すでに始まっている高級レストランの閉鎖

 10月1日にリッツカールトンBuckheadのThe Dining Roomが閉鎖になりますが、先週末には、Manson of Peachtreeにある高級イタリアンのNeoが閉鎖となりました。一時は29ドルの3コースディナーを導入して客寄せをしていましたが、この不況下ではそれも通用せず、閉店です。そのすぐ前にあるCraftにもやばいという噂が出ています。不況プラスの過剰なまでもレストランで客の争奪戦が起きていますから、ここ2年以内に開いた店は非常に苦しいはずです。常連客を作る前の状態ですし、一番安定しない時期なのです。いくら全米に名が知られていようとも、NYCの有名シェフでもそれは同じことです。少し前にはBuckheadの南にある Wolfgang Pak Expressも閉鎖となりました。彼でさえハリウッドのビッグネームレストランで、アカデミー賞の受賞式や関連パーティで料理を作る有名シェフですが、それでも潰れます。
 私が思うには、大きな資本を入れて馬鹿でかい店を作っているレストランほど今の時期は潰れます。オーナーはお金だけ出してマネジメントを他人に任せる。「レシピはこうこうだから、この仕様で作りなさい」といった感じですね。それじゃ、チェーンと同じじゃないですか? そんな店の料理を食べたいと思いますか? 今はやはりオーナーシェフの時代です。小さいながらも毎日買出しに自ら走り、食材を見つけ、日替わりのスペシャルがあるようなお店(別に私の店のことを言っているわけではありませんよ)、そういう店のほうが楽しいでしょう? 面白みがあるでしょう? ハプニングがあるでしょう? そういう店には必ずオーナーシェフがいて、毎日キッチンに立っています。それが本来の姿です。それがお金儲けに走るからそうなってしまう、そして味が落ちる、潰れて当たり前ですね。自分がお金を突っ込んでいないビジネスにどうして心の底から取り組めますか? どこかで手を抜きいい加減になるに決まっていますね。それが人間の持つ本能みたいなものですから。
 話は逸れましたが、12月末で閉店する店はこれからも出てきます。

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