週末往来! ダメな店を視察!

知人に頼まれて売り上げが不振の店(ピーク時に比べ客数が40%近く下がっている、そして赤字寸前)に時間を作っていってきました。
その感想と対策です。レポートにまとめ報告しましたが、それが以下です。


驚きです。田舎の場末のダイナーよりもひどいですね。それが正直な雰囲気の感想です。
照明の1つが壊れてそこにテープを貼ってある。同じものが売っていないらしく、そのまま放置ですかね。
客目線で見るとバーに座るとバーの中がすべて見え、床にゴミがたくさん落ちていて汚い。これじゃ、うまいもんは出てこないでしょう。
当然ブースの横の壁のペンキが剥がれていて、そのまま放置されています。
メニューはざっと目を通しましたが、ドリンクメニューを見て驚きました。すべてのワインがグラスとボトルであります。この効率の悪さ。

たとえばChardonnayは6-8ドルまでで、4種類もあります。「4つもあって、客が迷うだけでしょう。2つで十分」とアドバイス。
さらに赤ワインに今、一番売れているMalbecがない。複数オーナーですが、そのオーナー、Malbecを知らない。
訊けばそのドリンクメニューは4年前に作ったままだそうです。Updateなしで4年です。価格改定もされずにね、恐ろしい。
それで、売り上げが下がってると嘆いています、当たり前です。停滞は後退ですからね。
まず、ドリンクメニューをUpdateして値段を最低でも25セントは上げるよう指示しました。そして同じ種類では2種類で十分、そこで価格差を2-3ドルつけることも言いました。

この店の特徴は低価格なので、ここは触ることができないが、アペタイザーのオリジナルなどは関係ないので、価格改定を行うよう指示。毎週11カテゴリーで25セントでも上げるようにしないと損するだけだと言っておきました。自殺行為としか私には思えないからですね。

一番大きな壁に3枚の素晴らしい絵が飾ってありますが単調で、少しラインを入れるとか、お金をかけずに変化をつける方法があることを伝えました。これは今日、3時にオーナーの1人がTAKAに来るので、うちの店のペイントを見せることができます。

店の一部を最近改装したようですが、個室感覚で使うなら壁の色を変えてアクセントをつけないと面白くないと言っておきました。
こんな感じですが、まずは当座の金がないので何もできないのが現状ですが、商品の値上げを行い、お金を捻出し、改装費用を作ること。とりあえず、小汚い椅子の座を自分で張り替えることぐらいはできるので、すべて赤にするとかアクセントをつけなさいと指示しました。
それが終わったらブースを何とかしないといけないし、中央も円卓にするなど少し変化をつけると面白くなると思います。エキサイティングな客間にしないと楽しめないですからね。
かつて500人、現在300人だそうですが、300人でも入ってくれているなら、客単価を1ドル上げると1300ドル儲かり、1ヶ月では9千ドルですか?そうしてお金を貯め、1日も早く全面改装しないと厳しいと言っておきました。

複数のオーナーで責任が誰にもない。なすりあいであろう、要するに無責任が複数集まった状態なのだと言っておきました。

TAKA
追伸

ブースのテーブルが実にみすぼらしい、安物の中華レストランよりもさらに下に見えます。
この解決法として美食でやっているように、ガラス板をトップにしてテーブルトップとガラス板の間に紙とか布を敷いてカバーすれば、見栄えも良くなるし、テーブルトップを新規購入するよりも安上がりです。こうした見た目のアップグレードを早急にやらないといけない。
元々が食べ物で客を引いている店ではないので、雰囲気だけは良くしておかないと内装の綺麗な同業に負ける、すでに負けているということです。
店のポイントに花や造花で少し色をつけるのも作戦。壁にキャンドルをプレイスして雰囲気を出しても良いですね。

今の照明は最悪、ブース席はグリーンのランプカバー、バーは黄色系のランプカバーではミスマッチ。本人もそれを認めているものの、「金がない」で放置状態ですからね。
帰りがけにフロントの炎を見て失望。キャンドルの代わりに固形燃料(フードウォーマーに使うもの)を裸むき出しで使っています。何を考えているんですか? キャンプに来ているわけではありません。お客さんに対して失礼でしょう。こういうところの「チープさ」が不振の大きな原因です。
「家賃が上がり公共料金も上がり、すべての支払いが厳しい。かつては500人入っていたが今は300人。これじゃきつい」
確かにそうですが、努力を怠ってきてこの言い訳はできない。500人を維持する努力を何もしてこなかったことの反省がない。
それはドリンクメニュー1つ取ってもすぐに分かるでしょう。お客さんが先に進んでいるのに、店が停滞=後退しているわけで、200人のお客さんに取り残されてしまったという事実を認識するべきです。今残っている300人のお客さんもどんどん離れていくのは目に見えています。残るのは下層のどうでもいいような客ばかりになりますね。
フードも見直しが必要。スープ飲みました。辛い、中に必要のない具が入っている?これ何ですか?そんなもの入れる必要性はあるのか?サラダ食べました。レタスのみの単調。今はオーガニックの時代で、色とりどりのリーフを入れると見栄えも良くなり、値段も上げられる。
特徴的なアペタイザーを食べました。えびですけどね。元々期待はしていなかった。出来合いの冷凍を使っているのは知っていましたからね。
「どうして作らないのですか?」「忙しくてそんなもの作っている時間はない」が回答。食べ物に対する情熱がない、「忙しいとお金がない」はダメな店の言い訳です。
手作りで美味しいものを作れば値段も上げられる、お客さんの評判も上がる。できない理由は何もない。複数の経営者のうち1人が金曜日にいない(早く帰ったかどうかは不明ですよ)、週末に3人働き、それも一生懸命働かないと従業員もついてこないですね。
忙しい?というなら日本の「餃子の王将」はどうですか?忙しいといって彼らが工場で作られた冷凍餃子を提供したら店はどうなりますか?すぐにお客さんにバレてしまいますね。
あれは店の見せるところで実演しているから効果があるわけです。安い美味いそしてボリュームの3拍子が揃っているからこそ、王将は繁盛しているわけですね。王将の忙しさに比べるとこの店の忙しさはゼロです。
米国でのレストランの繁盛のポイントは「安い、美味しい、ボリューム」この3つで攻めるのが一番簡単です。この店は高級ではないので、ここで攻めるしかないのに、フードに手抜きをしているから評判を落としている。
忙しい=時間がない=出来合いで間に合わせる=美味しくないものを提供する=客が離れる
これを
時間を作って手間暇かけて作る=美味しい=評判が上がる=リピートが増える=イメージが変わる
に変えていかないといけない。
彼らが忙しいといって、私よりも忙しいでしょうか? 私は5ランチ6ディナーで家を出るのが朝9時過ぎです。買い物を2件済ませ店に10時半に入る。ランチのスペシャルを考えて作る。ランチの営業はほぼ任せていますからそこでペーパーワークをする。
2時前に店を出て家に帰り、AXISの仕事をする。4時に店に戻り、ご飯を炊く。水加減は大事なので私が必ずやる。
10-11時に閉店。遅くとも12時前には帰宅。それからAXISの仕事するなどで1日平均睡眠時間は4-5時間ですけどね。これよりも忙しくて大変なら仕方ないですがね。
とにかく、店が傾いているときに休むんじゃない。原因を見つけること、そして解決策を探ること。それだけのことです。


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