週末往来2:諸々

 今週届いた日経ビジネス、やはり特集は地震関連ですが、もう1つの「日本人の競争力」に興味がありましたね。「日本人の内向き」は嘘であるということ。世界各国と比較しても日本人の資質は高いのです。  

ただ、そのバランスは実に悪い。例えば体力・健康、知力、経済・社会、労働資質ではスコアが高いが、精神力と国際性で大きくポイントを落としているのです。    

それは、まさに受験のための教育を受け、一方通行の教育で議論(ディスカッション)をしない書き取り中心の教育を受けてきたことも、言えるのではないかと私は分析しますね。英語教育1つとってもそうです。かつてロンドンの英語学校でクラス分けのテストを受けた私の成績は良かったのですが、そのクラスに入ると、話が分からなかったですよ。それをクラスを1つ下げてもらった経験があります。  

アメリカ人に対してよく「こいつら、実力もないくせに口だけは達者」と思うことがあるでしょう。それは彼らのせいではありません。そういうディベートをする教育を受けてきた証拠なわけです。正しいとか正しくないは関係なく、自分を主張することを求められるんだと思いますね。「黙っていても目を見れば分かるだろう」が日本なら「黙っていたんじゃ、分からんじゃないか」がアメリカ。「そんなもん、好きと言わんでも、愛しているに決まってる」が日本なら「好きなら、愛していると言葉にせんと分からんだろう」がアメリカ。だから、彼らは頻繁に「I Love You.」を使い、出かける前にハグしてキスして、また帰ってきてもハグしてキスするのでしょうかね。  

日本人の精神性の弱さを示すものとして、その高い自殺率が上げられています。「おいおい、自殺は日本の文化だ。腹切ればそれですべてが収まる」という解釈もできますが、昨年までのデータでは13年連続で3万人以上が毎年自殺しています。これが精神面が弱いと評価されるのです。  

国際性でも、英語力が特に弱く、TOEFLスコアの平均は66で、中国76、韓国78ですから、情けない数字ですね。TOEFLはこれまでの読み書きから口語を重視するようになり、前記したように、一方通行の英語教育が見直しを迫られているわけです。  

1つ面白かったのは、「日本人の留学生数が減っている」と言われていますが、実際には少子化の中で、数は減っているものの、率では減っていないことでした。こういう数字をしっかり見ておかないといけないですね。  

私は最近、韓国人に接触する機会を増やしているんですがね、あるレストランの指導をしている。それで別に個人的にお金をもらっているわけではありません。1つの縁というか、世間一般で「韓国は日本を越えた、韓国パワーは凄い」などと言われていますから、自分で確かめることも必要ではないかと思い、勉強がてら接触しているわけです。  

それで結論はどうなのか?彼らは凄いのか? 大したことないですよ。いい加減です。ズボラですよ。ただ、面白い連中ですね。隣国なのに全く違いますね。文化面では近いものがありますが、大きな違いがあります。  

彼らはファミリーで動きます。例えば店を1つ開けるにしても家族が総出で出資する。そうすれば大きな金になるから、資金面では安定しますね。そのオーナーの叔父さんが日本生まれの方で少し話しをしましたが、「君たち若い世代が助け合ってビジネスをしてくれることは嬉しい」と語ってくれましてね。私は個人的には日本人は韓国人に迷惑をかけてきたと思っているんで、そういう面でも彼らをサポートすることはしても良いのではないかと思いわけです。韓国の古い人は日本人に対して悪いイメージしかないとよく言われますが、そんなことはないですよ、というのが私の感想です。  

彼らは動き出してから考える。日本人は考えて準備ができてから動く。それゆえ、日本人のビジネスは時間がかかる分、安定している。一方、韓国人のビジネスは早い、ただその分不安定で、博打に近い、それでも彼らはあまりそういうことを考えていない。それは楽観主義なんだろうと私は思いますけどね。それは様々な面で垣間見ることができます。  

こうして、無料で韓国人の性格というか民族性を研究できると考えると、一緒に何かやることは面白いのですよ、私にとってはね。彼らには技術がないから、私に頼ってきますからね。そして100%のものを提供しなくても80%程度のもので、米国人はOKとしますから、この国で彼らは成功するんじゃないかと思いますね。日本人的な100%を目指せは、米国ビジネスにおいては不可欠ではないんじゃないかとも思います。

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