週初往来
さて、今日から8月になる。日曜日の8時ごろになって臨時ニュースが流れ、予定通り遅ればせながら与野党が債務問題で合意に達したことをオバマが公表した。これはまさに「予定通り」としか言い様がない。ぎりぎりまで引き伸ばして期限まで1日と約4時間余りだった。 とりあえずの危機回避に東京市場は大きく反応し、日経平均は180円挙げ1万円を回復。当然ながら売られていたドルは買われ、76円台から78円台になった。また高値を更新していたゴールドも当然売られ16ドル安の1614ドルで動いている。 ただ、これで終わったわけではない。これは単なる合意であり危機回避のための「先延ばし」である。口頭では何でも言えるのである。「向こう10年間で1兆ドルの赤字を削減します」とはいえ、具体的に何を削るのか下ろされていない。これは単に国民と世界を安心させるためのパフォーマンスでしかない。 同じことは欧州危機に対しても言えることで、「ギリシアを支援します。お金を融通します」と言っているだけで、それはギリシアにお金を貸している銀行を救済するためのパフォーマンスであり、実際に死に体のギリシアを救うのは容易ではない。すでに破産しているような国であろうから。これは次の策を考えるための延命策でしかないと思った方がいい。 したがって、「やれやれ、世界経済危機は去った、一安心」と思ってはいけないことになる。アトランタを見ただけでも景気回復はなく、悪くなっている。7月29日のニュースによると、6月のメトロアトランタの失業率は5月の9.7%から上がって10.5%になっている。まあ、これはスクールバスの運転手が季節労働者扱いで、夏休みに解雇されたためと解説されているが、その反動が8月に起こるかどうかを確認しないといけない。 今週は7月のデータが出揃う。まずは火曜日には7月の自動車販売実績が出る。昨日Acuraの前を通ったが在庫がない、いつもはディーラーの建物の横には新車在庫があるが、そこが空きスペースになっている。これは震災の影響で車が作れず米国に届いていないという証拠だろう。そして5日の金曜日には7月の失業者データが出る。その前の日、木曜日は新規失業保険申請件数が出る。なかなか見逃せない週となる。 明日のNY市場はアジアー欧州の株高の流れを受け、ダウは200ポイント以上は上がること