資本主義と何なのか?
いったい全体,資本主義とは何なのか? このところの景気低迷でこういう壁にぶち当たる。
それは、19世紀の英国から始まる。産業革命と呼ばれものであろう。これまでの家内製手工業(父ちゃん母ちゃんに家族を含めた少人数が人の手を多く使って生産性を上げていたやり方と判断すればよい)から紡績の機械が発明され、大量生産ができるようになった。トヨタの前身もこれを日本に持ち帰りアレンジして成功したと思う。これで英国は世界の覇権を握るようになる。そしてこれまでは貴族と小作民という階級しかなかったのだろうけど、新しい階級が生まれる。それが資本家と労働者という階級である。そして銀行というものが急速に発達するのである。(TAKA自論ですよ)
働けど働けど、労働者は労働者で生活は楽にならない。「そうだ?新天地へ行こう。こんな搾取されるやり方は御免だ。海の向こうには自由な世界があるらしい」と宗教で迫害を受けた人々に続き、欧州から貧しい人達がアメリカに渡っていくことになる。
1900年の始め、ヘンリー・フォードが自動車を大量生産する方式を生み出した。これがアメリカの産業化そして工業化の始まりではなかったか。 ブルーカラーで十分生活できた時代だった。ところが労働者が組織化し始め、組合を作るようになってしまった。1人の力では何もできないが、団体になれば、会社と交渉ができることを知ってしまったのである。賃金を上げろ、休みを増やせ、引退後も面倒を見ろ。こうして強くなったアメリカの労働組合、その最たる例がUAWだったのでは?
一本調子に上がってきた自動車産業を支えている労働者を丁重に扱わないと、しっぺ返しが来ることを経営者は知っていたのである。こうして自動車のコストがどんどん上がっていくが、米人の生活レベルが上がるにつれそれも相殺されていく。コストが上がった分は価格に転嫁すればいい。実に簡単な仕組みで会社はそのまま儲かる仕組みである。覇権を英国から委譲された米国は軍事力を駆使して自動車の燃料である石油を安く仕入れることができ、すべてが順調だったがオイルショックに見舞われてしまった。ここからがある種の転換期となる。製造業は実に弱い。こうして80年代から米国企業は海外に出て行くのである。それは、国内労働者の質の低下(ベトナム戦争後、マリワナなどの蔓延、ウーマンリブの台頭などなど、様々なことがアメリカで起こっていたからだろう)、そしてコスト上昇をカバーするためには安い賃金で作れる場所でモノを作るのが当たり前であろう。こうして産業の空洞化がはじまる、さらには質の高い日本製品がアメリカに徐々に進出してきたのである。まずはテレビをはじめとする家電でアメリカのメーカーは敗北、そしてそれは基幹産業の車にも手を伸ばしていた。ビッグ3は規制を求めるが、日本メーカーが現地進出でかわしてしまった。もはや製造業で勝ち目はないと思ったアメリカだが、軍事技術だけは政府の補助もあって抜群に強く、そこから派生したインターネットなる新しい技術で世界をリードすることになる、これがIT産業である。さらには金貸しが本業の銀行が金融商品を生み出し、これを販売することで大もうけできることを知ったのである。こうして金融業界とIT業界が腐りかけていた自動車産業にとって代わったのだ。
すでに80年代から「格差」という言葉が使われ始めている。それまでもある程度の金持ちはいた。もちろん、ロックフェラーなど財閥的な大金持ちもある。ところがそれはわずかだった。その金持ち層を増やしたのはレーガンーブッシュの共和党政権だ。 大企業と富裕層に擦り寄り減税を行った結果である。 特に株や不動産、さらには遺産相続での減税が大きかった。富裕層の多くは給与という形よりも別の形で収入を得ている。一方それ以下の人の収入は大半が給与なのである。1年間に800ドルとかの可愛い減税をされて喜んでいるのは一般庶民で、実は富裕層への減税は莫大な額だったのである。 こうして富める者はますます富み、貧しき者は這い上がれなくなっていった。逆に真ん中にいた層はうえに上がれず、下に下がっていくことになる。 まさに2極分化であり、かつての地主と小作農のような状態に逆戻りしてしまった。
貴族社会、いわゆる封建制度から民主化したまでは良かったが、社会主義に進んだ方は競争原理を失い、その制度そのものが成り立たず崩壊、資本主義を取りこまないといけない状況に陥り、片や一方で資本主義に向かった方も、競争に敗れた者や競争をしない者が下層に滞り、新たな階級社会を作ってしまった。これがやがて、持たざる者から持てる者への妬みとなり、暴動まがいの事態にならなければ良いが。過去にあった一例がフランス革命であったように思うのだが。
かつてAXISのあとがきに「スーパー資本主義」について触れたことがある。行き過ぎた資本主義である。今がまさにその状態にあるのだろう。これを「修正資本主義」に移行しないといけない。別に護送船団で「皆さん一緒に豊かになりましょう」とは言わないが、かつてそうであったように戻れないものか? 今のアメリカでは、一般庶民にとって子供を育て大学に行かせるだけの余裕はなくなってきているし、別荘を持つことも厳しくなっている。
機械化やIT化が進み、人をあまり必要としなくとも製品が作れる時代になり、人間というものがますます疎外されていく。かつて人が機械を使っていたと思うが、今では使われ始めている。主導権をにぎるべき人間が、その主導権を機械に奪われ始めている。そして、人間は「人間らしさ」を失うのである。地球を制覇したはずの人間が内から崩壊していることになる。
それは、19世紀の英国から始まる。産業革命と呼ばれものであろう。これまでの家内製手工業(父ちゃん母ちゃんに家族を含めた少人数が人の手を多く使って生産性を上げていたやり方と判断すればよい)から紡績の機械が発明され、大量生産ができるようになった。トヨタの前身もこれを日本に持ち帰りアレンジして成功したと思う。これで英国は世界の覇権を握るようになる。そしてこれまでは貴族と小作民という階級しかなかったのだろうけど、新しい階級が生まれる。それが資本家と労働者という階級である。そして銀行というものが急速に発達するのである。(TAKA自論ですよ)
働けど働けど、労働者は労働者で生活は楽にならない。「そうだ?新天地へ行こう。こんな搾取されるやり方は御免だ。海の向こうには自由な世界があるらしい」と宗教で迫害を受けた人々に続き、欧州から貧しい人達がアメリカに渡っていくことになる。
1900年の始め、ヘンリー・フォードが自動車を大量生産する方式を生み出した。これがアメリカの産業化そして工業化の始まりではなかったか。 ブルーカラーで十分生活できた時代だった。ところが労働者が組織化し始め、組合を作るようになってしまった。1人の力では何もできないが、団体になれば、会社と交渉ができることを知ってしまったのである。賃金を上げろ、休みを増やせ、引退後も面倒を見ろ。こうして強くなったアメリカの労働組合、その最たる例がUAWだったのでは?
一本調子に上がってきた自動車産業を支えている労働者を丁重に扱わないと、しっぺ返しが来ることを経営者は知っていたのである。こうして自動車のコストがどんどん上がっていくが、米人の生活レベルが上がるにつれそれも相殺されていく。コストが上がった分は価格に転嫁すればいい。実に簡単な仕組みで会社はそのまま儲かる仕組みである。覇権を英国から委譲された米国は軍事力を駆使して自動車の燃料である石油を安く仕入れることができ、すべてが順調だったがオイルショックに見舞われてしまった。ここからがある種の転換期となる。製造業は実に弱い。こうして80年代から米国企業は海外に出て行くのである。それは、国内労働者の質の低下(ベトナム戦争後、マリワナなどの蔓延、ウーマンリブの台頭などなど、様々なことがアメリカで起こっていたからだろう)、そしてコスト上昇をカバーするためには安い賃金で作れる場所でモノを作るのが当たり前であろう。こうして産業の空洞化がはじまる、さらには質の高い日本製品がアメリカに徐々に進出してきたのである。まずはテレビをはじめとする家電でアメリカのメーカーは敗北、そしてそれは基幹産業の車にも手を伸ばしていた。ビッグ3は規制を求めるが、日本メーカーが現地進出でかわしてしまった。もはや製造業で勝ち目はないと思ったアメリカだが、軍事技術だけは政府の補助もあって抜群に強く、そこから派生したインターネットなる新しい技術で世界をリードすることになる、これがIT産業である。さらには金貸しが本業の銀行が金融商品を生み出し、これを販売することで大もうけできることを知ったのである。こうして金融業界とIT業界が腐りかけていた自動車産業にとって代わったのだ。
すでに80年代から「格差」という言葉が使われ始めている。それまでもある程度の金持ちはいた。もちろん、ロックフェラーなど財閥的な大金持ちもある。ところがそれはわずかだった。その金持ち層を増やしたのはレーガンーブッシュの共和党政権だ。 大企業と富裕層に擦り寄り減税を行った結果である。 特に株や不動産、さらには遺産相続での減税が大きかった。富裕層の多くは給与という形よりも別の形で収入を得ている。一方それ以下の人の収入は大半が給与なのである。1年間に800ドルとかの可愛い減税をされて喜んでいるのは一般庶民で、実は富裕層への減税は莫大な額だったのである。 こうして富める者はますます富み、貧しき者は這い上がれなくなっていった。逆に真ん中にいた層はうえに上がれず、下に下がっていくことになる。 まさに2極分化であり、かつての地主と小作農のような状態に逆戻りしてしまった。
貴族社会、いわゆる封建制度から民主化したまでは良かったが、社会主義に進んだ方は競争原理を失い、その制度そのものが成り立たず崩壊、資本主義を取りこまないといけない状況に陥り、片や一方で資本主義に向かった方も、競争に敗れた者や競争をしない者が下層に滞り、新たな階級社会を作ってしまった。これがやがて、持たざる者から持てる者への妬みとなり、暴動まがいの事態にならなければ良いが。過去にあった一例がフランス革命であったように思うのだが。
かつてAXISのあとがきに「スーパー資本主義」について触れたことがある。行き過ぎた資本主義である。今がまさにその状態にあるのだろう。これを「修正資本主義」に移行しないといけない。別に護送船団で「皆さん一緒に豊かになりましょう」とは言わないが、かつてそうであったように戻れないものか? 今のアメリカでは、一般庶民にとって子供を育て大学に行かせるだけの余裕はなくなってきているし、別荘を持つことも厳しくなっている。
機械化やIT化が進み、人をあまり必要としなくとも製品が作れる時代になり、人間というものがますます疎外されていく。かつて人が機械を使っていたと思うが、今では使われ始めている。主導権をにぎるべき人間が、その主導権を機械に奪われ始めている。そして、人間は「人間らしさ」を失うのである。地球を制覇したはずの人間が内から崩壊していることになる。
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