とんかつの舞台裏

 毎週1回はランチのスペシャルに登場するとんかつの舞台裏です。
 使用するのは分厚いポークです(写真右)。
 これに碁盤の目に隠し包丁を入れて、こんちくしょうで叩いていきます(写真中央)。白い脂肪の部分は切り取って、トン汁にします。かなり潰しても若干の戻りがあり、また衣をつけると少し分厚くなります。そのあたりも計算に入れます。

 あとは塩コショウをしててんぷら粉をまぶして説き卵に通してパン粉をつけますが(写真左)、溶き卵に白だし醤油を混ぜます。そうすると味が向上します。
 
 これは目黒のトンキでカウンターに座って、若いお兄さんが衣をつけるのを見ていて思ったのです。溶き卵が黄色ではありませんでした。それで「出汁の味をつけると美味いのでは?」と思った次第です。
 パンがあるときには、フードプロセッサーで生パン粉を作り、普通のパン粉と混ぜて衣をつけます。

 とんかつって、メニューに掲載している店は多いものの、毎日特定の数が出るわけではないため、大抵の店では冷凍肉を使っているはずです。それは生肉の状態で冷凍するか、衣をつけた状態で冷凍するかの違いです。

 そして冷凍からそのまま揚げていくと、どうしても時間がかかり火の通りの心配もあるため、肉の厚みを薄くせざると得ない。ということは日本のトンカツ屋さんで食べるような肉厚でジューシーななトンカツはできないということですね。

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