週末往来:命のビザ その行方

 たまたま、朝日新聞を読んでいたら、杉原千畝さん関連の記事がありました。戦時中にナチから逃れるユダヤ人に日本政府の許可なしにビザを発給したことで有名ですが、実際に輸送を手伝ったのは、JTBの職員だったそうで、これは知りませんでした。
 1940-41年の冬の間にシベリアから福井県の敦賀までの輸送を行い、日本海を20数回往復したという記録が残っていますが、そこでユダヤ人からJTB職員の大迫さんに写真が渡されていたというものです。写真の裏には「すてきな日本人へ、私を覚えていて」とか書かれていたそうですが、7枚の写真があり、その人たちの行方を捜しているもので、2月にイスラエルの新聞に掲載されました。
 輸送資金は米国ユダヤ協会から出ていたそうですが、膨大な難民の中から1人1人の身元を確認し渡航費を渡したとか。今は大迫さんの部下だった北出さんがその7人を探しています。
 米国のホロコースト記念館の職員から連絡があり、「私の父親が杉原ビザで米国に来た」という連絡があったそうです。ビザを発給したのは杉原さんですが、彼らを輸送し下から支えた日本人がいたということを多くの人に知ってもらいたいそうです。

 10年ほど前になりますが、アトランタのユダヤ協会から杉原千畝さんの取材に来てくださいという依頼を受け、ミッドタウンにあるユダヤ協会に招かれたことがあります。映画を見て簡単に説明を受けましたが、これは大きなショックであり、私の生き方を変えるようなものでした。
 それは、「間違っていても人間として正しいことをする」ということになります。罪を犯すかもしれない、悪いことかもしれない、命令に逆らうかもしれない、でもその立場ではなく、人間としての立場で考えてそれが正しいならやるべきじゃないか、というものです。

 寿司屋を営んでいますが、お客さんの30%はユダヤ系ではないかと思います。日本人とユダヤ人、どこかでつながっているように思います。イスラエルという国は好きではありませんがね、ユダヤ人には助けてもらっているんで彼らに美味しいものを作って恩返しをしています。

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