週末往来:日経ビジネスから
1つ前の号ですが、タイトルは「うちのエースはアジア人」。日本の将来を予見するタイトルです。その内容はどうでもいいのですが最後の「トップ鎖国の罪」が興味深いですね。
大きな日本生まれの会社で社長に外国人を据えることができるかどうか?それは米国のように外からどんどん社長(CEO)を引っ張ってこれるような会社にしていけば問題ないでしょうね。日本のように、大卒で入り叩き上げられて階段を上がっていく仕組みでは難しいように思います。頑張ってきたのに、横からいきなり割り込みで入ってきて自分の将来のポジションを奪われるようなことになりますからね。でも、これが国際的には当たり前のことなんです。ヘッドハンティング当たり前、明日はわが身?当たり前じゃないですか。こういうところも変わっていかないと、日本製品だけでなく、日本人の会社もガラパゴスになってしまいます、というかすでになっているでしょう。
もう1つ気になる記事は、EV電池で韓国勢が攻勢をかけ、日本企業が圧倒されるであろうということです。今回はサムソンではなくLG化学です。自国のほかに米国にも工場を建設し、大攻勢をかけています。ユアサだあ、三洋だあ、は良いのですが、規模で負ける。規模で負けるとコストで負ける。その行く末は日本でしか使われない電池になってしまいますね。
この前、書いたばかりですが、最初から世界を相手にした商売をしないとダメなんですね。まず、日本で成功事例を作り、そして外に出るという次元ではもうなくなってきています。そこは大陸根性の韓国に島国日本が負けているのです。将来の人材育成でも韓国人の米国留学者数は増えているが日本はアジアの中で唯一減っています。このデータだけを見ても「日本の将来ないぜ」になりますね。
例えば私の店、アトランタのしがない寿司屋ですが、お客さんは世界を相手にしています。ここジョージアにいる約8千人の日本人を相手にしても意味がない、数ヵ月後に倒産しますよ。まず400万人のメトロアトランタに住む人を相手にする。そして全米からビジネス出張で来る人を相手にする。そして世界中からアトランタを訪れる人を相手にしているから経営が安定するわけです。
それはランチの状況を見ただけで分かります。日本人客の平均単価は10ドル以下ですが、米人の平均単価は2倍以上あります。そして酒類を飲む人もいますからさらに高くなります。米人が多く来る日は売り上げが飛躍的に伸びますが、日本人が多いと忙しいばかりで売り上げは伸びないのです。どちらを取りますか?単純明快な答えですね。
まあ、このままじゃ日本の将来はない。変なプライドが日本人にはあるのかも知れません。何となく、日本人は勝手に自分が世界2位だと思い込んでいる。そしてかつての植民地だった韓国や中国を馬鹿にしているわけではないが、「奴らには負けない」と思っている。ただ実際にはもう、負け始めている。それはCR誌の自動車のランキングを見ても分かります。CR誌は比較的公平に、自動車のテストを繰り返しデータを出していますから、私は信頼しています。そこで韓国車が良い評価をもらっています。米人なんて所詮、田舎者の集まりですから、誰かが「これ良いですよ」と書けば簡単に飛びつきます。あまり自分のポリシーがない、というか無知が多いのです。だから宣伝が大事、マーケティングが大事で、マーケティングに長けた会社は伸びるんじゃないですかね。
その点、日本人は宣伝下手ですから「良いもんは、向こうから勝手に買いに来る。宣伝なんかせんでええ」的な殿様商売のような文化がありますね。寿司屋もそうで「嫌なら帰れ」みたいな店が今だにあります。そういう底辺があっての日本人魂が、米国で頭を下げることを躊躇させるんじゃないですかね。例えばうちの店でお客さんがワイングラスなどドリンクを零すと、無料で継ぎ足しします。事故であれなんであれ、気持ちよく飲んでいただくためにはそうします。
昔、こんなことがありました。ある店でお客さんが寿司のオーダーを紙に書きますね。それを元に作るところがあります。たまたまあるお客さんがオーダーの行を間違えて、違うものを注文したことがあります。それでお客さんが「これは注文していない」とクレームします。すると寿司シェフが「これ、見てください。あなたの注文ですね」と紙を見せる。それで仕方ないのでお客さんはそれを食べる、実際には注文をしていないのに。これじゃ、東山の金さんの白砂と何も変わりません。
これっておかしいでしょう? 客商売なら、「あーそうでしたか。それならそれを作りましょう」となるのが当然ですね。どうも、日本人にはそういうところがあります。
では私がどうしてこうしたカスタマーサービスができるかと言えば、私は米系のレストランに2年いたからです。そのレストラングループはアトランタで最高のサービスを提供することを目指しています。ここで私は、アメリカのレストランのやり方を学んだわけです。
木曜日のランチでこんなことがありました。最後のお客さんは2人でした。1人がチキン照り焼きをと牛丼を注文、もう1人が寿司ランチを注文しました。作って運ぶと1人が「私が注文したのはチキンで、牛丼ではない」と言うわけです。ウェイトレスが私に「彼はチキンと牛丼の両方を注文した」と言うのです。どちらの主張が正しいですか? お客さんに決まっています。私はテーブルまで出向き、「少しコミュニケーションに不都合があったようですが、牛丼は請求から外しますから、どうぞお食べください」と伝えました。お客さんは「ありがとう」と言い、これで丸く収まるわけです。
間違って運んだものを下げる店もあるでしょう。私は大抵、そのまま置いておき「試食してみてください」と言いますし、自分でたまに間違えて作ったものも、お客さんに出し、「間違えてものですからどうぞ食べてください」と提供します。もちろん、お客さんはハッピーですよね。サービスとはそういうものだと思うのです。お客さんをハッピーにして帰すことが今後のビジネスにつながりますからね。
大きな日本生まれの会社で社長に外国人を据えることができるかどうか?それは米国のように外からどんどん社長(CEO)を引っ張ってこれるような会社にしていけば問題ないでしょうね。日本のように、大卒で入り叩き上げられて階段を上がっていく仕組みでは難しいように思います。頑張ってきたのに、横からいきなり割り込みで入ってきて自分の将来のポジションを奪われるようなことになりますからね。でも、これが国際的には当たり前のことなんです。ヘッドハンティング当たり前、明日はわが身?当たり前じゃないですか。こういうところも変わっていかないと、日本製品だけでなく、日本人の会社もガラパゴスになってしまいます、というかすでになっているでしょう。
もう1つ気になる記事は、EV電池で韓国勢が攻勢をかけ、日本企業が圧倒されるであろうということです。今回はサムソンではなくLG化学です。自国のほかに米国にも工場を建設し、大攻勢をかけています。ユアサだあ、三洋だあ、は良いのですが、規模で負ける。規模で負けるとコストで負ける。その行く末は日本でしか使われない電池になってしまいますね。
この前、書いたばかりですが、最初から世界を相手にした商売をしないとダメなんですね。まず、日本で成功事例を作り、そして外に出るという次元ではもうなくなってきています。そこは大陸根性の韓国に島国日本が負けているのです。将来の人材育成でも韓国人の米国留学者数は増えているが日本はアジアの中で唯一減っています。このデータだけを見ても「日本の将来ないぜ」になりますね。
例えば私の店、アトランタのしがない寿司屋ですが、お客さんは世界を相手にしています。ここジョージアにいる約8千人の日本人を相手にしても意味がない、数ヵ月後に倒産しますよ。まず400万人のメトロアトランタに住む人を相手にする。そして全米からビジネス出張で来る人を相手にする。そして世界中からアトランタを訪れる人を相手にしているから経営が安定するわけです。
それはランチの状況を見ただけで分かります。日本人客の平均単価は10ドル以下ですが、米人の平均単価は2倍以上あります。そして酒類を飲む人もいますからさらに高くなります。米人が多く来る日は売り上げが飛躍的に伸びますが、日本人が多いと忙しいばかりで売り上げは伸びないのです。どちらを取りますか?単純明快な答えですね。
まあ、このままじゃ日本の将来はない。変なプライドが日本人にはあるのかも知れません。何となく、日本人は勝手に自分が世界2位だと思い込んでいる。そしてかつての植民地だった韓国や中国を馬鹿にしているわけではないが、「奴らには負けない」と思っている。ただ実際にはもう、負け始めている。それはCR誌の自動車のランキングを見ても分かります。CR誌は比較的公平に、自動車のテストを繰り返しデータを出していますから、私は信頼しています。そこで韓国車が良い評価をもらっています。米人なんて所詮、田舎者の集まりですから、誰かが「これ良いですよ」と書けば簡単に飛びつきます。あまり自分のポリシーがない、というか無知が多いのです。だから宣伝が大事、マーケティングが大事で、マーケティングに長けた会社は伸びるんじゃないですかね。
その点、日本人は宣伝下手ですから「良いもんは、向こうから勝手に買いに来る。宣伝なんかせんでええ」的な殿様商売のような文化がありますね。寿司屋もそうで「嫌なら帰れ」みたいな店が今だにあります。そういう底辺があっての日本人魂が、米国で頭を下げることを躊躇させるんじゃないですかね。例えばうちの店でお客さんがワイングラスなどドリンクを零すと、無料で継ぎ足しします。事故であれなんであれ、気持ちよく飲んでいただくためにはそうします。
昔、こんなことがありました。ある店でお客さんが寿司のオーダーを紙に書きますね。それを元に作るところがあります。たまたまあるお客さんがオーダーの行を間違えて、違うものを注文したことがあります。それでお客さんが「これは注文していない」とクレームします。すると寿司シェフが「これ、見てください。あなたの注文ですね」と紙を見せる。それで仕方ないのでお客さんはそれを食べる、実際には注文をしていないのに。これじゃ、東山の金さんの白砂と何も変わりません。
これっておかしいでしょう? 客商売なら、「あーそうでしたか。それならそれを作りましょう」となるのが当然ですね。どうも、日本人にはそういうところがあります。
では私がどうしてこうしたカスタマーサービスができるかと言えば、私は米系のレストランに2年いたからです。そのレストラングループはアトランタで最高のサービスを提供することを目指しています。ここで私は、アメリカのレストランのやり方を学んだわけです。
木曜日のランチでこんなことがありました。最後のお客さんは2人でした。1人がチキン照り焼きをと牛丼を注文、もう1人が寿司ランチを注文しました。作って運ぶと1人が「私が注文したのはチキンで、牛丼ではない」と言うわけです。ウェイトレスが私に「彼はチキンと牛丼の両方を注文した」と言うのです。どちらの主張が正しいですか? お客さんに決まっています。私はテーブルまで出向き、「少しコミュニケーションに不都合があったようですが、牛丼は請求から外しますから、どうぞお食べください」と伝えました。お客さんは「ありがとう」と言い、これで丸く収まるわけです。
間違って運んだものを下げる店もあるでしょう。私は大抵、そのまま置いておき「試食してみてください」と言いますし、自分でたまに間違えて作ったものも、お客さんに出し、「間違えてものですからどうぞ食べてください」と提供します。もちろん、お客さんはハッピーですよね。サービスとはそういうものだと思うのです。お客さんをハッピーにして帰すことが今後のビジネスにつながりますからね。
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