮らしなんですよね、私たち日本人は農耕民族ですから、その日暮らしはできない。何しろ種を植えてから収穫するまで我慢しないといけないですからね。それでも天候異変などで収穫できないこともある。だから蓄えておき、万一のときに使うわけです。今後もこうした悲しいニュースが続くと思いますが、人を巻き添えにしないでほしいものです(銃乱射とか)。

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