週末往来!
別にブログをサボってるわけではありません。忙しくて書く時間がないんですよ。2週間連続の休みなしが、今日で終わります。ただ今日の仕事はそんなにつらいもんではない。10時からコンサルティングの仕事をこなし、4時ごろ店に行って酒試飲会の準備をするだけですからね。
さて、寿司業界というかフード業界は問題ありありです。金曜日にはサーモンが不足という連絡が来ました。いろいろ聴いてみると、養殖なのに魚が育っていない状態が続いているそうで、供給不足は、あと1ヶ月近く続くとか。金曜は夕方に別便で入荷しましたが、そのサイズの小さいこと。二回り小さいサイズでしたね。まあ、完全に育っていない状況でも出荷しているのでしょう、お金のためにね。
もちろん、価格も上がっており、今週の入荷分から10%程度の値上げになります。これが原油価格高騰の分は入っていませんから、それが転化されるとさらに価格が上がることでしょう。そして、こういう品不足になると、必ず買占めが起こります。サーモンはスコットランドからの空輸ですが、1ケースに2-3入っています。それを7とか8ケースオーダーする野郎が出てきます。
業者からは月曜日に入るので多めに取ってくださいといわれましたから、私は2尾買いますけどね。そんなに大量に買っても置くスペースがないです。それと私の店ではサーモンは冷凍せず、生で使っているので、JIT方式で買っているわけです。ほとんどの店ではサーモンは一度冷凍していると思います。サーモンには寄生虫がいるとかで、冷凍にして殺すのですが、私の店では違うやり方で殺しているので冷凍にはしません。生は生で食べるのが美味しいということもあります。
ちなみに、EUでは寿司用の魚はすべて1回冷凍してから使うように指示が出ているそうです。「生魚は危険」ということなんでしょうかね。所変われば法律も変わるわけです。
不足はサーモンだけではありません。先週からチリアンシーバスという銀ムツが日本名だと思いますが、この魚の供給がありません。これは冷凍で入ってくる焼き魚ですが、在庫がないそうです。
この魚の正式名称はPatagonia Tooth Fishですが、こんな名前では売れないのでChilean Seabassというファンシーな名前に変えたのです。五木ひろしみたいですけどね。
97年ごろから大ブームになった魚で、一時値段が高騰、そして絶滅する可能性が出たので、自主規制に入り、扱いを止めたレストランが多かったですね。それでも美味しい魚ですから扱う店があります。私の店でも定番です。それがいなくなるとやはり厳しい現実ですね。
世界的な寿司ブーム、そして健康志向から肉から魚に大きく移行していますから、ますます魚不足になります。そして、中国などお金を持った国が高値で買うから値段が上がる、住宅バブルがあるなら、魚バブルがあるようなものです。そして魚バブルは弾けませんね。皆さん知っているように、大物の本マグロが築地で競り落とされると、半分は香港か上海に行きます。
そうなると「どんな魚でも食べるしかない」的になっていきますね。先週、マゴチを買いましたが、鯒なんて昔はウヨウヨいて、よく釣ったものです。刺身で食べるようなことはしなかったですね、それがいつの間にか食べるようになった。深海魚もそうですね。沿岸部で獲れていた魚がいなくなると、少し深いところに行かざるを得ないわけですね。今後も知らない魚が市場に出てくると思いますよ。
それにしても歩留まりの悪い魚が多いので原価計算が狂います。歩留まりが悪いというのは、捨てるところの多いことです。マゴチは最たる例ですね。頭が大きくして尾にかけて細くなっていきますから、使えるところが少ないわけです。先週入ってきたマゴチは1.8パウンド(816g)で、パウンドあたり35ドルしますから、仕入れ値は63ドルでした。それで頭を外して、大きな腹ビレを外します。そして内臓のところに骨がドドーンと入っていますから、ここを全部取ってしまうと、実際に使えるのは半分しかありません。寿司ネタにして1オーダーで10ドル近い値段にしても合わないわけですね。それが現実の世界です。
寿司の値づけは、各魚で3倍掛けとかしていたら価格差が広がってしまいますから、そのあたりを調整するわけです。うなぎやサーモンのような原価の低い魚で利幅を取り、マゴチや馬面ハギのような歩留まりの悪い魚はほとんど儲からなくても他の利益で調整するわけですね。
実は土曜日から寿司メニューの構成を変更しました。それまではマグロに始まり縦並びで、他の店と同じ構成だったと思うのですが、せっかく築地から高い魚を買っているので、そのカテゴリーを設けようとしました。Tokyo Tsukiji Market Expressというカテゴリーを作り、そこに築地から買っているものを入れました。それで土曜日にはその魚はほとんど完売したのです。レストラン9年もやって、今頃そんなことに気がついたというか、初めての試みですね。これも1つのマーケティングじゃないですか。
毎日、仕事しているとマンネリになります。たまには「こうじゃないだろうか?」と業務改革をしないといけない。そしてお客さんに飽きられない工夫もしないといけない。そして何よりも大事なことは、店が育つには、お客さんを育てないといけないわけです。
最初はスパイシーツナ巻やカリフォルニア巻でも良いわけです。とりあえず、どんなもんでも寿司を食べる人がいればそれがきっかけで店に来てくれますからね、そこからマグロの一本釣りではないが、将来性のある客を釣り上げて育てていくわけです。
今、毎週定期的にこうした築地物の魚を好む顧客がいます。1人は5オーダーのお任せを必ず頼む。1人は握りお任せ12カンを頼む。あるカップルは金目鯛の煮付けを食べてから握りのお任せを頼むわけです。これ皆米人の常連さんです。この輪をもう少し広げることができれば、さらに上顧客が増えるわけですね。築地物を食べる人はやはり最高ランクの客層だと私は思いますからね。
さて、寿司業界というかフード業界は問題ありありです。金曜日にはサーモンが不足という連絡が来ました。いろいろ聴いてみると、養殖なのに魚が育っていない状態が続いているそうで、供給不足は、あと1ヶ月近く続くとか。金曜は夕方に別便で入荷しましたが、そのサイズの小さいこと。二回り小さいサイズでしたね。まあ、完全に育っていない状況でも出荷しているのでしょう、お金のためにね。
もちろん、価格も上がっており、今週の入荷分から10%程度の値上げになります。これが原油価格高騰の分は入っていませんから、それが転化されるとさらに価格が上がることでしょう。そして、こういう品不足になると、必ず買占めが起こります。サーモンはスコットランドからの空輸ですが、1ケースに2-3入っています。それを7とか8ケースオーダーする野郎が出てきます。
業者からは月曜日に入るので多めに取ってくださいといわれましたから、私は2尾買いますけどね。そんなに大量に買っても置くスペースがないです。それと私の店ではサーモンは冷凍せず、生で使っているので、JIT方式で買っているわけです。ほとんどの店ではサーモンは一度冷凍していると思います。サーモンには寄生虫がいるとかで、冷凍にして殺すのですが、私の店では違うやり方で殺しているので冷凍にはしません。生は生で食べるのが美味しいということもあります。
ちなみに、EUでは寿司用の魚はすべて1回冷凍してから使うように指示が出ているそうです。「生魚は危険」ということなんでしょうかね。所変われば法律も変わるわけです。
不足はサーモンだけではありません。先週からチリアンシーバスという銀ムツが日本名だと思いますが、この魚の供給がありません。これは冷凍で入ってくる焼き魚ですが、在庫がないそうです。
この魚の正式名称はPatagonia Tooth Fishですが、こんな名前では売れないのでChilean Seabassというファンシーな名前に変えたのです。五木ひろしみたいですけどね。
97年ごろから大ブームになった魚で、一時値段が高騰、そして絶滅する可能性が出たので、自主規制に入り、扱いを止めたレストランが多かったですね。それでも美味しい魚ですから扱う店があります。私の店でも定番です。それがいなくなるとやはり厳しい現実ですね。
世界的な寿司ブーム、そして健康志向から肉から魚に大きく移行していますから、ますます魚不足になります。そして、中国などお金を持った国が高値で買うから値段が上がる、住宅バブルがあるなら、魚バブルがあるようなものです。そして魚バブルは弾けませんね。皆さん知っているように、大物の本マグロが築地で競り落とされると、半分は香港か上海に行きます。
そうなると「どんな魚でも食べるしかない」的になっていきますね。先週、マゴチを買いましたが、鯒なんて昔はウヨウヨいて、よく釣ったものです。刺身で食べるようなことはしなかったですね、それがいつの間にか食べるようになった。深海魚もそうですね。沿岸部で獲れていた魚がいなくなると、少し深いところに行かざるを得ないわけですね。今後も知らない魚が市場に出てくると思いますよ。
それにしても歩留まりの悪い魚が多いので原価計算が狂います。歩留まりが悪いというのは、捨てるところの多いことです。マゴチは最たる例ですね。頭が大きくして尾にかけて細くなっていきますから、使えるところが少ないわけです。先週入ってきたマゴチは1.8パウンド(816g)で、パウンドあたり35ドルしますから、仕入れ値は63ドルでした。それで頭を外して、大きな腹ビレを外します。そして内臓のところに骨がドドーンと入っていますから、ここを全部取ってしまうと、実際に使えるのは半分しかありません。寿司ネタにして1オーダーで10ドル近い値段にしても合わないわけですね。それが現実の世界です。
寿司の値づけは、各魚で3倍掛けとかしていたら価格差が広がってしまいますから、そのあたりを調整するわけです。うなぎやサーモンのような原価の低い魚で利幅を取り、マゴチや馬面ハギのような歩留まりの悪い魚はほとんど儲からなくても他の利益で調整するわけですね。
実は土曜日から寿司メニューの構成を変更しました。それまではマグロに始まり縦並びで、他の店と同じ構成だったと思うのですが、せっかく築地から高い魚を買っているので、そのカテゴリーを設けようとしました。Tokyo Tsukiji Market Expressというカテゴリーを作り、そこに築地から買っているものを入れました。それで土曜日にはその魚はほとんど完売したのです。レストラン9年もやって、今頃そんなことに気がついたというか、初めての試みですね。これも1つのマーケティングじゃないですか。
毎日、仕事しているとマンネリになります。たまには「こうじゃないだろうか?」と業務改革をしないといけない。そしてお客さんに飽きられない工夫もしないといけない。そして何よりも大事なことは、店が育つには、お客さんを育てないといけないわけです。
最初はスパイシーツナ巻やカリフォルニア巻でも良いわけです。とりあえず、どんなもんでも寿司を食べる人がいればそれがきっかけで店に来てくれますからね、そこからマグロの一本釣りではないが、将来性のある客を釣り上げて育てていくわけです。
今、毎週定期的にこうした築地物の魚を好む顧客がいます。1人は5オーダーのお任せを必ず頼む。1人は握りお任せ12カンを頼む。あるカップルは金目鯛の煮付けを食べてから握りのお任せを頼むわけです。これ皆米人の常連さんです。この輪をもう少し広げることができれば、さらに上顧客が増えるわけですね。築地物を食べる人はやはり最高ランクの客層だと私は思いますからね。
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