ダウ株価急降下

 まさに転がり落ちるように下がっているダウです。午前を終えて230ポイントの下落。これが明日の東京でも同じようになるでしょうね。まあ、7000ポイント割れは予測できていましたから、私は何も思いません。 次は6000を割るかどうかの問題です。ただ楽観主義者が多いアメリカ人にとって資産の半分以上が消えるというのはショックを超えると思います。私は今週の顧客向けニューズレターで、日本の株価の話を持ち出し、日経平均が約4万円から転がり落ちたことを考えると、NY市場がそうならない保証は何もないと書いています。今の日経平均はピーク時を100とすれば18%でしかないのです。これをNY市場に当てはめれば3000ドルを割り込んだ数字になるのです。
 
 こうした非常事態下でも私が比較的冷静?にこんなものを書いているのはパズルが1つ解けたからです。別に遊んでいるわけではありません。「少しアメリカの政治が分かってきた」からです。
昨日の大雪で何もできなかった私はまとめ買いした本の中から1994年に書かれた進藤榮一さんの「アメリカ 黄昏の帝国」を読んでいます。岩波新書ですが、なかなか的を得ています。進藤さんは、レーガンーパパブッシュと12年間続いた共和党政権が終わり、クリントン率いる民主党が政権を引き継いだあとにこの本を書いています。 そして15年後の今年読んでいますが、同じことを繰り返しているように思うのです。後々、これに私なりの解説を加えて書きますが、共和党の大企業と金持ち優遇により、減税を行ったが、ミドル以下はその恩恵をあまり受けなかったということです。減税するかわりに社会福祉を縮小、打ち切ったことで貧困層が増大、やがて貧困からホームレスに脱落する国民が増える、医療費が払えない、子供を大学にやれない、とうにかく格差が広がっていったのです。そして財政赤字は増大していった。取るところから取らずに無茶苦茶なことをやったから今のアメリカはこうなってしまったのでは?とも思えます。
 こうした実情については、その前に読んだ堤 未果さんの本の内容もほぼ同じです。ということは、共和党政権がやってきたことは金持ちや大企業から献金を受け取り見返りに減税を行い、歳入を減らし財政赤字を作り、不満する国民の目を海外に向けさせ、「悪いのは俺じゃない、フセインだ、アルカイダだ」と言い張り、「テロには真っ向から戦うぞ」と身内のいる軍需産業に大量発注し、ぼろ儲けをしただけだったといえます。そしてオバマに「君の仕事は十分すぎるほどあるからね、あとは好きにやってくれ」とバトンを渡したのです。オバマも人気だけでは、この非常事態を支えきれませんから、もう落ちるところまで落ちるしかないですね、この国は。
 まあ、みなさん何が起こっても不思議ではありませんから、自分の資産は自分で守るように、決して政府などを頼らないこと。政府は銀行に命じて支払い停止をすることも考えられますし、軍隊を動員し治安維持に務めるかも知れません。これが最悪のシナリオでしょう。恐慌まで行くとしたら、そうせざるを得ないと思います。極論ですが、その可能性は少しずつ上がっています。

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