独立記念日にあたり 長々と書いてみましたが

  • 13 Of The Most Patriotic Presidential Quotes Of All Time
 7月4日はアメリカの独立記念日です。1776年のことでしたから、239回目の記念日となります。
 憲法は1778年に制定されていますが、その前文は以下です。
われら合衆国の人民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のうえに自由のもたらす恵沢を確保する目的をもって、アメリカ合衆国のために、この憲法を制定する。

 まあ、19世紀から英国に変わり世界の覇権国となったアメリカ、今でも落ちぶれたとはいえ、世界一なのは間違いありません。
 そして世界の富が集まる場所でもあります。かつては日本マネーがアメリカの不動産を買い捲っていましたが、その後、様々な国が参加、ロシアも買いあさり、今は中国マネーがそうなっています。
 それはどうしてでしょうか? やはり、この国は魅力的だからでしょう。なんか富の象徴のようなものがあります。そして世界の資本主義の本社はここにある。世界最大の市場はここにある。
 自動車販売台数では中国の方がアメリカよりも上ですが、アメリカ人の購買力は力強いものがあり、お金が動いているのが分かります。
 お金欲しさにアメリカの地を踏む者がいて、そのお金を使いたくアメリカの地を踏む者がいる。そしてそのお金を巧く騙し取ろうとアメリカの地を踏む者がいます。

  かつて書きましたが、「日本のアメリカ化」。かつては1億総中流と言われてきた日本に格差が生まれ、二極分化してきています。会社に入れば年功序列でエスカレーター式に給与が役職が上がってきたシステムが崩れ、「能力ある者だけが、世渡り術に長けた者だけが上に上がれる」そういう時代になってきたのです。
 そういうアメリカも最初から二極分化してきたわけではありません。かつてアメ車が全盛を誇っていた60年代の後半ごろまでは、普通の職工さんが家が持てて、子息を大学に送り、セカンドハウスが持てた時代があったのです。
 テレビドラマの「愉快なブレディ一家」を覚えていますか?
The Brady Bunch (1969) Poster1969-1974年までの放映
 これが良き時代のアメリカだったのです。離婚した男に3人の息子、離婚した女に3人の娘、そしてお手伝いさん。大きなステーションワゴンで買い物。郊外の大きな家。まさにアメリカを象徴しています。まあ、お手伝いさんが白人というのは差別的ですが、普通は黒人でしょう。(それが今ではメキシコ人です)
 話は逸れますが、トムとジェリーは差別漫画なのを知っていますか? 黒人の家政婦が出てきますが、足と体しか描かれていません。顔が一切出てきません。太った黒人の女性だけが登場します。
 話を元に戻し、それが崩れたのは、日本のなど国が性能が良くて安価なものをどんどん作りアメリカに送り込み、米国内の製造産業を衰退させたからでしょう。
 さらには世界の警察官というか、自国の利益誘導のため、戦争を行い、税金の無駄使いをしたからでもあると思います。
 こうしてアメリカの中に脱落者が生まれ、それは麻薬やアルコールに溺れ、また低層だった黒人層は60年初頭の公民権で平等の権利を持ってからでも事実上は変わりない生活を強いられ、貧困=低レベル教育=低所得=犯罪に染まるといった感じで、その大半は社会の底辺で暮らしていました。
 80年代に入ると、新しい移民が入ってきます。メキシコ人を中心とするヒスパニックです。彼らは実に勤勉で3K職場も全く気にしない。それがそれまで黒人の領域だった仕事をどんどん奪っていくのです。それでますます黒人の居場所がなくなった。
 かつて80年代の後半まではレストランのキッチンといえば、ほとんどが黒人だったそうです。皿洗いをはじめコックといわれる業種はそうだったようですが、それがヒスパニックに代わってしまったのです。造園業もそう、建設業もそうでしょう。
 移民の前に不法という言葉が付きますが、彼らも移民です。かつてはアメリカで5年間働けば、「カーサ・グランデ」大きな家が建ったのです。確か当時の通貨格差が10倍近くあったと思います。だから彼らは朝早くから夜遅くまで一生懸命働く。モチベーションが大きく違うわけです。
 朝の7時か8時から3時まで働く。そして4時か5時から夜の10時ー11時まで働くのです。そうすると時給は安くとも人の2倍働くわけですから月収で2000ドルを超えるわけです。1年で単純に2万4千ドル、5年で12万ドル。当然ながら生活費等が必要でしょうから、半分は消えます。それでも半分をメキシコの田舎に仕送りすれば6万ドル、、通貨格差が10倍とすれば60万ドル相当になります。そりゃ、カーサ・グランデ買えるでしょう? 親は大喜びですよ。孝行息子がアメリカで稼いで仕送りして大きな家を建ててくれるんですからね。
 そうなると「オレもオレも」でリオグランデ川を命懸けで渡るわけです。その気持ち分かるでしょう? かつて日本に来ていた中国人と全く同じです。

 こうして、アメリカという国は、人を合法・非合法問わず、受け入れてきたのです。今ではヒスパニックなしには米国は成り立ちません。彼らの労働力もさることながら、購買力も大きなものです。こうして貧しい者はアメリカを目指す、富める者もアメリカを目指しているのです。
 最初はどこかで働いて、独立してオーナーとなるケースは多々あります。キッチンの油を取る会社がありますが、うちの店はメキシコ人がオーナーの会社です。
 彼はかつて白人のアメリカ人の下で働いていましたが、独立して自分でやっています。前のアメリカ人のときは収集の日もまちまちでいい加減でしたが、今はきちんと毎2週間ごとに収集に来ていて助かっています。これが1つの例です。

 我々日本人がアメリカでビジネスを始めるのは大変なことです。旅行会社、建設などは皆、日本人・日系企業がターゲットでしょう。現地の会社を買収して現地スタッフを雇えば、当然ながら米国系の仕事も取れますが、そうでなければほとんどは日本人相手となるはずです。
 レストランはそういう面では比較的入りやすい業種です。寿司屋なんてかつては、日本人しか食べなかった食べ物ですが、今では中華をしのぐ勢いがあり、誰でも食べます。
 それゆえ、日本人以外の参入が多く、韓国人をはじめ中国人、ベトナム人、インドネシア人などが寿司屋を経営しています。
 彼らは、あまり抵抗なく参入していると思います。日本人なら「寿司屋は大変、生魚だから鮮度が、、、。寿司作ったことないし。魚捌けないし」とか御託を並べて、参入しないでしょう。
 それがどうして非日本人は簡単に参入できるのか? それはMONEYだからです。寿司がブームでお金が見えるからでしょう。
 そこにお金が落ちているのに拾わないバカはいません。それぐらいの発想なんだと思いますね。
 ここが日本人と非日本人の大きな違いです。日本人は行動する前に考えて考えて結論を出すmそしてまだ行動するかどうかの結論が出ていない。非日本人はまず行動に出てそれから考えるのです。それは度胸の違いなのか、「皆やってんだから、できないことはない」ぐらいに考えているのか分かりませんよ。しかし、日本人はお金がそこに落ちていても拾わないですよね。誇り高き日本人なんでしょうか?だから他のアジア人に負けるんでしょう。

 どうも、日本人はそういうところが弱い。まあ、それが今の内向きに反映していると思います。外国に出て稼ぎたいとか、一旗揚げようとか、そういう野心家が減ってきています。
 あんな小さな島国にいても何も良いことはないのですが、それでも長い間染み付いたぬるま湯状態が心地良いらしい。低俗なお笑いを見て、見させられて喜んでいるんだから仕方ないかも知れませんがね。
 それで少し過酷な労働環境に置かれると「ブラック」と言われる。そんなもん、戦後の高度成長時代は皆「ブラック」だったと思いますよ。私の80年代もそうでした。ただ、そういう言い方はしなかった。それは目的意識がありましたからだと思います。
 上に上がりたい、もっと稼ぎたい、良い生活をしたい。今はそれもなくなったといわれています、まことに残念なことですが。

 話を元に戻し、アメリカ。世界中から成功、アメリカン・ドリームを目指してまだまだ人が入ってきているのが現状です。現在の人口が4億人ですが、まだまだ広大な領土です。その2倍の8億人でも問題ないと思います。
 それは食糧自給率の高さもありますが、ある種のバブル押し上げではありませんが、お金が人を引寄せているからでしょう。
 ジョージアにこれだけの日系企業が集まるのはなぜ? 安い労働力と現地生産化してその大きな市場に食い込もうとしているからでしょう。アメリカというのはそれだけ懐が深い国でもあると思います。

 例えば北東部、南東部、中西部、南部(ここではテキサス近辺)、西部と大きく5に大陸を分けますと、仮に北部の景気が悪くても南東部は良い、また他の場所は良いなど、全滅することがないのです。大抵の場合、どこかの州なり地区は伸びているのです。
 そして人の移動が絶えずあります。人は景気が悪い場所から良い場所に意図も簡単に移っていきます。それも日本と違うアメリカの大きな強みだと思いますね。
 今年は全米ランクで昨年の1位から5位に堕ちたジョージアですが、それでもまだ5位の「ビジネスに適した街」になっています。
 それを反映して開発のすごいこと、もう無茶苦茶にアパートやビルが建ち、古い建造物を次々壊して建て替えています。これもそうでお金が回っている証拠です。
 まあ、今の状態は少なからず、2007年のバブルを少し連想させるのですが、バブルを否定はできません。バブルの頂点で売れば金儲けできるのですからね。
 (今は中国の株のバブルが崩壊し、それがギリシア以上に世界経済に影響を与えるのではないかと私は思っています。まだ経済ニュースにはそれが出てきませんが、バブルは株だけではなく不動産もそうですから、80%が個人の株式市場と不動産は別物で、当局が手当てをしていますが、やがて崩壊する可能性は高いのです。)注:上海指数はすでに36%高値から下落

 では、アメリカは安泰か? 世界の覇権を維持している以上は安泰でしょう。中国がデカイという理由だけで世界一の国になることは容易いのですが、その中身がどうかといえばそれは問題がありすぎます。
 単純な話、中国が世界一の国であるとして「よーし、世界一の国、中国に住もう」とは誰も思わないのです。金持ったらとりあえず、「アメリカに家でも買って住もう」になるのです。これは実に不思議なことですが、事実です。だからここ1年でジョージアにも中国マネーが押し寄せているんでしょう?
 ではアメリカは安泰か? 安泰ではないですね。双子の赤字が大き過ぎます。貿易赤字もそうですが、財政赤字は日本同様、大きな問題です。それを支えているのが日本や中国というのも皮肉のように思えますが。
 南シナ海で中国がいろいろ暗躍していても、米国債を握られている中国に対して、アメリカが
強く言えるはずがないですよね。
 最悪の場合を想定すると、中国が自国の共産主義が崩壊するときに、米国債を投売りしたらどうなりますか? 世界経済は混乱するのです。まあ、そういうことは起こらないと思いますが、可能性はあるということです。
 日本はそういう意味では、アメリカの準植民地ですから、そういう裏切り行為はしないですけどね。

 それではアメリカ以上の暮らしができる国があるか? これは今のところありません。単なる消去法なのですが、今後50年は出てこないでしょう。大きな家、交通網の整備、ビジネス環境、消費好きのアメリカ人を相手に金儲けするには最高の国だと思います。
 「働けど働けど我暮らし楽にならず」は石川啄木の「一握の砂」1910年の歌集ですが、アメリカは「働けば働くほど、我暮らし楽になり向上し」と私は替え歌にしたいと思います。
 まあ、そこはビジネスの国、勝者があって敗者がもちろん存在します。2対8の法則、20%の勝者に対して80%の敗者、20%の富裕層に対して80%の中流以下の層が実在していると思います。
 この比率、決して悪くないですよ。日本なら10%以下かと推測します。アメリカ、日本の2倍以上の富裕層比率です。それも人口では4倍ですから掛ける4で日本の8倍の富裕層が存在すると単純計算できませんか?そのグループに入ることは困難ではないと思います。
 
 まあ、私はどうのこうの言いながらアメリカが好きなのです。偽ものでもブロンド大好き、10人に1人の割合で豊胸手術していてもこれもOK。今をエンジョイしているアメリカ人は、先のことばかり考えて何もできない日本人よりは生活を満喫していると思いますし、
 もちろん、問題を先送りにしている点は否定しません。我々、日本人はその「アメリカの良いとこ取り」だけして都合よく生きれば、アメリカである程度は成功するんじゃないかと思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか? これが米国生活20年の私の正直な感想です。

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