今そこにある危機を乗り越えるために

なんか映画のタイトルみたいですが「今、そこにある危機」これはハリソン・フォード主演の映画の邦題ですが、この経済危機を乗り越えるために、先週TAKAレストランでは全体のミーティングを開きました。実は、知り合いの店ではオーナーが激を飛ばしているという話を聞き、じゃうちも活を入れないと、と思いまして。 フロントのミーティングは毎日開催し、気付いたことはその都度言っているのですが、全体では毎月1回もしていないのが現状です。同じアジア人とはいえ、国籍違えば考え方も違い、指揮官の下、意思を統一するのは10人以下でも大変です。
さて、今回はキッチンに対しては「きちんとしたものを作る、手抜きをしないこと」を徹底しました。たとえば焼き鳥。前から日本人向けのメニューにはありましたが、Japan Festで好評だったので一般のメニューにも掲載しました。それは良いのですが、焼き鳥にはいろいろ手抜きができます。 多くのレストランでは、まず軽くフライにする、そして焼く。 フライパンで焼き色をつけて電子レンジに入れる。湯通ししておく、そして焼く。いろいろ手抜きは出来るのです。ところが、焼き鳥本来の味を出そうとするとやはり、直火で焼くしかありません、そしてこれは時間がかかるのです。そうするとついついワープをしてしまいます。 おそらく普通に焼けば10-15分かかります。お客さんからすれば、「へーそんなにかかるの」ですが、これに他のオーダーが重なると20分以上かかります。 お好み焼きもそうです。 きちんと焼けば20分かかります。料理とはそんなもんです、では済まされないので、時間を守るためにレストランでは手抜きが生まれるのです。それを「こなしのための料理」とでも言いましょうか。 次々と来るオーダーをこなしていかないといけない。そうすると料理に対する愛情は薄れてしまう、そして妥協した料理が生まれるのです。それは限りなく満点に近い料理からすれば、平均点の味になってしまいます。何百席もある巨大なレストランではそれも許されるでしょう。 ただ、オーナーシェフで手作りでやっている私のような店では許されないことです。 それはお客さんの期待に沿わないものでしょうし、私自身も納得できないのです。今回は、そうした手抜きを一切やるなと名言しました。手抜きをやるにしても味の落ちないやり方を考えること。これは手抜きではなく工夫になります。こうしたやり方に変更しようということです。
フロントに対しては毎日、何か言っていますが、常に同じことの繰り返しです。誰が金を払っているのかを忘れてはいけないということです。 痒いところに手が届く接客をしなさい。 お客さんは今何を望んでいるのか、次に何を望んでいるのか、そこを読めと言っています。そして満足して帰ってもらい、次につながる接客をしなさいと言いました。
こうして、先週末はまあまあの売り上げを確保し、前年比85%から96%まで回復しました。あと10日ですが、前年割れだけは防ぎたいと思います。売り上げは作るものです、お客さんが勝手に来て食べて出来るものではありません。売り上げは積み上げていくものです。それは営業であるフロントが何を売りかにかかっているのです。

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