今日はとても良い1日でした。

 それは、昨日のことでした。開店以来のお客さんであるダイアンが息子と嫁を連れてきました。思えば彼は当時、まだ高校生でしたね。それが一時、中国に留学していたかと思うと、お母さんと同じコロンビアを出て、今はエモリーの医学部に通っています。奥さんも医学生、お医者さんの卵です。
 このダイアンにはお母さんがいて、そのおばあちゃんも常連の1人ですが、かつては友達を連れてよく来てくれていました。ところがいつの間にか、かなりの高齢になり一緒に来ることはかなり減りました。おばあちゃん自体も前は週に2回でしたが、最近は月に1回程度ですかね。もう、88歳になるそうです。その友達は一番年長の方は92歳です。

 それで昨日、ダイアンに「最近、お母さんを見ないけど元気ですか?」と尋ねたものです。「もう、かなりの高齢なんでね、あんまり出たがらないんですよ」という返事。息子が「また連れて来るから」と言った矢先の今日、おばあちゃんは孫と一緒に来てくれました。刺身を食べます。米人で白人で88歳で刺身を食べます。私はテーブルまで行き、「よく来てくれましたね。昨日話をしていたところです。お友達は元気ですか?」と訊けば「もうだいぶ足が弱っているんでね、出かけることが難しくなっています」という返事でした。 毎月1回でも良いんですがね、そういう方たちが店に顔を出してくれると嬉しいものです。ただ、出たくても出れない状況にあります。

 その後にもこの前、病気だったためにチキンスープを作ったロザリンがご主人と一緒に帰るときだったので、フロントまで行って挨拶。「チキンスープをお客さんに作ったのは、あなたが初めてでしたよ」と私が言えば「実はチックフィレのチキンに当たったみたいでね。チキンに当たったのにチキンスープで直すなんてね」でした。彼女が肉類を食べないことは分かっていたので、ミートは外し、スープだけを取って野菜をたっぷり入れてあげました。

 その前にはフロリダに遊びに行っていたトムとジェーンが帰ってきましたね。息子家族が先週に来て「親父たちはフロリダに遊びに行った」ということは聴いていましたからね。「今頃帰ってきても寒いのにダメじゃないですか。日曜日ぐらいに帰ってくるとちょうど良い」とジョーク。彼らも毎週1回の常連です。

 こうして多くの常連が支えて店は成り立っています。簡単に締めるとか、売却するとかはできないんですよね。彼らの楽しみを奪うようなことはできませんからね、それは裏切りになります。

 時間があれば、大抵はお客さんのテーブルを回り、他愛もない話をする。そしてそれがお客さんにとっては一番のもてなしになるんじゃないですかね。当然、他の知らないお客さんはジロジロ見ますよ。オーナーシェフがじきじき出てくるんですからね。そのパフォーマンスも大事です。知らない人のテーブルに行って話をすることもあります。これも顧客獲得の手始めですね。

美味しいものを作ることも大事ですが、お客さんとコミュニケーションを図ることも大事です。オーダー作って出すだけなら誰にでもできますからね。そこから先をどう次につなげるかが課題じゃないですかね。

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