日経ビジネスより

 6月28日号が最新号だと思いますが、テーマはCSの前にES、要は顧客満足の前に従業員満足だという特集です。ただ、これは日本という同じ髪の毛、同じ顔の単一人種に言えることではないかと思います。
 実際に同じようなことを私の店でやろうとすると「やり損」になることでしょう。それだけ発展途上国から来た人を使うのは容易ではないということです。与えるものはもらう、そしてその代償はしないのが彼らではないかと最近思います。個々人については性格の違いなどあり、一口では言えませんが全体像としてはそう見ています。それでも飴と鞭を使い分けながら人を使っていかないといけないでしょう。

 逆風の吹き荒れる出版業界にあって、百科事典を作り発売したポプラ社。これには参りました。全12巻のポプラディアという百科事典は年間5千セット売れれば御の字という予想を覆し、初版で1万5千、累計6万セットを売っています。その理由は何? それは文部科学省が02年4月から学習指導要領を改定し、小中学校に「調べ学習」の時間を加えたからです。ところが子どもが調べたいと思っても子どもが使える百科事典がなかったということです、大人向けにはあったわけですけどね。それで社長は現場で必要とされるなら売れるであろうとゴーサインを出したわけですが、取次店から社内まで皆反対したそうです。ましてはポプラは事典を作ったことがないわけです。皆が反対するときにはやるべきだということはよくあります。

 感動ものは岡山のサッカークラブ経営に乗り出した木村さんの話。東大法学部出で元GS証券の執行役員まで務めた男が地元岡山のファジアーノ岡山というサッカークラブを経営しています。現在、ファジアーノはJリーグの2部リーグであるJ2に所属していますが、就任したのは06年7月でした。年間予算400万円、負債額1000万円のクラブに身を投じ、09年には年間予算6億3千万円に伸びました。スポンサー収入や観客動員数が増えたことが大きかったのですが、そこまで行くには私財も投げ出しています。

 儲かるはずの新興国で日本が儲けられない理由というのがありまして、省察することだと説いています。省察とは自ら顧みて考えることですが、これができているのが韓国系の企業だそうで、日本企業はできていないとか。
 日本企業にある3つの過剰、それが機能、品質、量です。携帯電話では多機能が本当に必要なのかということですね。壊れないから高いよりもある程度壊れなくて安い方が新興国では大事なことではないかと書いています。実例:インドでは10万円する壊れない洗濯機よりも1万円の製品にニーズがあるわけです。一度、先に進むと元には戻れないんでしょうか?それでは柔軟性がないことになり、売り上げや利益を失うことになります。

 同じようなことが寿司屋でもいえることでしょう。「魚は生でないといけない」という前提条件がありますが、最近では冷凍技術の発達により、そうでもないような状況があります。実際に私の店では、今年の初めからハマチを生から冷凍にしました。色変わりがあまりない、品質が一定、価格が安いという利点があるわけです。そしてドリップ(解凍時に水が出ること)が極めて少ないわけで、価格を下げられるのであれば、お客さんも喜ぶであろうということで判断しました。これにより、店の利益は上がり、クレームも一切ないことから切り替えて正解だったわけです。常に頭を柔らかくしておかないと何が起こっても対応できませんね。
 ガラパゴス化も良いが、それが違う方向に進化していくと元には戻れなくなるということです。またには孤島から大陸を見て修正しながら進化することも大事ですね。人の10歩先には利益はない、2-3歩先に利益があると誰かが言っていました。
 

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