週末往来!
日本からのお客様から頂いた品々です。やはり良いものは良い。
まずは〆張鶴は新潟は村上市の宮尾酒造のハイエンドです。それもゴールドラベルですから、山田錦を35%まで削った一品です。もう、ここまで来るとアルコールというか日本酒を飲むときの「ツーン」という匂いはしない。
厳冬期に造られ、華やかな上品な香り、なめらかですっきりした後味です。
一方、洗心といえば、同じ新潟の朝日酒造の隠れナンバー1。久保田万寿よりも実はこちらの方が手間がかかっている。タンクの貯蔵期間が長い分、トロッとした口当たりがあります。これは他の大吟醸ではなかなか味わえないわけです。贅沢にホリデーシーズンということで、飲み比べも良し。ただ、明日はこの〆張鶴の充てがなんと「餃子」ということで、まあそこは私も例のローストビーフを仕込んで現地で焼くという、その家の嫁に「TAKA風ローストビーフの造り方」を伝授するわけで、米人との約束を破棄してこの会に臨むのであります。
さて、いつもビジネスネタを検索して止まない私ですが、2つの興味ある会社の話です。
浜松の大学産業
浜松に大学産業という会社があります。遠州殿、ご存知か?別に学校の大学とは全く関係なく、「大いに学ぶ」という意味の社名らしい。この会社は総合水処理企業で、各種水処理プラントや水処理機器、計器、特殊ポンプの設計製作を行っています。
社長の曽布川氏(今年11月にガンのため他界)の哲学は、「仕事は自分で楽しむものであると同時に、相手に喜びを与えるものでなければならない」ということで、仕事を楽しみ、相手に喜びを与えるためには、豊富な知識が必要だ。だから人一倍多くの書物を「読み」、多くの実物を「視」、多くの意見を「聞き」、多くのものに「触れる」必要がある。これこそが大いに学ぶ「大学」の精神だとか。
創業以来、「あまり売れる商品を作るな」というのが基本方針。よく売れる量産タイプの商品を中小企業が製造しても大企業と競争にならないし、その上「売れる商品」は同業者の参入が相次ぎ、市場がすぐに成熟・衰退してしまう。だから、中小企業はニッチ市場に目を向け、市場は小さくてもライフサイクルが長い商品を狙うべきだとか。
市場が小さいというのは、あまり問題にならない。ある商品が○○市で100台しか売れない場合、それだけでは商売にならないが、全国には多くの市町村があるから、その需要が一巡するだけでかなりの月日がかかり、トータルでは十分に採算の取れる台数を販売できることとなる。むしろ中小企業が息長く発展していくのに向いた商品ということでもある。
大学産業が販売する緊急時用浄水装置は、災害時にプールや河川の水を簡単な操作で飲用水に変える装置である。地震など災害がライフラインが途絶えたときにすぐに役に立つものですね。
また人脈ネットワークも豊富、好奇心の塊のような人で、面白いことがあればどこへでも出かけていく積極性を持ち続けており、興味の範囲は、超能力から、古代遺跡、世界経済、民俗学、カラオケ、宝塚と幅広い。イスラエルからミャンマー、カンボジア、アメリカ、アフリカと世界を股にかけ、戦闘地域も窮乏地域もどんどん訪問したそうです。
異業種交流会も数え切れないくらい参加、経済産業省の審議会の委員も数多く務めていました。幹事は一見、損な役回りのようですが、そこから得られるものは非常に大きいとか。幹事をやっていると自然に細かい点にまで目が行き届き、他人に対してさまざまな点にまで配慮できるようになるそうです。
栃木県のカメラ販売チェーン店
サトーカメラを知っていますか?サトーカメラのカメラ販売シェアは、14年連続で栃木県ナンバーワン。デジタル一眼レフカメラの販売シェアは県内で60%以上という驚異的な営業成績を誇っています。
このサトーカメラが、並み居る強豪家電量販店との激闘の末に見出した商売の極意は、「効率を求めないこと」だという。それでも利益率は上昇し、価格が量販店より高くてもリピーターになるお客が多い。
最初はみな同じことをやるわけです。大手家電は大量仕入れを武器に価格を下げて大量販売をしますね。それに中小はどう対抗するのか? 値下げには限度があります。仕入れ原価は当然、大手の方が低いわけですからね。
そこで勝つには、やり方を変えるしかない。人の力を利用するしかないわけです。お客さんに納得してもらうまで話し、説明をすることのようです。大手の量販店で1時間もお客さんと話していたら怒られてしまいますがね、サトーカメラでは当たり前のことのようです。
今の時代、情報が氾濫しています。すでにCMなどの広告により、お客さんは情報を持っている。あとは同じものなら安いものを買いたい。それが当たり前の発想でしょう。
ヒット商品っていうのは、たいてい「ブランド」のおかげで、メーカーがテレビCMを流して大手家電量販店が重点的に売って、両者が結託して作り出しているのです。売れ筋を作れば経営的には効率がよく儲かりますからね。
でも、テレビCMに乗る商品なんてごく一部で、それ以外が90%以上です。サトーはそれらの中から、操作のしやすさ、ホールディング、頑丈さ、レンズのコーティングなどを全部調べて、「思い出をきれいに残すためにはこれだよね」っていうカメラを探し出してくる。
お客さんは、広告で目にするカメラしか知らない。だから最初は、なんでそんなカメラを押しつけようとするんだって思うが、調べていくと、実はすごくいいカメラだということが分かってくる。実際にお客さんが、本当にありがとう、すすめてくれたカメラ、本当に良かった言ってくる。
競争のない商品は値下げの必要がないから粗利が高い。したがってサトーは儲かるという仕組みですね。大手が物真似で同じ商品を仕入れて安値で売ろうとしますね、でも売れないのです。きちんと説明できる店員がいないからですね。
大手はマニュアルのようなものでしょうか? どの店員に何を訊いても同じ答えが返ってくる。金太郎飴の集団かも知れませんね。それではロボットでも置いていけば?と言いたくなりますね。
なんでもかんでもデジタル化され、人の意思の疎通がなくなっている時代だからこそ、こうした店舗が「暖かみ、ぬくもり」があるということで人が集まるのではないでしょうか?
それは米国でも同じで、私も暇さえあればお客さんのテーブルに足を運んで、座り込んで話しをします。世間話、フットボール、オーダーが来ない限りは挨拶して話をしますよ。そのために豊富な知識を常にアップデートしておかないといけない。
日本はダメだとか言いながら、頑張っている企業もある。そしてそれが私と同じ中小企業であればさらに嬉しいですね。大手には資金力がありますから、何でもできる。ただ最後は人の戦いですかね。浪花節ですかね。皆さん、良い週末を!
まずは〆張鶴は新潟は村上市の宮尾酒造のハイエンドです。それもゴールドラベルですから、山田錦を35%まで削った一品です。もう、ここまで来るとアルコールというか日本酒を飲むときの「ツーン」という匂いはしない。
厳冬期に造られ、華やかな上品な香り、なめらかですっきりした後味です。
一方、洗心といえば、同じ新潟の朝日酒造の隠れナンバー1。久保田万寿よりも実はこちらの方が手間がかかっている。タンクの貯蔵期間が長い分、トロッとした口当たりがあります。これは他の大吟醸ではなかなか味わえないわけです。贅沢にホリデーシーズンということで、飲み比べも良し。ただ、明日はこの〆張鶴の充てがなんと「餃子」ということで、まあそこは私も例のローストビーフを仕込んで現地で焼くという、その家の嫁に「TAKA風ローストビーフの造り方」を伝授するわけで、米人との約束を破棄してこの会に臨むのであります。
さて、いつもビジネスネタを検索して止まない私ですが、2つの興味ある会社の話です。
浜松の大学産業
浜松に大学産業という会社があります。遠州殿、ご存知か?別に学校の大学とは全く関係なく、「大いに学ぶ」という意味の社名らしい。この会社は総合水処理企業で、各種水処理プラントや水処理機器、計器、特殊ポンプの設計製作を行っています。
社長の曽布川氏(今年11月にガンのため他界)の哲学は、「仕事は自分で楽しむものであると同時に、相手に喜びを与えるものでなければならない」ということで、仕事を楽しみ、相手に喜びを与えるためには、豊富な知識が必要だ。だから人一倍多くの書物を「読み」、多くの実物を「視」、多くの意見を「聞き」、多くのものに「触れる」必要がある。これこそが大いに学ぶ「大学」の精神だとか。
創業以来、「あまり売れる商品を作るな」というのが基本方針。よく売れる量産タイプの商品を中小企業が製造しても大企業と競争にならないし、その上「売れる商品」は同業者の参入が相次ぎ、市場がすぐに成熟・衰退してしまう。だから、中小企業はニッチ市場に目を向け、市場は小さくてもライフサイクルが長い商品を狙うべきだとか。
市場が小さいというのは、あまり問題にならない。ある商品が○○市で100台しか売れない場合、それだけでは商売にならないが、全国には多くの市町村があるから、その需要が一巡するだけでかなりの月日がかかり、トータルでは十分に採算の取れる台数を販売できることとなる。むしろ中小企業が息長く発展していくのに向いた商品ということでもある。
大学産業が販売する緊急時用浄水装置は、災害時にプールや河川の水を簡単な操作で飲用水に変える装置である。地震など災害がライフラインが途絶えたときにすぐに役に立つものですね。
また人脈ネットワークも豊富、好奇心の塊のような人で、面白いことがあればどこへでも出かけていく積極性を持ち続けており、興味の範囲は、超能力から、古代遺跡、世界経済、民俗学、カラオケ、宝塚と幅広い。イスラエルからミャンマー、カンボジア、アメリカ、アフリカと世界を股にかけ、戦闘地域も窮乏地域もどんどん訪問したそうです。
異業種交流会も数え切れないくらい参加、経済産業省の審議会の委員も数多く務めていました。幹事は一見、損な役回りのようですが、そこから得られるものは非常に大きいとか。幹事をやっていると自然に細かい点にまで目が行き届き、他人に対してさまざまな点にまで配慮できるようになるそうです。
栃木県のカメラ販売チェーン店
サトーカメラを知っていますか?サトーカメラのカメラ販売シェアは、14年連続で栃木県ナンバーワン。デジタル一眼レフカメラの販売シェアは県内で60%以上という驚異的な営業成績を誇っています。
このサトーカメラが、並み居る強豪家電量販店との激闘の末に見出した商売の極意は、「効率を求めないこと」だという。それでも利益率は上昇し、価格が量販店より高くてもリピーターになるお客が多い。
最初はみな同じことをやるわけです。大手家電は大量仕入れを武器に価格を下げて大量販売をしますね。それに中小はどう対抗するのか? 値下げには限度があります。仕入れ原価は当然、大手の方が低いわけですからね。
そこで勝つには、やり方を変えるしかない。人の力を利用するしかないわけです。お客さんに納得してもらうまで話し、説明をすることのようです。大手の量販店で1時間もお客さんと話していたら怒られてしまいますがね、サトーカメラでは当たり前のことのようです。
今の時代、情報が氾濫しています。すでにCMなどの広告により、お客さんは情報を持っている。あとは同じものなら安いものを買いたい。それが当たり前の発想でしょう。
ヒット商品っていうのは、たいてい「ブランド」のおかげで、メーカーがテレビCMを流して大手家電量販店が重点的に売って、両者が結託して作り出しているのです。売れ筋を作れば経営的には効率がよく儲かりますからね。
でも、テレビCMに乗る商品なんてごく一部で、それ以外が90%以上です。サトーはそれらの中から、操作のしやすさ、ホールディング、頑丈さ、レンズのコーティングなどを全部調べて、「思い出をきれいに残すためにはこれだよね」っていうカメラを探し出してくる。
お客さんは、広告で目にするカメラしか知らない。だから最初は、なんでそんなカメラを押しつけようとするんだって思うが、調べていくと、実はすごくいいカメラだということが分かってくる。実際にお客さんが、本当にありがとう、すすめてくれたカメラ、本当に良かった言ってくる。
競争のない商品は値下げの必要がないから粗利が高い。したがってサトーは儲かるという仕組みですね。大手が物真似で同じ商品を仕入れて安値で売ろうとしますね、でも売れないのです。きちんと説明できる店員がいないからですね。
大手はマニュアルのようなものでしょうか? どの店員に何を訊いても同じ答えが返ってくる。金太郎飴の集団かも知れませんね。それではロボットでも置いていけば?と言いたくなりますね。
なんでもかんでもデジタル化され、人の意思の疎通がなくなっている時代だからこそ、こうした店舗が「暖かみ、ぬくもり」があるということで人が集まるのではないでしょうか?
それは米国でも同じで、私も暇さえあればお客さんのテーブルに足を運んで、座り込んで話しをします。世間話、フットボール、オーダーが来ない限りは挨拶して話をしますよ。そのために豊富な知識を常にアップデートしておかないといけない。
日本はダメだとか言いながら、頑張っている企業もある。そしてそれが私と同じ中小企業であればさらに嬉しいですね。大手には資金力がありますから、何でもできる。ただ最後は人の戦いですかね。浪花節ですかね。皆さん、良い週末を!
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