ちょっと気になる2012年
紀元前2世紀ごろ栄えたマヤ文明(メキシコを中心とした)が今、注目を集めています。それと2012年がどういう関係にあるのでしょうか? 当時のメキシコには2つの文明がありました。1つはメキシコシティから約50キロの場所にあるテオティワカンです。ここは、2000年に訪れたことがあります。市内から車で1時間なのでメキシコ観光をすればルートに入っています。このテオティワカンの人々は、青銅器や鉄器などの金属器を持たず、世界で3番目に大きいピラミッドを建設し、宗教祭事を決めるための天文学と数学の高度な知識を操っていました。 ちなみにもう1つはメリダ(ユカタン半島にあり、カンクンから車で数時間の距離)にあります。これをチェチェンイツワといいますが。 古代マヤ人の影響を受けたメキシコの先住民であるアステカ人のカレンダーには、宇宙が今までたどってきた4つの時代を示して、現在は5番目の時代だと記されています。 マヤ文明は、「時間の文明」という意味なのですが、今でも多くの謎に包まれています。 私たちが世界史で勉強したのは、エジプト、メソポタミア、インド、中国の古代文明ですが、それらの大文明が誕生した地域には川がそばにありました。さらに、物を効率的に運搬する車輪の発明、そして銅や鉄などの金属の使用という3つの要素が必ずあるのです。 しかし、マヤ文明は、これらの要素を含んでいません。 またインド人が発見したと言われている「ゼロの概念」をマヤの人々は、当時、独自に見つけており、高度に数学を発展させた二十進法を用いていました。また、表現能力は驚くべき高いレベルにあり、現在の実用漢字の総数6000字をはるかに超える4万種のマヤ文字を操っていたことも分かっています。 マヤ文明の暦には、ハアブ暦とツォルキン暦の2つがあります。 ハアブ暦は1年を365.2420日と定め、ハアブ暦の1年(365日)とツォルキン暦の1周期(260日)は、52年でその組み合わせが一巡する、これをカレンダーラウンドというそうです。 チェチェンイツワのピラミッドは巨大なカレンダーとなっており、ハアブ暦とツォルキン暦が一巡する52年のカレンダーラウンドの周期を正確に示しています。 その暦であるマヤカレンダーには、ロングカウントと呼ばれる長期暦があり、「キン」を1日とし、20キンで「ウィナル」、18ウィナルで「トゥン」