週末往来!
1時間ほど、裏庭の草むしりをしていました。芝刈り機を運べない低地なので、人海戦術。といってもやるのは私だけです。まあ良い「汗かき」をしたと思っています。
昨日からNYCのSOTOという店が話題になっています。
SOTO
私はこの人の下で4年間働いてきましたから、性格などはよく知っていますが、元々が短気な人なので、この記事が事実ではないにしても、これに近いようなことをしたというのは事実でしょう。
その原因を探っていくと、トロの脂についての見解の違いにようです。お客さんがトロにクレームをつけたわけです。それが天然だったのか養殖だったのかは不明です。
ただ、私の推測でお客さんが「脂っこすぎる」とクレームしたのですから養殖だったのでしょう。天下のSOTOも養殖マグロに頼るしかないのか?ということです。この人は私と同様、本マグロが好きでなかったはずです。
知らない人のためにマグロを解説しますと、基本的にキハダ、メバチ、そして本マグロがあります。英語でいえばYellow Fin、Big eye、Blue finです。
10-14年前なら10ドル(パウンド)出せば、上質のマグロがありました。それが今では20ドルです。
この前、業者と話をしましたが、NYCあたりではホンマグロなら40-50ドル出しても買うという店があるそうです。それをいったいいくらで売るのでしょうか?
そして魚は天然と養殖に分かれ、また生と冷凍という分別もできます。ホンマグロを私が好きでないのは、筋が多いこと、トロが今一なことにあります。おそらく最高級のマグロはアメリカ近海で獲れても日本に空輸されているはずです。CAのウニも同様でかなりの数が日本に空輸されているそうです。したがってナンバー2のホンマグロよりもナンバー1のメバチの方が美味いのです(あくまでも私の持論ですよ)。
ただ、メバチの数も減ってきていまして、週に1回入れば良い方です。それを四分一で買うわけです。メバチの入荷がないとキハダを買うしかありませんが、キハダは脂がないのです。したがって、ここで登場するのが養殖の大トロです。実際には畜養殖になります。
畜養殖とは、マグロの稚魚を捕獲して、それを生簀に入れてえさを与えて成魚にする養殖です。
もう1つ完全養殖というのがあり、これが近畿大学が成功したやり方で、卵から成魚にさせ、また卵を取り、稚魚にして成魚にする方法です。これだと資源の減少を防ぎ、魚を安定供給できます。
良いことばかりのようですが、問題はあります。まず味がやはり落ちること。反面、脂のノリは調節できます。与える餌に脂を配合できますからね。こうして人間が好むような脂加減にできるわけです。
ただし、畜養殖もそうですが、身から餌の匂いがします。そして日持ちがしないですね。解凍して2日が限界です。天然なら5日以上味は変わりません。
話がかなり逸れましたが、SOTOさん自身も納得はいかなかったと思います。それでも高い家賃払ってビジネスしている以上は「今日はトロがありません」とは言えないわけです。そして高いトロ売ればお金になります。
そういう「これしかない」状態のトロを出して、クレームされても仕方ないのです。それしかないんですからね。だからこんな事件になったのではないかと思います。
うちの店でも、トロの返品はあります。私は受けます。お客さんが満足しないものからお金を取ることはできませんからね。それがうちのポリシーです。そこで喧嘩しても始まらないし、何も良いことはないのです。
ではトロの損をどこでカバーするかですが、うなぎや鮭、平目、巻物などの原価率の低いものがそれを吸収するのです。
寿司屋の商売は、普通とは少し違います。これは私の意見ですよ、あくまでもね。例えば食料品店や洋服では、買値に対して一定のマージンを乗せます。私がかつて勤めていた靴屋では上代設定があり、仕入れ値は55-62%でした。力のあるブランドは仕入れ値が高いわけです。
ところが寿司のネタである魚は、仕入れ値が全然違います。したがってすべての商品の原価から3倍で売ると価格がばらばらになってしまいます。
それで、ある程度同じような値幅になるように調節しているのです。原価率の高いものは2倍程度に抑え、原価率の低いものは5倍、6倍の設定にして、全体で見ると3倍に平均されているようにしているのです。
昨日、Twitterしたのですが、200作って1の返品があるならそれは事故だと想定し、吸収すれば良いことなのです。
それに加え、人間1人1人の味覚が違いますから、それを「これは絶対に美味い、文句言うんじゃない」となるとおかしいのです。
自分が美味しくないものでも、他人は美味しいと言いますからね。そのあたりをビジネスライクにできるかどうかが良いビジネスをするカギだと私は思います。
JUPITOR
平原綾香のジュピターです。木星(ホルスト)に自ら歌詞をつけたいといって申し出たそうです。
昨日からNYCのSOTOという店が話題になっています。
SOTO
私はこの人の下で4年間働いてきましたから、性格などはよく知っていますが、元々が短気な人なので、この記事が事実ではないにしても、これに近いようなことをしたというのは事実でしょう。
その原因を探っていくと、トロの脂についての見解の違いにようです。お客さんがトロにクレームをつけたわけです。それが天然だったのか養殖だったのかは不明です。
ただ、私の推測でお客さんが「脂っこすぎる」とクレームしたのですから養殖だったのでしょう。天下のSOTOも養殖マグロに頼るしかないのか?ということです。この人は私と同様、本マグロが好きでなかったはずです。
知らない人のためにマグロを解説しますと、基本的にキハダ、メバチ、そして本マグロがあります。英語でいえばYellow Fin、Big eye、Blue finです。
10-14年前なら10ドル(パウンド)出せば、上質のマグロがありました。それが今では20ドルです。
この前、業者と話をしましたが、NYCあたりではホンマグロなら40-50ドル出しても買うという店があるそうです。それをいったいいくらで売るのでしょうか?
そして魚は天然と養殖に分かれ、また生と冷凍という分別もできます。ホンマグロを私が好きでないのは、筋が多いこと、トロが今一なことにあります。おそらく最高級のマグロはアメリカ近海で獲れても日本に空輸されているはずです。CAのウニも同様でかなりの数が日本に空輸されているそうです。したがってナンバー2のホンマグロよりもナンバー1のメバチの方が美味いのです(あくまでも私の持論ですよ)。
ただ、メバチの数も減ってきていまして、週に1回入れば良い方です。それを四分一で買うわけです。メバチの入荷がないとキハダを買うしかありませんが、キハダは脂がないのです。したがって、ここで登場するのが養殖の大トロです。実際には畜養殖になります。
畜養殖とは、マグロの稚魚を捕獲して、それを生簀に入れてえさを与えて成魚にする養殖です。
もう1つ完全養殖というのがあり、これが近畿大学が成功したやり方で、卵から成魚にさせ、また卵を取り、稚魚にして成魚にする方法です。これだと資源の減少を防ぎ、魚を安定供給できます。
良いことばかりのようですが、問題はあります。まず味がやはり落ちること。反面、脂のノリは調節できます。与える餌に脂を配合できますからね。こうして人間が好むような脂加減にできるわけです。
ただし、畜養殖もそうですが、身から餌の匂いがします。そして日持ちがしないですね。解凍して2日が限界です。天然なら5日以上味は変わりません。
話がかなり逸れましたが、SOTOさん自身も納得はいかなかったと思います。それでも高い家賃払ってビジネスしている以上は「今日はトロがありません」とは言えないわけです。そして高いトロ売ればお金になります。
そういう「これしかない」状態のトロを出して、クレームされても仕方ないのです。それしかないんですからね。だからこんな事件になったのではないかと思います。
うちの店でも、トロの返品はあります。私は受けます。お客さんが満足しないものからお金を取ることはできませんからね。それがうちのポリシーです。そこで喧嘩しても始まらないし、何も良いことはないのです。
ではトロの損をどこでカバーするかですが、うなぎや鮭、平目、巻物などの原価率の低いものがそれを吸収するのです。
寿司屋の商売は、普通とは少し違います。これは私の意見ですよ、あくまでもね。例えば食料品店や洋服では、買値に対して一定のマージンを乗せます。私がかつて勤めていた靴屋では上代設定があり、仕入れ値は55-62%でした。力のあるブランドは仕入れ値が高いわけです。
ところが寿司のネタである魚は、仕入れ値が全然違います。したがってすべての商品の原価から3倍で売ると価格がばらばらになってしまいます。
それで、ある程度同じような値幅になるように調節しているのです。原価率の高いものは2倍程度に抑え、原価率の低いものは5倍、6倍の設定にして、全体で見ると3倍に平均されているようにしているのです。
昨日、Twitterしたのですが、200作って1の返品があるならそれは事故だと想定し、吸収すれば良いことなのです。
それに加え、人間1人1人の味覚が違いますから、それを「これは絶対に美味い、文句言うんじゃない」となるとおかしいのです。
自分が美味しくないものでも、他人は美味しいと言いますからね。そのあたりをビジネスライクにできるかどうかが良いビジネスをするカギだと私は思います。
JUPITOR
平原綾香のジュピターです。木星(ホルスト)に自ら歌詞をつけたいといって申し出たそうです。
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